ディープなコラム こちらにも書いてます♪

2017年06月08日

ソニー・クラーク・トリオ(Time)

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ソニー・クラーク・トリオ
(Time/Solid)


ジャズのピアニストの中で、不思議と日本でだけ異常に人気という人がおります。

それが今日ご紹介するソニー・クラーク。

1950年代のモダン・ジャズの典型的な”ファンキーで味わいのあるピアノ”であり、どちらかというと派手にダーッ!と弾きまくるタイプではなく、じんわりと情感を込めた一音で聴かせるタイプの職人的なタイプのピアニストなんです。

で、50年代とか60年代の、ジャズ全盛期の頃は「味があるよね〜」というタイプのピアニストってすごく多かったんですね。

ザッと名前を挙げますと、ジュニア・マンスだとかタッド・ダメロン、エルモ・ホープ、それからマイルス・デイヴィスは実はこのタイプのピアニスト大好きで、有名どころだけれどもマイルスのバンドにいたレッド・ガーランドやウィントン・ケリーなんかも実はこのタイプであります。

で、そのマイルスや初期のバンドのピアニスト達に多大な影響を与えたアーマッド・ジャマルなんかもいいですね。ジャマルの繋がりで言えば同じシカゴのARGOレーベルに一枚だけアルバムを残して儚く消えていったドド・マーマロサなんかも・・・あ、いや、キリがないのでこの辺にしておきますが、とにかく

「ジャズを聴いてみよう」

から

「自分だけの好きなジャズを見付けたい」

というステップを経るにあたって、こういった、まぁ簡単に言ってしまえば、渋く通好みな人達の演奏に

「うわぁ、何かわからんけどすごくいいわぁ〜」

となるのは凄く素敵なことなんですね。

おっとっと、話が大分横道を経てしまいそうなので、ソニー・クラークに戻します。

ソニー・クラークという人は、そんな”何かいいね”と言われてそこはかとなく愛されるタイプのピアニスト達の中でも、特に日本人に愛されるサムシング・エルスを持っております。

そのサムシング・エルスとは何か?ということになりますが、コレが

”そこはかとない哀愁”

なんです。

演奏の中で出てくるマイナー・コードを、ちょっとした間とタイミングでもって引きずるように切ない余韻を匂わせる独特の演奏と音色、それは一言でいえば”哀しさ”なんでが、といって哀愁タップリとかそんなのじゃなく、ファンキーな曲の中にジワッ、ジワッと染み込んでいる、本当の意味での”そこはかとない哀愁”であります。

その”そこはかとなさ”というのは、実はアメリカ人にはよーわからんらしく、日本人でソニー・クラークのファンが多いことを知ったアチラのジャズファンが

「ソニー・クラーク?うん、まぁ確かに味のあるいいピアニストだよ、でも何で日本でそこまで人気ダントツなのかがよくわからん」

と、首をかしげたという話もあちこちで読んだり聞いたりして、すっかりおなじみだったりするんです。

このクラークの”そこはなとない哀愁”をすっかり気に入ってかわいがっていたのが、ジャズではこれはもう支持率No.1の人気レーベル「ブルーノート」であります。

モダン・ジャズ・ピアノといえばこの人に影響を受けていない人はいない巨人、バド・パウエル直系の、よく跳ねるバップ・ピアニストでありながら、彼が繰り出すフレーズには、どこか後を引く切ない味わいがあった。

これを聴き逃さなかったブルーノートのオーナー、アルフレッド・ライオンは、クラークとすぐさま契約を交わし、その年(1957年)と翌年のうちに何と4枚のアルバムを作りました。

麻薬中毒で若くして亡くなったクラークが生涯に残したアルバムはたったの6枚なんですが、そのうち5枚がブルーノートでの作品であり、もう何か説明するのもまどろっこしいぐらいの、以下のアルバムなんかは、今でも大人気の名盤として多くの人に聴かれ、そしてこよなく愛されております。


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クラークはそんなこんなで「ブルーノートを代表するジャズマン」と、我が国では認識されていて、その認識はおおむね間違いではないんですけど、実は、彼が整然にたった一枚だけ別のレーベルに残したアルバムがあって、そしてその一枚というのが、これがどう聴いても彼の本質を無駄なく浮き彫りにしたピアノトリオの名盤なのでご紹介します。

あ、散々ブルーノートの話で煽ってすいませんね(汗)「ブルーノートでのソニー・クラークに関しては明日以降気合い入れて書きますんで許してちょう。




【パーソネル】
ソニー・クラーク(p)
ジョージ・デュヴィヴィエ(b)
マックス・ローチ(ds)

