2015年05月24日

キング・カーティス ライヴ・アット・フィルモア・ウエスト


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キング・カーティス ライヴ・アット・フィルモア・ウエスト
(Atlantic/ワーナー)

70年代ソウル・ジャズ、インストゥルメンタル・ファンクのライヴとして、もはや「聖典」として語り継がれている感すらある、もう名盤中の名盤、キング・カーティスの1971年フィルモア・ライヴでございます。

アタシはキング・カーティスといえば、それこそ二十代前半の頃、夢中で聴いていた、ジャンプ・ブルースやいわゆる「ホンカー」「タフ・テナー」(要はテナーをひたすらブリブリと豪快に鳴らす人達)の流れで、初期の音源を聴いて「うわぁ〜、何て男らしいテナーを吹く人なんだ〜!!」と、惚れて以来のファンなんですね。

つまりカーティスを「ブリブリのブルース系の人」だとずっと思っておった。

それが70年代に、こんなゴキゲンかつ最強にグルーヴィーなアルバムを出しておるとは知らなかった。

働いてたレコード屋の先輩に「え?高良君、キング・カーティス好きなのにフィルモア知らないの?」と、呆れられたことがあります。つまりこのアルバムは、キング・カーティス好きとかブルースとかジャズとかそんなに詳しくない人でも知っているぐらいの有名盤だったんですね。と、後から気付いた(汗)


さてさて、このアルバムなんですが、もう「理屈はいい!とにかく聴け!!」の類でありまして、あー、そんなこと言っちゃったら、紹介する意味なんてなくなるからアレなんですが、もう、何か考えながら聴いても、この素晴らしく腰に来る見事に”かっさらうグルーヴ”にやられて、何も書ききれんごとなってしまいます。

とりあえずメンバーは、キング・カーティスにコーネル・デュプリー(g)、ビリー・プレストン(org)、バーナード・パーディ(ds)他、この時代のソウル〜ジャズ〜ブルースと、又にかけてセッションできる一流どころのメンバーが勢揃いであります。

楽曲も、プロコル・ハルムの大ヒット曲「青い影」レッド・ツェッペリン「胸いっぱいの愛を」スティーヴィー・ワンダー「涙をとどけて」などの、当時の超有名ヒット曲のアツくほとばしるファンク汁100%カヴァーがもう凄まじく(最初はツェッペリンで「やべー、すげー、こんなファンキーになるんだー!!」と狂喜してましたが、「青い影」じわじわきます。ホントコレ名演)、んで、ちゃっかりと入ってる俺達のバディ・マイルス「チェンジズ」とか、ポピュラー・ファンにも、コッテコテのブラック・ミュージック・ファンにも、コレは間違いなくウケるでしょうというか、もうバーナード・パーディが中心になって繰り出すブ厚いグルーヴと、カーティスの「バスーン!」と抜けるテナーの音を聴くだけで、鳥肌が電流のごとく走ります。

あちゃ、やっぱり聴きながら、興奮値MAXで書いているから全然説明的な文章が書けない・・・。

まぁその、ここまで読んで「アツいな」と感じた方は、これはもう是非入手して聴いてみてください。中身は極めて高純度なソウル・ジャズ、つまりは良質なブラック・ミュージックそのものですが、このアツさはどんなジャンルの音楽が好きな人にもきっと伝わるアツさだと思いますので、はいィ。。。





【収録曲】
1.メンフィス・ソウル・シチュー
2.青い影
3.胸いっぱいの愛を
4.アイ・スタンド・アキューズド
5.チェンジズ
6.ビリー・ジョーの歌
7.ミスター・ボージャングル
8.涙をとどけて
9.ソウル・セレナーデ


ちなみにこのコンサート、同じ日に行われたアレサ・フランクリンのライヴの「ついで」に行われた演奏らしいです(彼らはアレサのバック・バンドだったのです)。

いや、この濃密さ「ついで」どころじゃないでしょう・・・・。



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2015年05月06日

マーヴィン・ゲイ(グレイテスト・ヒッツ?)ライヴ

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一応「ライヴ」とはあるけど、いつどこでのライヴか分からない。

ところどころ演奏後の拍手がブツ切りになって曲が始まるから、もしかしたらあちこちのライヴを編集したものかも…。

いわゆる非正規盤なんですが、音質もいいし(特にベースがすごくクリア)、お客さんのテンションも凄いし、選曲も「What's Going On」から始まって「Sexual Hearing」「Let's Get It On」などなどオイシイとこをガッチリ押さえてるし、何よりスタジオ盤以上にノリノリのマーヴィン自身の調子もいいです♪

5年ぐらい前に買ってから、もしかしたら「愛聴」の度合いはかなり高いかも…。

普通には出回ってないっぽいブツなので、中古とかで見かけたら「買い」ですよ〜♪
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2015年04月26日

