2020年04月09日

Classic Blues From Bluesville(V.A)

51SFgNVViFL._A.jpg

V.A./Classic Blues From Bluesville
(BLUESVILLE)

今日もブログをお読みくださった皆様ありがとうございます。

さて、何度も繰り返し説明しておるような気がいたしますが、このブログは音楽が好きな人達のため、というよりも「主に今のポピュラー音楽のルーツのところにある色々な音楽の素晴らしさを、少しでも多くの人に知ってもらおう」というブログです。

したがいましてブログで採り上げるアーティストや作品には、時に世に余り知られていないものも多くございます。

えぇ、世に言う「マニアックなブツ」とかいうやつです。

でも皆さんちょっと待って、音楽にマニアックなんてもの、本当にあるのでしょうか?

多くの人に「マニアック」と言われている音楽は、聴いてみればヒットした曲や売れたアーティストの音楽と何ら変わらない質感の、しっかりとしたツカミやキャッチーな盛り上がりがあったり、すごく聴かせるグッとくるメロディアスなバラードがあったり、何が何が「フツーにカッコイイもの」も多くあるんです。

もちろん、実験色の強い、売れることやウケることなんぞ全く意識していない音楽もあります。

でも、それはそれとして、世間が知らない/聴いたことない音楽を「マニアック」の一言で片付けるのはどーかと思うんです。

音楽を知る事は知識を得ることでもありますが、それ以上に心が躍ったり弾んだり、じんわり感動したり泣きたい時に思いっきり泣けるような「豊かな心の体験」を多く得る事だとアタシは思っております。

で、最初の話に戻りますが、このブログはお読み頂いた皆さん、特に音楽興味あるけどそんなに知らないよ、という方にとって少しでも多くの「豊かな心の体験」と出会うきっかけのほんの些細な部分にでもなってほしいと思って書いております。


だから文章もなるべく分かり易く、専門用語などはなるだけ使わずに、何よりまずその音楽の空気感とアーティストのパーソネル的な魅力をお伝えしようと、毎回ない頭をひねらせて、結構悩んでるんです。


さてさて、前置きがアホみたいに長くなりましたが、つまりは「音楽にマニアックなんてないよ、聴いたことのないものはガンガン聴いて楽しみましょー!」ということです。

で、ブルースです。

ブルースという音楽は、多くの人にとって「凄く興味があるんだけど、何となく深すぎて遠いような気になってしまう音楽」であるような気がします。

アタシは個人的にブルースっていう音楽は、他の音楽を聴く上でも非常に重要な音楽だと思ってこのブログでも頻繁に様々なアルバムを取り上げて紹介しておりますが、やはり読者さんからは

「アンタのブログ読んでブルースに興味は持ったんだけど、やっぱりよくわかんないから色んな人の色んな曲が入ったやつが聴きたいな〜、何かある?」

という声を頂きます。


なるほど確かにアタシもブルースの奥深い世界に足を踏み入れたきっかけが『アトランティック・ブルース・ギター』というオムニバス盤でありましたし、レコード屋さんなどに言って見たことのない楽しそうなブルースのオムニバス盤があったら、ついつい買ってしまいます。

確かにブルースにせよ何にせよ、一人のアーティストの世界観がギッシリ詰まったオリジナルアルバムの魅力は何物にも代え難いものではあるんですが、色んな濃いキャラクターが1枚のアルバムの中にひしめいているオムニバス盤というのは、アンダーグラウンド・マーケットのようなイケナイ魅力に溢れたものであるんです。


そんな事を考えながら、今文章を書いていて(つうか書く前にぼんやりと、書き出してからハッキリと)浮かんできたすこぶるよろしいブルースのオムニバス、今日は紹介しますね。




Classic Blues From Bluesville [Import]

【アーティスト/収録曲】
(Disc-1)
1.Lightnin' Hopkins/Walkin' This Road By Myself
2.Memphis Slim/Grinder Man Blues
3.Blind Willie McTell/Broke Down Engine Blues
4.Alberta Hunter/You Gotta Reap What You Sow
5.Lonnie Johnson/No Love for Sale -
6.Brownie McGhee & Sonny Terry/Custard Pie Blues
7.Victoria Spivey/I'm A Red Hot Mama
8.Scrapper Blackwell /Blues Before Sunrise
9Mildred Anderson /Everybody's Got Somebody But Me
10.K.C. Douglas /Big Road Blues
11.Al Smith /Goin' to Alabama
12.Furry Lewis /Done Changed My Mind
13.Robert Pete Williams/I've Grown So Ugly
14.Shakey Jake /.Jake's Cha Cha
15.Henry Townsend/Tired of Being Mistreated
16.Pink Anderson/Greasy Greens
17.Sonny Terry/Four O'clock Blues
18.Memphis Willie B./Wine Drinking Women
19.Curtis Jones/Suicide Blues
20.Big Joe Williams/Pallet On The Floor