【収録曲】
1.マイナー・ミーティング (take8)
2.ニカ (take5)
3.ソニーズ・クリップ
4.ブルース・マンボ
5.ブルース・ブルー (take3)
6.ジァンカ (take3)
7.マイ・コンセプション
8.ソニア (take1)
9.マイナー・ミーティング (take10)*
10.ニカ (take2)*
11.ニカ (take4)*
12.ブルース・ブルー (take1)*
13.ジァンカ (take1)*
14.ソニア (take3)*

* ボーナストラック



はい、1961年録音の「ソニー・クラーク・トリオ」であります。

実は同じタイトルでブルーノートからもピアノトリオのアルバムが出ていてややこしいので、アタシは「TIME盤」と呼んでおります。えぇ、そうなんです。クラークが、亡くなる2年前に突如フイッと違うレーベルで吹き込んだアルバムで、時期も時期だけにあぁそうか、ブルーノートとの契約が切れたから他のレーベルで仕事してたんだ。と思ったら、この後に再び古巣のブルーノートで「リーピン・アンド・ルーピン」というラスト・アルバムを吹き込んでいるので経緯はよくわかりません。

アタシも最初は

「ふーん、クラークのブルーノート以外でのアルバムねぇ。よくわからんけどカネがなくなったからテキトーに吹き込んだ”日雇い”の仕事なんじゃね?」

とか、結構ナメてかかってたんですが、ナメてました、すいません。コレ、クラークの本気が他のどのアルバムよりも凄まじく感じられる名盤です。

まず、クラークがトリオで一緒にレコーディングしているのが、ジョージ・デュヴィヴィエ(ベース)とマックス・ローチ(ドラムス)という二人の御仁。

実はこの2人、ビ・バップ時代からのベテランで、クラークにとっては最高に影響を受けて尊敬するバド・パウエルとしょっちゅうチームを組んで演奏していた、まさに理想のリズム隊なんです。

ズッシリと安定感抜群のフレーズを繰り出しながら、アドリブに即応して絶妙な”ハズし””スカし”が天才的なベースと、シャープなドライヴ感で気持ちよく突っ走るドラム。

この2人が繰り出す独特のエッジの効いたリズムに乗って、クラークはいつになくハードに、無駄のない音色で”ビシッ””バシッ”と、ジャズ・ピアノのアドリブとしては実に的確でクールなフレーズを次々に決めてくれるんです。

尊敬する先輩達のすこぶるカッコいいビートに、本能剥き出しで迫る気合いの入ったピアノは、それまでのクラークとは全く違う、いや、どっちがいいとかじゃない「これでしか聴けない」味わいです。

で、全曲オリジナル(おぉ!)で固めたクラークの楽曲もいいんですよ。例によって彼の楽曲は、カッコ良くスイングする中にやっぱり哀愁がじわっと滲み出てくる「あぁ、せつねぇ!」があります。はい、このアルバムでは、哀愁ありまくってます。

「TIME盤ソニー・クラーク・トリオ」は、まろやかな哀愁ピアニストのキャラクターをかなぐり捨てたクラークの、孤高で厳しい面が見られる、モダン・ジャズ・ピアノの美しいワン・アンド・オンリーなのです。


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2017年06月02日

オーネット・コールマン ヴァージン・ビューティー

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オーネット・コールマン/ヴァージン・ビューティー
(Portrait/ソニー・ミュージック)

人間誰しもが「バカになりたい」と思うことがある生き物です。

特に何となく忙しない今の世の中に生きていると

「もー、何をー、ふんがふんが♪」

となるストレスっていっぱいありますね。

優れた音楽家というのは、その「ふんがふんが♪」に絶え間なく挑み、人々を息苦しいストレスから解放してくれる人々のことなんだと、アタシは確信しております。

ジャズの世界には、オーネット・コールマンという人がおりまして、この人はフリージャズの大将とか、ジャズの常識を覆したとか、色々言われてるんですが、そういう難しいことを全部脇にでも置いて考えると、この人ほど自由に好き勝手、ストレスと一番遠い地平にある音楽を作った人はいなかった。

もちろん、いろんな”約束事”の多いジャズにおいて

「コードもメロディも関係ないよ、音が鳴ってる空間の中で、自分にとって一番”コレは気持ちいい!”という音を出すことが大事なんだよね。これ、ハーモロディックね」

と、独自の謎理論を持ち出して、そのお約束のことごとく逆を行く斬新な表現方法が変えたものは多いでしょう。何より同業のミュージシャン達から

「あの人は凄い、ああいう風に自由にやるのは、実際なかなか勇気がいることだ」

と、批判と同じぐらいのリスペクトも集めておりましたが、実は本人にとっては

「ん?自分にとって一番気持ちいい音楽やってりゃそれでOKなんじゃないの?」

という気持ちだけが、彼を創造に向かって後押ししてたものだったんじゃないかと思います。

特に1970年代以降、フリーキーなジャズをやるだけでは飽き足らず、バンドを電気化して、ファンクとか民族音楽とか、ロックとか、そういう”その辺にある音全部”を演奏の中に取り入れてドンチャカやっていた時期の彼の音楽は、ジャズとかどうでもよくて、ミクスチャーとかそういったことはさらにどうでもよくて、売れるとか売れないとか、そんなことは究極にどうでもいい、ただ、オーネット・コールマンによるオーネット・コールマンのための”快楽温泉ぬるま湯地獄ミュージック”であるような趣がヒジョーに強いのであります。