J.B.'s フード・フォー・ソート

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J.B.'s フード・フォー・ソート
(Polydor

【収録曲】
1.パス・ザ・ピーズ
2.ギミ・サム・モア
3.トゥ・マイ・ブラザー
4.ワイン・スポット
5.ホット・パンツ・ロード
6.ザ・グラント
7.ブレスド・ブラックネス
8.エスケーピズム,パート1,2
9.テーマ・フロム・キング・ヒロイン
10.テーマ・アー・ザ・JB’S

俺達のジェイムス・ブラウンは言うまでもなくキングでありゴッドでありファーザーなのでありますが、それは何も彼一人の実力とカリスマ性だけでそうなった訳ではなく、特に「ファンクの時代」と呼ばれた1970年代は、鬼の特訓(ミスったら罰金とか)でシゴキ上げた素晴らしいメンバー達の血と汗と涙の結晶によって作られたと言っても過言ではありません。

そんな俺達のジェイムス・ブラウン最強のバック・バンド「JB'S」は、リーダー不在でもオソロシくクオリティの高いインスト・ファンクも演奏できるバンドでありました。

フレッド・ウェズリー(tb)、ここには参加してないけどメイシオ・パーカー(as)、ハーロン・チーズ・マーティン(g)、ボビー・バード(org,pec,ect)、フレッド・トーマス(b)、ジョン・ジャンボ・スタークス(ds)といった、本当に「職人」と呼べる面々による、その鉄壁のブ厚い(そしてアツい!)グルーヴがなかったら、ブラック・ミュージックの歴史どことか、音楽の歴史が変わっていたかもしれません。

で、この「JB's」の、名詞代わりとも言える実質的なデビュー作(1972年)「フード・フォー・ソート」であります。

ソウル〜ファンクの文脈ではもちろん、HIPHOPのサンプリングソースとして、もう使われているレコードを挙げればキリがないほどのマスターピース、永遠の金字塔です。

これがさぞやノリと勢いでグイグイ攻めるファンクかと思えば、フレッド・ウェズリーが中心となって、実に綿密に練り上げられた最高にオシャレなインストゥルメンタル・ジャズ・ファンクなんですから、もう何というか何というか、何というかなんですねー(何だそれ!と、お思いの方、聴けば分かりますて)♪

冒頭、1,2曲目は、もちろんグルーヴィーで、これだけでもう「くーっ、かっこぇぇわぁ〜」となること請け合いなんですが、彼らにとっては、まだまだこの辺りは「ほんのご挨拶」です。

3曲目、ジャジーなピアノのコード弾きに、これはもうファンクなカッティングをしたいギタリスト達みんながお手本にすべきギターが「いよいよくるかー」と思わせて、中盤からJB'sのヒップなファンク魂炸裂!!

あくまでコレは「JB's」という最高にオシャレでファンキーなバンドのアルバムなので「誰がどう」ということはなるべく控えようと思うのですが、6曲目「The Grunt」で、ブリブリにうねるベースを聴かせてくれるブーツィー・コリンズのプレイ(途中からめまぐるしく変化してゆくビートにも完全対応!)と、黒根性の塊のようなセント・クレア・ピンクニーのテナー・ソロに耳が行きます。

とにかく全部の曲が「これ以上、これ以外ない」インスト・ファンクの決定打でありますので、アルバム全部を通して、JB'sというバンドが如何に凄かったかを、そのゴキゲンなビートに腰をくねらせながら体で味わってください。ファンク/ソウル・ジャズを聴きたい人には何はともあれ基本にして究極の一枚です。





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2015年04月12日

キング・フロイド KING FLOYD

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キング・フロイド King Floyd
(Chimneyville/ワーナー)

1.グルーヴ・ミー
2.レット・アス・ビー
3.ウーマン・ドント・ゴー・アストレイ
4.ベイビー・レット・ミー・キス・ユー
5.メッシング・アップ・マイ・マインド
6.イッツ・ワンダフル
7.ソー・グラッド・アイ・ファウンド・ユー
8.ドント・リーヴ・ミー・ロンリー
9.デイ・イン・ザ・ライフ・オブ・ア・フール
10.ホワット・アワ・ラヴ・ニーズ

ニューオーリンズ出身の、70年代サザン・ソウルを代表するシンガーの一人、キング・フロイド。

プログレを足して2で割ったような名前でありますが、れっきとしたソウル・シンガーです(汗)

甘くハスキーな声で、何とも優しい歌声と、ソングライターとしても優れた資質を持っており、全編にポップで”掴み”に溢れた良質なメロディが、彼の持ち味です。

「サザン・ソウル」といえば、黒々とした濃いグルーヴで、シンガーもシャウト系のパワフルな「男の体臭で魅了する」といったイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、1945年生まれの彼は、やっぱり10代の頃恐らくは夢中になって聴いていたであろうモータウン系のシンガーから受けた影響を強く感じさせます。