(Disc-2)
1.Willie Dixon/Go Easy
2.Tampa Red/Don’t Jive Me
3.Big Joe Williams /Meet Me At The Bottom
4.Alberta Hunter/Got A Mind To Ramble
5.Lightnin' Hopkins/Catfish Blues
6.Brownie McGhee/The Killin' Floor
7.Sunnyland Slim/The Devil Is A Busy Man
8.Blind Snooks Eaglin/Brown Skinned Woman
9.Mercy Dee Walton/One Room Country Shack
10.Lonnie Johnson & Victoria Spivey /Idle Hours
11.Sidney Maiden/Sidney's Fox Chase
12.Roosevelt Sykes/Miss Ida B.
13.Reverend Gary Davis/Lost Boy In The Wilderness
14.K.C. Douglas/Bottle Up and Go
15.Little Brother Montgomery/Vicksburg Blues
16.Robert Pete Williams/Free Again
17.Memphis Slim/Frankie And Johnny Boogie
18.Furry Lewis/Shake 'em On Down
19.Mildred Anderson & Eddie Davis Quartet /I'm Gettin' Long Alright (Connections)
20.Scrapper Blackwell /Goin' Where the Monon Crosses the Yellow Dog

(Disc-3)
1.Brownie McGhee & Sonny Terry/That's Why I'm Walking
2.Alberta Hunter/Chirpin' the Blues
3.Lonnie Johnson & Elmer Snowden/Haunted House
4.Lightnin' Hopkins/Coffee Blues
5.Mercy Dee Walton/Have You Ever Been Out In the Country
6.Lucille Hegamin/St. Louis Blues
7.Rev. Gary Davis/Death Don't Have No Mercy
8.Blind Snooks Eaglin /Alberta
9.Sidney Maiden/Me and My Chauffeur
10.Sunnyland Slim/I'm Prison Bound
11.Memphis Willie B/Worried Man Blues
12. Little Brother Montgomery /Santa Fe
13.Victoria Spivey /I Got Men All Over This Town
14.Al Smith & Eddie Davis Quartet/I've Got the Right Kind of Lovin'
15.Pink Anderson/Baby I'm Going Away
16.Willie Dixon/Sittin' and Cryin' the Blues
17.Tampa Red/You Better Let My Gal Alone
18.Roosevelt Sykes /Hangover
19.Scrapper Blackwell/Little Boy Blue
20.Blind Willie Mctell/The Dyin' Crapshooter's Blues


そもそもが1940年代の末にジャズ・レーベルとしてニューヨークの片隅にレコード屋兼制作オフィスを構えていたプレスティジ・レコードは、1950年代にマイルス・デイヴィスやジョン・コルトレーン、ソニー・ロリンズをはじめ、名だたるジャズの大物達の若手時代の演奏を大量にレコーディングしてブームの波に乗ります。

とはいえ、ほとんど個人経営のインディーズ・レーベルでありますので、その経営方針はでたとこ勝負のどんぶり勘定、音源管理も超テキトーで、おまけにミュージシャンへのカネ払いも悪いという超グダグダ。

ところが、レコーディングの内容にはそんな悪い意味でもアメリカンなグダグダが不思議と良い方に転換して、リアルな現場の”生”の雰囲気を伝える素晴らしいジャズの傑作を、図らずも次々と生み出すことになる訳です。

その成功(?)に気を良くしてか、それとも当時アメリカを席捲していたフォーク&ブルース・リヴァイバルにあざとく目を付けたからか、60年代にはプレスティジは業務を拡張。前衛的なジャズを集めた『NEW JAZZ』伝統的なスタイルを集めた『SwingVille』ムーディーで落ち着いたジャズの『Moodsville』そしてモノホンのブルースマン達のレコーディングに本格的に取り組んだ『Bluesville』など、多彩なコンセプトの傘下レーベルを次々立ち上げます。


この『クラシック・ブルース・フロム・ブルースヴィル』は、3枚組という素晴らしいボリュームで、ブルースヴィル・レーベルで行われたブルース録音のほぼ全貌を聴く事が出来るコンピレーションであります。

大体ニューヨークという所は、ブルースの本場と言われていたテキサスやメンフィス、ルイジアナ、ミシシッピなどのような南部とも、南部出身者が一大文化圏を作り上げていたシカゴとも違い、60年代にはまだまだ独自のブルースが根付いていなかった土地であるのですが、それを逆手に取って、ホームグラウンド関係なくテキサスにシカゴにカロライナに・・・といった具合に全米各地から名だたるメンツをサラッツと集め、アコースティックな文字通りのクラシック・ブルースの、しかも多彩なスタイルを揃える事に見事に成功しているんですね。

ブルースといえばのライトニン・ホプキンスから、70年代以降独自のバンド・スタイルでソウルフルなブルースで人気を博したスヌークス・イーグリン、戦前シティ・ブルースの名ピアニスト、リトル・ブラザー・モンゴメリー、戦後シカゴの裏ボスであるウィリー・ディクソンといった文句ナシのビッグネームから、伝説の盲目の12弦ギター弾き、ブラインド・ウィリー・マクテル、弾き語りゴスペルというものを戦後の白人社会に最も知らしめたレヴァランド・ゲイリー・デイヴィス、戦前ブルース最高のギター・テクニシャン、ロニー・ジョンソン、刑務所の中で発見されたディープ・ミシシッピ・ブルースの担い手ロバート・ピート・ウィリアムスなど、中毒性の高い人達まで、よくもまぁこんなに揃えたなと、ため息が出てクラクラします。

「どれ聴いていいかわからない」と嘆く前に、とにかくこのディープかつ色んなスタイルがズラッと楽しめて圧倒される3枚組をぜひお試しください。そいでもってここで気に入ったアーティストのアルバムをつまんでみるってのもブルースの楽しい聴き方ですよ♪








ブルース入門編 〜初心者のための優しいブルース講座〜



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
posted by サウンズパル at 22:12| Comment(0) | ブルース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。