ぶっちゃけて言えばフリージャズとか前衛音楽とか言われて何かと賛否両論のセンセーションを巻き起こして、つうか周りが勝手に沸き上がってその渦中にいたオーネットが開き直って

「んもー、おじちゃんバカになっちゃうぞー」

と、とちキレた結果の音楽として、たくさんのエレキギターがそれぞれ勝手にぎゅよ〜ん、ずんちゃかずんちゃか♪ 2台のドラムがこれもそれぞれ勝手にずんどこどこどこずんどこどん♪ と、どこの国のかもよーわからんが、とにかく底抜けにハッピーでじゃんじゃかな祭囃子ビートを叩き出している上で、やたらすっとんきょうでヨジレまくりながらも、訳のわからない凄みに満ちたアルトサックスを「のへー、のへー」と吹きまくってしまっている。つまり同じバカなら躍らにゃ損々♪ とばかりに音盤に刻んだもの。それが”プライムタイム”と呼ばれた電気オーネット・バンドのサウンドなのであります。

さぁ皆さん聴きましょう♪ これを聴けばたちどころにー!ストレスから解放される、たちどころにー!明るくノーテンキな人間になれる、たちまちのうちにー!些細なことなんてどーでもよくなれる。

・・・と、まではいかんかも知れませんが、この底抜けに明るくて、気持ちいいんだか悪いんだかよく分からないぐねぐねうねうねしたビートと、明後日の方向にばかりすっ飛んでゆく、すこぶるピーヒャラなサックスが織り成す独自のポジティヴ・マジックに身を浸すのは、まず間違いなく楽しいと言っておきましょう。




【パーソネル】
オーネット・コールマン(as,vln)
ジェリー・ガルシア(g,@EF)
バーン・ニックス(g)
チャールズ・エレビー(g)
アル・マクドウェル(b)
クリス・ウォーカー(b)
デナード・コールマン(ds,key,perc)
カルヴィン・ウェストン(ds)

【収録曲】
1.3ウィッシーズ
2.ブルジョワ・ブギ
3.ハッピー・アワー
4.ヴァージン・ビューティー
5.ヒーリング・ザ・フィーリング
6.シンギング・イン・ザ・シャワー
7.デザート・プレイヤーズ
8.ハネムーナーズ
9.チャンティング
10.スペリング・ジ・アルファベット
11.アンノウン・アーティスト


電気化オーネットの名盤としては、以前にもレビューした「ダンシング・イン・ユア・ヘッド」という70年代のウンニャラな名盤がありますが、それをよりポップで分かりやすい(のか?)ノリでまとめたのが、1988年録音の「ヴァージン・ビューティ」。

オシャレな感じにこの音楽を言ってしまえば

「アンダーグラウンドほにょほにょコンテンポラリー・ジャズ・ファンク」

なんですが、別にオシャレなんてどうでもいいよという人は、このアルバムに収録された音楽が、スコーンと突き抜けた”ほにょほにょ”であることだけをとりあえず頭に入れてください。

二台以上のエレキギターとツインドラムによる脈絡は全くない軽快なビートに、ベニョベニョな無脊椎動物フレーズをタレ流す2本のエレキベースのアクが加わって、コレだけでも全然美味しい(のか?)んですが、そこに、やっぱり勝手に入ってきて勝手にブルースとファンクとあと何かよーわからんものをネチャネチャさせながら吹き散らかしては去ってゆくオーネットのアルト・サックスと、混沌の具合でいえばサックスよりもっと「おぅ?」なトランペットとヴァイオリンが、もう聴いてる人の脳味噌を優しくかき混ぜてくれます。

ノリとバックの質感は、80年代っぽいややチャラめのファンクではあるんですが、繋がりや協調性の全くないフレーズやバッキングを、たったひとつのメインリフ(なのか?)を絡めながら何度も何度も繰り返すやり方は、後のトランスミュージックとかミニマルテクノのそれに近く、実に摩訶不思議。