このアルバムは、サザン・ソウルを代表するレーベル「マラコ」のミシシッピ州ジャクソンにあるスタジオでレコーディングされた、キングのセカンド・アルバム。全編に渡って彼の「マーヴィン・ゲイを少年にしてハスキーにしたようなヴォイス」と「ポップな楽曲のピースなムード」に心地良く酔えるアルバムです。

ヒップホップのサンプリングネタとして有名な@「Groove Me」、ゆったりとしたサザンビートに優しいヴォーカルがちょっぷり切ないA「Let Us Be」程よく乾いたポップ・チューンB「Woman Don't Go Astray」JBばりの「ウゥ!」「ハァイ!!」というシャウトも彼がするとマイルドになる心地良いミディアム・ファンクC「Baby Let Me Kiss You」などなど、どの曲も細かく解説したいぐらいの高クオリティ♪

この後徐々に歌唱法にも力強さが加わるキングでありますが、初期のこの甘酸っぱい初々しさはやっぱりいいなぁ〜♪








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2015年04月11日

ペニー・グッドウィン ポートレイト・オブ・ア・ジェミニ

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ペニー・グッドウィン ポートレイト・オブ・ア・ジェミニ

(Sidney/Pヴァイン)

【収録曲】
1.TODAY IS THE FIRST DAY
2.TRADE WINDS
3.RAIN SOMETIMES
4.LADY DAY&JOHN COLTRANE
5.THAT’S ALL RIGHT WITH ME
6.HE’S COME BACK
7.TOO SOON YOU’RE OLD
8.SLOW HOT WIND
9.WHAT’S GOING ON
10.AMAZING GRACE


90年代「フリー・ソウル」「レア・グルーヴ」という言葉が流行って、60年代〜70年代にかけて発売された知られざる名盤、傑作がいくつも再発されましたが、私もその恩恵に預かって、貴重なアルバムを聴かせてもらったり「ほぉ〜、こんなカッコイイ人がいるんだねぇ・・・」という感動をいっぱい味わいました。

個人的には当時「ジャズとソウルのちょうど中間ぐらいの音楽イイな〜」と思っていたので、そういった作品を次々リイシューしてくれるPヴァイン・レコードの情報はくまなくチェックしておりましたねぇ。

ジャズ・ファンクとか、色々と素晴らしいものはたくさんありますが、女性シンガーものは、特に自分がその分野に関しては無知だったこともあり、おかげさまで色々と知ることが出来ました。

で、ペニー・グッドウィンです。

中古レコードをある街で見かけたときに、この何とも味わいのあるジャケットに「うぉお〜、良さげだ」と思い、フラッと値段を見たら・・・「ン万円!!」。

どひゃーとなってその店をすごすごと立ち去ったんですが、このジャケット、どうしても記憶にこびりついてそれから6年後の2004年、何とPヴァインからこのアルバム、再発されたんです。

もちろん即買いしました。

中身もよく知らないままに・・(笑)

聴いてみたら、これが実に上質な「ジャズの香気漂う上質なソウル・ミュージック」。

ペニー・グッドウィンの声は、とっても優しくてマイルドで、絹糸のような繊細さがあります。

1曲目「TODAY IS THE FIRST DAY」なんかは、もう完全にジャズ・フィーリングですね。

強烈な自己主張はないけれど、ひたむきな”強さ”を秘めたヴォーカル。

マリーナ・ショウとかケリー・パターソン、そしてロバータ・フラッグなんかとも共通する「優しさ」があります。

バラード中心で、誰が聞いても「あ、これは心地良い音楽♪」となること請け合いでありますが、ジョン・コルレーンとビリー・ホリディに捧げられた「LADY DAY&JOHN COLTRANE」での、強靭なファンクビート、そしてやっぱりアルバムのハイライトである伝説の名唱「WHAT’S GOING ON」(途中からガンガンアップビートになってゴスペルの「SWING LOW SWEET CHARIOTO」になっていく展開なんかもう何度聴いても鳥肌がゾクゾク立ちます)。

そしてエンディングの「AMAZING GRACE」もう何も言うことはありません。ブラック・ミュージック・ファンなら、持ってて絶対に損はない、長く長く付き合える、こういった作品こそ「上質」と言うべきものでしょうね。

余りにもレア過ぎて、再発盤も一部のマニアにしか売れなかったみたいで、アマゾンでも在庫残ってる(しかも誰もカスタマレビュー書いてない・泣)みたいですが、これを一部のマニアだけのものにしとくのはもったいない!!










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