そんなオーネットのコンセプトに非常に共感したのが、グレイトフル・デッドという、ユルユル即興ロックの大将で、このアルバムには@EFの3曲で参加してます。

ジャズの大御所とロックの共演とか言うと、これまた刺激的な異種格闘技戦かと思いきや、ガルシアさんのギター、気持ちいい音でバンドに負けないラリラリなフレーズをべよーんと弾いて馴染んでいて、実に自然。


「バカになりたい」

と思った時は聴きましょう。とは言いませんが、コレさえ聴けばアナタも一段格上のバカに・・・いや、違う、ラグジュアリーな・・・これも違う。えぇと、よくわからんくなってきたのでよくわからんまま終わります。うん、これでいいのだ。




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2017年05月31日

ルー・ドナルドソン ヒア・ティス

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Lou Donaldson/Here `Tis
(Bluenote)


「いやいやそうじゃなくて、オレはいつでも安心して聴ける、でもいつ聴いてもこうグッとくるようなジャズが聴きたいんだ」

と、ざっくり言うとこんな要望を受けることがあります。

つまり音楽好きなら誰だってジャズを楽しみたいという純粋な欲求がある、でも、いざ聴こうとすれば、神だの帝王だの天才だの、やたら”凄い人なんだぞ、聴け!”というような、どうもこう門外漢にはキツい圧力みたいのがある。いやいや、そうじゃないんだ、オレらは単純に、ロックやブルースとか聴くような感覚で、ジャズだってシンプルに「あぁカッコイイね〜」「コレはイカすね〜」と楽しみたいんだ。

という話です。

どうもジャズという音楽には「ツウにならないとダメ」みたいな空気があって・・・という方、はい、これはどうしてもいらっしゃいます。

アタシなんかは「いやいやそんなことないっすよ、だってアタシなんかもジャズは相当好きなんですがね、元々がタダのパンクとかブルース好きで・・・、えぇ、そりゃもうチンケな野郎でして・・・」と言い続けて20年強なんですが、アタシがこう言うのには、そらぁある程度のちゃんとした理由があるんです。

や、ホントですよ。大体ジャズなんてもんは、王侯貴族の宮殿で生まれた音楽でもないし、上流階級のエレガントなご趣味の音楽でもない。どっちかってぇとその逆で、元々はやっすい酒場で多少ガラの悪いにーちゃんやねーちゃん達を喜ばせるための音楽だったんです。誰が何を勘違いしちゃったのか、金持ちがジャズ聴いて、あぁそれは結構なご趣味でざますね、ところでこのワインはどこそこの何年もので・・・なんて一部で言われてますけどね、んなこたぁしゃらくさいってもんなんです。

ジャズなんてお前家でビールかっくらって、から揚げに喰らい付きながら聴いてごらんなさいと。

えぇ、そうでございますねぇ。丁度今時分は奄美も東京もすっかりムシ暑い真夏日が続いてるようなんで、今日はひとつ、”ビールとから揚げが美味いジャズ”でもご紹介しましょうかねぇってんでルー・ドナルドソンです。”ルー・ドナルドソン”なんてフルネームで呼んじゃったら、また何か堅くなっちゃいそうでいけませんので、記事の中では親しみを込めて”ルーさん”と呼ばせていただきます。

ルーさんはサックス吹きです。

若い頃は「チャーリー・パーカー(っていうバリバリに吹きまくってた凄い人)スタイルの実力派」なんて呼ばれて、ビ・バップとかいう、何か速くてカッコイイ正統派なジャズの人だったんですが、60年代ぐらいになってから

「いや、オレ実は単純にゴキゲンなブルースを吹きたいだけなんだよネ♪」

と、スタイルをユルく一転、ギターにオルガンなんか入れて、力まないファンキーなスタイルでプリプリとしたゴキゲンなアルト・サックスを聴かせる人になりました。

んで、若い頃のジョージ・ベンソン(という70年代〜80年代に凄く人気者になったフュージョンギターと歌がめちゃくちゃ上手い人)なんかをバックに入れちゃって、当時のソウルとか好きな若者向けに、ユルめのファンクっぽい曲をやった「アリゲーター・ブーガルー」とかいうオシャレ〜なジャケットのアルバムが売れて、それが90年代になってDJとかやったり、クラブに遊びに行くような若い人達にも

「かっこいー、超かっこいいー!」

とウケにウケて、今やソウル・ジャズとかクラブ・ジャズの巨人とか言われておるんです。

あ、ルーさん、そうですよね?

「オレ?あぁ、そうだけどみんなが踊ってくれたら何でもいいヨ♪」


というルーさんは、何と90才で2017年の現在も存命。2014年は御歳88で来日して”世界一ファンキーな80代ぶり”を見せつけてくれました。

イイネ!最高だぜぃ♪




【パーソネル】
ルー・ドナルドソン(as)
グラント・グリーン(g)
ベイビーフェイス・ウィレット(org)
デイヴ・ベイリー(ds)

【収録曲】
1.A Foggy Day
2.Here 'Tis
3.Cool Blues
4.Watusi Jump
5.Walk Wid Me

ほいでもって本日のオススメ盤は、そんな”ビールとから揚げジャズ”のゴキゲンなアルバムをいっぱい出しているルーさんが、レコーディングで初めてビールとから揚げ、違った、オルガンを入れて「オレは肩肘張らずにいきたいんだよネ」宣言をした「ヒア・ティス」。

ミディアム・テンポの4ビートのジャズ・ナンバーとブルースが、ほぼ交互に入った、これはとってもとってもオーイェーな、聴きやすくて味わいがぷぉんと濃いアルバムなんですが、最高なのはその楽器編成です。

もちっとした粘り気のあるルーさんのアルト・サックスに、”ジャズ界きってのブルース弾き兄貴”のグラント・グリーン、このアルバムがミュージシャン・デビューになった、若手のオルガン弾き、ベイビーフェイス・ウィレットに、ルーズなノリもビシッと決める職人ドラマー、デイヴ・ベイリー。

たったの4人で音もいい感じにスカスカ、その隙間にほどよく後を引くグルーヴが漂って、あぁこりゃあゴキゲンに違いない、なノリですねぇ。

注目したいのが、ベイビーフェイス・ウィレットですよ旦那。ジャズでオルガンといえば、まずジミー・スミスが大将ですが、ユルいノリからファンキーなノリ、そしてスイッチ入れたらハードな展開でも全然いけるジミー・スミスは、アタシも大好きで、ホントにすげぇなと思います。

で、そんなジミー・スミスの影響を受けたベイビーフェイス・ウィレットなんですが、コノ人は良い意味でジミー・スミスをもっと不器用にして、ブルースに特化したようなタイプで、このアルバムでもテクニカルなことはほとんどしないんです。で、これが最高なんです。オーイェーです、もう音を聴いただけで真夜中のクラブにいるような気分にさせてくれる、イナセなオルガン野郎、それがベイビーフェイス・ウィレットです。

今日はあんまり細かい解説はしませんでしたが、こういうアルバムはもう聴いて酒飲んで楽しめば、それで極楽なんで、あんまりとクドクドと野暮なこたぁ申しません。いいですか皆さん、これ、ビールとから揚げですよ、ぜひ試してみてくださいな、ビールとから揚げ。




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2017年05月24日

ザ・フューチャリスティック・サウンド・オブ・サン・ラー

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ザ・フューチャリスティック・サウンド・オブ・サン・ラ
(Savoy/LONEHILLJAZZ)

サン・ラーが地球に降り立って103年、地球を離れてからやがて四半世紀が過ぎようとしておりますが、彼の人気は従来のジャズファンのみに留まらず、サイケなロックやプログレ、音響系が好きな人達、ヒップホップやハウス/テクノなど、クラブユースな音楽が好みの方々にも「カッコイイ」と広く受け容れられておるのです。

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サン・ラーの音楽を、彼のことを何も知らないリスナーに聴かせてみると、例えばロック好きなら「クレイジー!」ということになり、電子音好きには「ディープ」との反応が返ってきて、ジャズに興味のある人には「ぶっ飛んでる!」ソウルやファンクが好き人には「渋い!」と、それぞれ目論んだ通りの反応が返ってきてニンマリしたこともありました。

何故、サン・ラーがそんな風に若い人達にウケるのかといえば、一言でいえば彼が元々”ジャズ”というひとつのジャンル内で収まるような表現に拘らず「これはいい」と思ったサウンドはどんどん取り入れて極めていたからでありましょう。それでいて表現の根本にある”ジャズ”の手を抜くことは決してなかった。

カラフルに、変幻自在に立ち回る、一流の実力者揃いのビッグバンドを駆使しての、自由で解放の喜びに満ちたサウンドや、キラキラした派手な衣装、ヴォーカルナンバーやダンサーも入れた”見て、聴いて、体感して楽しめるステージ”が、そのまま普遍的なものであり、彼が活動を始めた1950年代の初頭から現在の三代目サン・ラー・アーケストラ(リーダーは長年サックス奏者を務めてきたマーシャル・アレン)にまで、変わらず受け継がれてきた「純粋に楽しくカッコイイもの」が、流行やテクノロジーの変化に呑まれたり流されたりすることなく変わらぬ魅力を放っているからだと思います。


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5月22日は、サン・ラーの誕生日、や、土星から来た古代エジプト人の末裔であるところの彼流に言えば”地球に降り立った日」でありました。

そこでサン・ラーの音楽と深い見識と体験から練られた彼の宇宙哲学を愛するアタシとしては、コレはサン・ラーを聴かねばならぬぞと初期の頃から最近までのアルバムを色々と物色して自宅や車で流しておりました。


第二次世界大戦が終わった翌年の1946年、地球での生まれ故郷アラバマ州バーミンガムで、大学の音楽教員養成コースの学生として過ごしていたサン・ラーは

「世界が大混乱に陥り、望みを失ったとき、君の話に世界が耳を傾けるだろう」

という宇宙からの啓示を受け「よし、では俺は本格的にプロの音楽家になるぞ」と、南部から黒人がまず行く街として賑わっていたシカゴへ移住します。

シカゴといえばブルースやR&Bがあちこちで流れていたブラック・ミュージックの都ですが、もちろんこの地ならではのジャズも盛んでした(元々戦前にニューオーリンズから移住してきたジャズマン達が根強い影響を残していたのがシカゴでもあるんですが、その話はまたいつか・・・)。

サン・ラーはここで自らのオーケストラを組むべくメンバーを集め、自身の目的(地球人を音楽の力によって正しく導くこと)を理解する演奏家達とビッグバンド形式の”サン・ラー・アーケストラ”(箱舟の”アーク”とオーケストラを掛け合わせたオリジナルの言葉)を結成。

その頃の音楽は、フレッチャー・ヘンダーソンやデューク・エリントンの影響を受けた正統なスウィング・ジャズに、当時人気だったR&B風の楽曲も絡めたものでありましたが、当初からステージで自身の深遠な宇宙哲学を語るサン・ラーは”キワモノ”と思われてました。

しかし「いや、彼は宇宙がどうとか言ってるけど、音楽はホンモノだぞ。クオリティ、ハンパなく高いぞ」と理解して支持するほんの少数のファンや演奏家仲間、音楽やクラブ業界関係者らの支えを受けて、シカゴではそこそこ順調に活動しておりましたが、シカゴ在住14年目の1961年、たまたまツアーで出かけたカナダのモントリオールで、何故か現地の学生達の間で大人気を博してしまい、そのままシカゴには帰らず、ニューヨークに拠点を移しました。

サン・ラーの突然の”引越し”に驚き困惑したメンバーの中にはシカゴに帰った人もおりましたが、信じて付いてきたメンバーと、ニューヨークでサン・ラーとアーケストラの演奏に惚れ込んだ”凄腕のサックス奏者”であるパット・パトリックが加入して、アーケストラの団結はますます強くなるのです。

そいでもって本日皆さんに、おぉ、これはぜひ紹介したいなぁと思ったのが、そんなニューヨーク移住第一弾に当たる記念すべきアルバム「フューチャリスティック・サウンド・オブ・サン・ラー」(1961年録音)です。50年以上前の音楽ですが、これは永遠に未来志向の音楽と言えるでしょう。



【パーソネル】
サン・ラー(p)
バーナード・マッキンニー(epn,tb,bells)
マーシャル・アレン(as,fl,bells)
ジョン・ギルモア(ts,b-cl,bells)
パット・パトリック(bs,bells)
ロニー・ボイキンス(b)
ウィリー・ジョーンズ(ds,perc)
リア・アナンダ(conga)
リッキー・マーフィー(Vo,E)

【収録曲】
1.Bassism
2.Of Sounds and Something Else
3.What's That?
4.Where is Tomorrow?
5.The Beginning
6.China Gates
7.New Day
8.Tapestry From An Asteroid
9.Jet Flight
10.Looking Outward
11.Space Jazz Reverie

前にもちょこっと書きましたが、キャリアが長い上に、ライヴ盤、タイトル違い、ジャケ違いなども含めてべらぼうに数のあるサン・ラーのアルバム、本腰を入れて聴くとなると、それなりの覚悟が必要ですが、大まかなサウンドの特徴として

1.初期(50年代〜60年代頭頃)

スウィングを根っ子に持ったストレート・アヘッドなジャズ・サウンドの中に光るユニークさ

2.フリー期(60年代〜70年代はじめ)

通常の4ビートの枠を超えて歌モノ増える。フリーキーな実験的色合いも濃くなってきている

3.フリー〜ファンキー期(70年代〜80年代)

ムーグシンセが大活躍、フリーキーでカオティックな中にどこかポップな味わいもあったりする

4.大団円期(80年代後半〜90年代)

時にフリークアウトした演奏も炸裂させながら、楽曲はジャズ・スタンダードのカヴァーなど徐々に聴き易くもなる。


な感じになりますが(あくまでザックリな分類です)、このアルバムは1の初期サウンド。

初期のサン・ラーって、実は真っ当過ぎるぐらい真っ当にスイングしてて、時代はビ・バップとかハードバップで、みんなオレがオレがでソロを競ってたのですが、サン・ラーの場合はどちらかというと、まずはバンド・サウンドをキッチリ作り上げてから、その上でメンバーの個性を自由に発揮させるという、実に理知的な演奏を聴かせてくれます。

で、そのバンド・サウンドってとっても楽しいんです。

キッチリとスウィングはしてるけど、そこに民族音楽的な"はずし"や"崩し"が独特の浮遊感を産み出していて、この時点でもう「他のどのバンドにもないポップさと未来感と奇妙な懐かしさ」がもわもわと湯気を立てています。鈴やパーカッションが終始シャカポコ鳴ってるのも雰囲気十分です。

このテの無国籍っぷりの代表曲といえばヴォーカル入りの「チャイナ・ゲート」で、サン・ラーは冷やかしじゃなく相当真面目に世界中の民族音楽を研究していて、実際この曲もちゃんとした中華チューンなんですが、間延びしたヴォーカルの効果もあってどこかユーモラスなんです。

で、各人のソロも光ります。

見事なのはジョン・ギルモア、マーシャル・アレン、パット・パトリックのサックス隊ですね。

特にAHJで聴けるジョン・ギルモアのテナー・サックスのソロ。

ギルモアはコルトレーンに影響を与えた程の超凄腕かつ感覚も非凡な新しさを持ったテナー吹きでありましたが、このアルバムでは無国籍スウィングをバックにしながら、コルトレーンとウェイン・ショーターを混ぜてそれらをかなり骨太に仕上げたような見事な"ぶっ飛び一歩手前"のソロ、これはぜひ聴いてください。

一見スイング・ジャズのスタイルを知的に再現してるように見えて、アレンジもソロも実はかなり斬新で鮮烈なアルバムです。







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2017年05月22日

ジミー・スコット ドリーム

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ジミー・スコット/ドリーム
(Sire/ワーナー・ミュージック)


突然ではありますが皆さん、歌ってのは結構なもんでございます。

はい、アタシにはちょっと特別な感情が湧いてくることがあって、それはいい歌を聴いたときに

「あぁ〜、これはいい歌だね」

と、しみじみ感動した時の、心の内側に浮いてくる、何だか悲しいような切ないような不思議な感情です。

特に悲しい歌、暗い歌を聴いている訳でもないのに、切々と心を打つ歌唱・・・。

こういった歌を聴くと、もうジャンルとかスタイルとか年代とかどうでもよくなってくるというのが正直なところ。

で、最近アタシの内側に、そういった”切々”を感じさせて止まない素晴らしい歌手が、ジミー・スコット。

90年代に「奇跡の声」と呼ばれ、テレビで話題になって、知っている人も多いと思います。

そう、男性に生まれながら、生まれつきのホルモンの病気が原因で変声期を迎えることが出来ず、そのまま女性のような声でずっと歌手活動をしてきた人。その優しく美しい歌声が、彼自身の苦労と偏見に苦しめられた人生の重みとシンクロして、聴く人に特別な感動をもたらし続けていた人であります。

ジミー・スコットは1925年に生まれてすぐに母親を亡くし、十人いた兄弟らと共に施設で育ちました。

ホルモンの病気による障害は少年時代からあちこちに出ていて、普通なら成長期を迎えて身長が伸びたり体力もそれなりに付くところを、彼の体力は十分に育まれず、慎重も150cmあるかないかでありました。

しかし、幼少の頃から音楽が、特に歌うことが大好きだったジミー少年は、早くから生きる道を音楽に見出し、音楽の世界へ飛び込んだのです。

最初は「世にも珍しい女性の声を持つ小さな男性シンガー」として、ある種見世物のような扱いでステージに上げられていたジミーでした。しかし、ニューヨークのクラブで唄っていたら、表で客引きをしていた売春婦達が、その愛らしくもどこか哀しい歌声に惹かれ、商売そっちのけでクラブに入ってジミーの唄を聴きにくるほどで、困った売春婦達のオーナーが、ジミーに請求書をよこしたという逸話も残っております。

で、ミュージシャンの中で、ジミーの特異な歌声の中にある非凡な才能に目を付けたのが、当時人気のバンドリーダーだったライオネル・ハンプトンです。

彼のバンドのヴォーカリストとして1948年に本格的なキャリアをスタートさせ、その風貌と少年(少女)のような声から”リトル・ジミー・スコット”というニックネームでステージに立つや人気者となった彼は、50年代にソロデビューのレコード契約をSavoyレーベルと交わします。

しかし、これがジミーにとっては不幸の始まりでした。

ジミーはバラードが好きで、自分のことを”ジャズ・バラード・シンガー”として知られて欲しいと願って活動しておりました。

ところがSavoyは彼のことを(当時シングル盤でヒットを出せば大当たりになる)R&Bのシンガーに仕立てようと画策。ステージでもそういった芸風で行くようにと命じます。

60年代にはレイ・チャールズが彼の声をとても気に入って、こっそりレコーディングをしてそれをラジオで紹介。一躍全米に彼の名前は知れ渡って二人の間で「じゃあジミー、君が望むようなジャズ・バラードのレコードを出そう」という話はほぼ決まりますが、ここでSavoyが「一生専属の歌手でいること」という契約を縦に発売を妨害。

つまり彼は、純粋に「素晴らしい歌を唄う歌手」として世に認められかけていたのに、やはりレコード会社やクラブを運営するいわゆる音楽業界の側は、彼を「カネの稼げる見世物」ぐらいにしか見ていませんでした。

ジミーは恐らくボロボロに傷付いたことでしょう。失意のまま音楽の世界を去り、中年を過ぎて音楽とは全く関係のない仕事を転々としていたといいます。

再び彼の運命が変わったのは、80年代以降、既に初老に差し掛かっていた頃に、ソングライターのドク・ポーマスや、R&Bの人気女性シンガー、ルース・ブラウンといった人達でした。

特にドクの方は「ジミー・スコットのレコードを出すのは音楽業界の使命だ!」と、公私に渡って支援をしながら、何とか彼のレコーディングが出来ないかと、あちこちのレコード会社に掛け合っておりました(サヴォイとの契約は、前オーナーが死去した時点で無効になっておりました)が、ドク・ポーマスは1991年にガンで死去。

悲しみに打ちひしがれたジミーではありましたが、自分の唄声を愛してくれたこの同い年のかけがえのない友は「オレの葬式で君は唄ってくれ」という遺言を残しており、彼は感謝と悲しみの全てを渾身のジャズ・スタンダード「Someone To Watch Over Me」を唄います。

これが参列者達に感動を与え、ジミーに再び世間が注目することになるのです。

ジミーのアルバムをリリースすることを真剣に考えていただけではなく、本気で長期契約によってしっかり売り出して行こうと考えていたサイモア・ステインというレーベルオーナーが、経営するサイ・レコードにジミーを招聘。










【パーソネル】
ジミー・スコット(vo)
ミルト・ジャクソン(vib)
レッド・ホロウェイ(ts,F)
ペイシャンス・ヒギンズ(ts,A)
ミッチェル・フルーム(org,D)
ジュニア・マンス(p)
リック・ザニガー(g,DF)
ロン・カーター(b)
ペイトン・クロスリー(ds)

【収録曲】
1.ドント・テイク・ユア・ラヴ・フロム・ミー
2.イット・シュドゥント・ハプン・トゥ・ア・ドリーム
3.アイ・クライド・フォー・ユー
4.ソー・ロング
5.ユー・ネヴァー・ミス・ザ・ウォーター
6.イッツ・ザ・トーク・オブ・ザ・タウン
7.アイム・スルー・ウィズ・ラヴ
8.ラーフィング・オン・ジ・アウトサイド
9.ドリーム

64歳になっていたジミーは、長い苦難の人生でようやく安住できる居場所と巡り合います。

サイ・レコードは彼の「ジャズ・バラードを唄いたいんだ」という願いを最高のレコーディング環境と、可能な限り一流のジャズ・ミュージシャン達をバックに集めて叶えます。

サイ・レコードからの2作目「ドリーム」は、ミルト・ジャクソン、ジュニア・マンス、ロン・カーターという大物達がジミーの繊細なヴォーカルを的確にサポート。

深みのあるヴェルヴェットな演奏の上に、更に静かにひしひしと染み渡るジミーの声、若い頃は少年と少女とが混在する、目一杯の悲しみを内に秘めて優しさで織り上げる、この声に何度アタシは天国を感じたことでしょう。どうしようもなく塞いだ気持ちが何度癒されたことでしょう。

ロック畑で有名なプロデューサーのマイケル・フルームと、ミックスを担当したチャド・ブレイクのコンビが作り出す、幻想的な音世界(独特の淡いエコーに、モノラルだけどヴォーカル真ん中、バックは楽器毎に左右からゆらっと響く配置)も、ジミーの声や情感の美しさを素晴らしく引き出していて、このアルバムはある種の中毒性すら帯びているんです。

ビリー・ホリデイやチェット・ベイカーの晩年の声に、抗し難い魅力を感じてしまうように、アタシはジミー・スコットの声にもまた、理屈や知識では割りきれないものを感じてしまいます。



"歌"って、本当にいいもんです。



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
posted by サウンズパル at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする