ディープなコラム こちらにも書いてます♪

2017年07月14日

トゥーツ&ザ・メイタルズ Funky Kingston

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Toots & The Maytals / Funky Kingston


(Island)


いやぁ夏ですねぇ

とか何とか言っておりますが、もうね、毎日暑くて「夏ですねぇ」ぐらいしか言うことがないのですよ。


気合いを入れて何かガッツリしたレビューを書かねばと、もう毎日毎日思っておりますが、いかんせん暑さで頭が回りません。こんな時はルーツ・レゲエと呼ばれる初期レゲエなんかをぼへ〜っと過ごすのが一番です。

レゲエといえば陽気で明るいジャマイカの音楽として、日本でも何度かブームが起こり、その都度多くのファン、特に刺激を求める若い人たちを虜にしてきました。

特に1990年代後半から2000年代といえば、握りこぶしみたいなガッコンガッコンなビートに激しく煽るヴォーカルがメインのダンスホール・レゲエが大流行しました。

そう、レゲエというのは楽しい時もそうでない時も、ジャマイカの人達の心を何となくウキウキさせて自然と腰を降らせ、体を揺さぶって踊らせる音楽でありました。

そういう意味でレゲエはアメリカのソウルやファンク、更にそこから進化して生まれたヒップホップと常にリンクしながら、ちょいと海を越えた所で”同じ先祖を持つ音楽”として共に刺激し合ってどんどん発展していったと言えるでしょう。

ジャマイカという国は、地図でいえばアメリカの右下にあるカリブ海に浮かぶ島国です。

色々と歴史があって、この国はアメリカが独立した後もイギリスの植民地。そして、住民のほとんどは、アフリカから奴隷として連れて来られた黒人の子孫でありました。

つまりアメリカの黒人とジャマイカの人達は、元々同じご先祖様を持ついわば同胞です。

カリブ海の島国には、こういった国がいくつもありますが、共に英語を公用語とする国同士、ジャマイカの人々はアメリカの文化には非常に感心を持っておりましたし、距離的に近いことから、アメリカで放送されていたラジオ番組が、何となくジャマイカで聴けちゃったりしたんですね。

40年代から50年代には、ジャズやジャンプ・ミュージックを聴いてた人達が「よし、じゃあ俺らも」と、サックスや管楽器を手にしてスカが生まれました。

同様にR&Bやソウルを聴いて、歌モノの音楽を作ろうぜと張り切っていた人達が、ロックステディというジャマイカの元祖ポップスを、その影響から生み出しました。

いずれも今のレゲエの大切なルーツになっている音楽です。

で、70年代には皆さんご存知のボブ・マーリィーが、ジャマイカの土着宗教(というか思想)であるラスタファリズムの色を強く押し出して(ドレッドヘアとかマリファナとか、あと政治的/宗教的な色合いの濃い歌詞とかですね)、その神がかりなパフォーマンスで世界中の、特にアメリカやイギリスのロック・ミュージシャン達に「うぉぉすげえ!ジャマイカのアレ何ていうの!?レゲエ??グレイトだぜ!」と大きな衝撃を与え、以後レゲエは単なるジャマイカの1ローカル音楽ではなくて、世界のポピュラー音楽になってゆくのでありますが、はい、皆さんここで思うでしょう

「じゃあボブ・マーリィーが出てくる前のレゲエはどんなだったの?」

と。

はい、そうなんですそうなんです、そうなんですよ。

レゲエという音楽は、確かにボブ・マーリィーという天才が世に広く知らしめましたが、ボブだって元々はウェイラーズというR&Bやソウルの影響モロなロックステディのヴォーカル・グループのシンガーとしてデビューしておりますし、ボブに影響を与えた偉大なレゲエ・ミュージシャンは世界が知らないだけでジャマイカにはたくさんおったわけです。

その中の一人が、トゥーツ・ヒバート率いる3人組”トゥーツ&ザ・メイタルズ”。1960年代のスカ/ロック・ステディの時代から活躍し、サム・クックやオーティス・レディング、そして俺達のジェイムス・ブラウンといったアメリカン・ソウルのエッセンスをロックステディに多く取り込みながら「独自の踊れるジャマイカンビート」にそのスピリッツを込めて”レゲエ”という音楽の基礎を作り上げた一人であります。



【収録曲】
1.Sit Right Down
2.Pomp and Pride
3.Louie, Louie
4.I Can't Believe
5.Redemption Song
6.Daddy's Home
7.Funky Kingston
8.It Was Written Down (


アタシもレゲエといえばボブ・マーリィーやその他ダブ系アーティスト、それからブジュ・バントンぐらいしか知らなかった時大先輩から

「これはいいよ、ジャマイカのジェイムス・ブラウンだよ」

とオススメされて知った人です。

ジャマイカ独自のダンスビートといえば、ん、ちゃ♪ ん、ちゃ♪ のゆったりした裏打ちビートです。

ギター、ドラム、ベース、そして天国のようなオルガンが大きくうねる心地良いグルーヴを回し、トゥーツの、まるでアメリカのソウル・シンガーのようなパワフルで不思議な慈愛に満ちた、まるでJBというよりオーティス・レディングのような、魂のシャウトがひたすら染みます。

1976年のアルバムですから、弟分のようなボブ・マーリィーも既にブレイクしてて、世間でも「あぁ、レゲエってこんな感じよね」というイメージが固まりつつあったこの時代に

「うん、そうだけどオレはこういうのが好きなんだよね♪」

と、初期レゲエの、あのソウルやR&Bを聴きまくってそのニュアンスをそのまんまレコードに刻んでいた人達独特の、もうレゲエとかジャマイカとかそういうもの通り越してひたすらに親しみ易い音楽愛に溢れているこのアルバムを聴くと、夏の暑いのとかそういうのどーでもよくなりますね。

タイトル曲の「ファンキー・キングストン」なんてもうモロJBのセックス・マシーンで、ソウル好きとしてもニヤニヤしちまいますよ♪







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2016年06月19日

オーガスタス・パブロ イースト・オブ・ザ・リヴァー・ナイル

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オーガスタス・パブロ/イースト・オブ・ザ・リヴァー・ナイル

メロディカ、つまり鍵盤ハーモニカ。

要はアタシらも小学校の頃に吹いてたあのピアニカとかいう楽器ですね。

18だか19の頃に、ふと雑誌をパラパラとめくっておると、この楽器を吹いているレゲエのミュージシャンの写真が目に留まりました。

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レゲエといえばボブ・マーリィーとジミー・クリフとリントン・クウェシ・ジョンソンぐらいしか知らなかったアタシにとってこれは衝撃でした。

何と言っても、あの小学生が吹くよーな鍵盤ハーモニカをレゲエの人がかなり真剣なまなざしで構えている。

まったくもってどんな音を出すのか?この人が奏でる音楽がどのようなものか?当時のアタシには想像すら出来ませんでした。

それからしばらくして、このオーガスタス・パブロなる人が「ダブ」と呼ばれるレゲエの中のジャンルの、インスト部門(?)の凄い人であることとか、彼が作る楽曲は、レゲエ・ミュージックの根幹にある”ラスタファリズム思想”というものを表現しているということを知りました。

おぉ、ラスタファリズム。

ボブ・マーリィーの伝記やインタビューの中でもちょくちょく出てきた、このジャマイカならではの宗教的社会思想に興味がものすごくあったアタシは、パブロに関しての資料をかき集め、手当たり次第読んでみました。

簡単に言えば「ラスタファリズム」というのは、旧約聖書に基づいた独自の世界観や生き方を追求する思想です。

例えばレゲエの人らはドレッドヘアでありますが、アレなんかは正に聖書にある「彼の髪に刃物を当ててはならない」とか、そういう契約(神様との約束事)を実践している髪型であり、単なるファッションではないんですね。

あと「俺たち黒人は今は虐げられているけれど、ジャー(神=主のこと)が黒人としてアフリカに現れてみんなを救済してくださる」とか「物質文明の悪しき影響を遠ざけるために山奥で隠遁生活を送り、ガンジャを吸って瞑想に明け暮れる」とか「人の手によって人工的に調理されたものを食さず、また肉も食わず、自然の食物を素材そのままで食べる」とか、色々と戒律があって、「ラスタファ」と呼ばれる人達は、この戒律を今も厳しく守っているようです。

ジャマイカでこのような宗教的思想運動が始まったのには、色々と理由がありました。

その中で最も大きな理由が、1962年のイギリスからの独立です。

支配階級である白人からの解放は、かつて奴隷としてこの島に強制的に連れてこられた黒人達にとっては悲願でもあったことでした。

が、植民地支配から解放された後のジャマイカは、政治的にも経済的にも混乱を極め、また、昔から相次いだ自然災害によって民衆の生活や心は荒みきっており、特に都市部では貧困、犯罪、暴力、そして麻薬などによって多くの人々が塗炭の苦しみを味わっておりました。

「こんなんじゃいかん!」という民衆の鬱屈とした思いと、植民地時代から信仰されていたキリスト教の経典の中の救済思想、とりわけ旧約聖書の中の「エチオピアより王は現れ、神に向かって手を差し伸べる」という言葉を信じ、丁度良いタイミングで1930年に初めてエチオピアで即位した”黒人の皇帝”、ハイレ・セラシエを”ジャーの化身、或いは救世主”として信仰の対象とすることで、ラスタファリズムは徐々に社会的な思想運動になっていった訳であります。

さて、オーガスタス・パブロであります。






【収録曲】
1.Chant To King Selassie I
2.Natural Way
3.Nature Dub
4.Upfull Living
5.Unfinished Melody
6.Jah Light
7.Memories Of The Ghetto
8.Africa (1983)
9.East Of The River Nile
10.Sounds From Levi
11.Chapter 2
12.Addis-A-Baba
13.East Africa
14.East Of The River Nile (Original)
15.Memories Of The Ghetto (Dub)
16.Jah Light (Version)
17.Islington Rock
18.Meditation Dub

パブロ自身、来日時に八百屋に並べてある大根をじーっと眺めて「ラスタファーライ」と言うやそのまんま生でボリボリ食べだしたぐらいの、バリバリのラスタファです。

なので、彼の穏やかな、まるで悠久の大河の流れのような極上のインスト・レゲエ・ミュージックを聴くには、特にラスタファリズムの思想、なかんづくジャマイカの人達が「約束の地」として胸に描いていた希望の大地「ザイオン」のことなんかを思い浮かべながら聴くのがよいでしょう。

この「イースト・オブ・ザ・リヴァー・ナイル」は、パブロの初期傑作で、今でも「レゲエ聴くならコレはハズせない」と評価の高いアルバム。

ダブの特徴であるエコーやディレイは極力抑え目で、シンプルな編成の中でゆるやかに”うた”を紡ぐメロディカの純粋な音色の美しさに癒されます。

深く優しい瞑想の音楽であります。



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2016年06月18日

ボブ・マーリィ反骨のうた

160618_173933.jpg現在廃盤になって久しいのですが、ボブ・マーリィの「トーキン・ブルース」は、これはレゲエ好きのみならず、全音楽が好きな人必聴と言って良い名盤です。
内容は1973年、初めてのツアーで訪れたアメリカのカリフォルニア州サウサリートにあるスタジオで行ったスタジオ・セッションとインタビューを丸々収録したもので、ほぼベストな楽曲と、気迫がみなぎってある種の狂気すら感じられるパフォーマンス、それにジャマイカの現状や音楽、思想がボブ自身の肉声で聴ける、至れり尽くせりなアルバムなのです。

詳しいレビューは再発したらソッコーで書きます。

ボブ・マーリィは歌詞をこそ読むべしです。ゆったりまったりしたピースなグルーヴに溢れた楽曲の歌詞を読むと、あぁこの人は素晴らしい表現者である以上に心底反骨の詩人なんだなぁと思います。





posted by サウンズパル at 22:28| Comment(0) | TrackBack(0) | レゲエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月05日

ザ・ハーダー・ゼイ・カム〜オリジナル・サウンドトラック〜

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ジミー・クリフ ザ・ハーダー・ゼイ・カム〜オリジナル・サウンドトラック〜
(Island/ユニバーサル)

アタシが「レゲエ」という音楽を知ったのは、もちろんロック・サイドからのリスペクト、なかんづくジョー・ストラマー先輩があちこちで「レゲエはカッコイイぞ!あれこそ反骨の音楽だ」と言っておられたのを読んでという、まぁ王道といえば王道のパターンでした。

とりあえず「レゲエ」といえば、みんなが「カッコイイ」と言ってるボブ・マーリィーと、ボブ・マーリィーと・・・、えっと、あと何聴けばいいんだっけ?

と思った時、親父に「えっと、レゲエちボブ・マーリィー以外誰がおるわけぇ?」と相談したら即答で

「そらぁジミー・クリフよ、ボブ・マーリィーもいいがジミー・クリフを聴かんでレゲエは語れん!」

と、断言が飛んで来ました。

それから・・・と畳み掛けるように

「ジミー・クリフの”ハーダー・ゼイ・カムちゅう映画を観ればレゲエっちゅうもんがどんな音楽か分かる!」

と。

ほぉお、そこまでアンタ断言しますか。ならばジミー・クリフを聴いてみますか・・・。

と、購入したのが、その「ハーダー・ゼイ・カム」のサウンドトラック盤でありました。

当時アタシは高校1年、唯一持っていたレゲエのアルバムは、ボブ・マーリィーの「トーキン・ブルース」だけでして、まだあのレゲエ独特のゆったりした横ノリの快楽を全然しらなかったんで「う〜ん、レゲエち全部一緒にしか聞こえん・・・」としか思ってなかったんですね。

そこへいくとジミー・クリフはボブ・マーリィーよりもポップで、ロックやパンクに慣れた耳にも実に分かり易いポップさがありました。

その後カリスマになって夭折し、今や「神様」ぐらいに超リスペクトされまくっているボブ・マーリィは、確かに最初こそ分からなかったものの、一度「キたーーー!!」という体験をしてから(あるんですよ「ボブ・マーリィ体験」ってのは)、一時期もう凄いハマッたし、ライヴ映像なんかを見ても「あぁ、やっぱコノ人すげぇオーラ出まくってるわ・・・」と思うのですが、一方のジミー・クリフは、唄いっぷりもステージでのパフォーマンスも「街のあんちゃん」って感じで、違う意味での好感度がすっごい高いんです♪

で、ジミーの「ハーダー・ゼイ・カム」は、彼自身が主演する、半ばドキュメンタリーみたいな映画なんですけどね、コレはもう必見。

あらすじはイギリスの植民地から独立したけど、政治も経済も治安も最悪のジャマイカで、更に海千山千のイカガワシい音楽の世界で一発当ててスターを目指すジミーのストーリーなんですけど、コレ見ると、親父の言う通り「レゲエという音楽がどのようにして生まれていったか」がリアルに分かります。





【アーティスト/収録曲】
1.ジミー・クリフ/ユー・キャン・ゲット・イット
2.スコッティ/ドロウ・ユア・ブレイクス
3.メロディアンズ/バビロン川のほとりで
4.ジミー・クリフ/遥かなる河
5.メイタルズ/スウィート・アンド・ダンディ
6.ジミー・クリフ/ザ・ハーダー・ゼイ・カム
7.ザ・スリッカーズ/ジョニー・トゥ・バッド
8.デズモンド・デッカー/シャンティ・タウン
9.メイタルズ/プレッシャー・ドロップ
10.ジミー・クリフ/シッティング・イン・リンボ
11.ジミー・クリフ/ユー・キャン・ゲット・イット
12.ジミー・クリフ/ザ・ハーダー・ゼイ・カム

本作はそのサウンドトラックで、まだジャマイカの音楽が”ロックステディ”と呼ばれていた頃、アメリカから流れてくるR&Bやソウルをジャマイカン達が独自の解釈で唄い踊ってた音楽から”レゲエ”が如何にして生まれていったのかを、かなり突っ込んで知ることが出来ますし、そんな難しいことはよくわからんでも、心地良いルーツ・レゲエ・サウンドに、ただなーんも考えずにゆったりと浸ることも出来るんです。

モータウン系ソウルからの影響が色濃いレゲエ黎明期の典型的なスタイルの@正統派ロック・ステディならではのゆったりもっさりしたリズムのB、今でもイベントでかかれば大合唱になるレゲエの聖歌「Many Rivers To Cross」のCとか、楽曲も未だに世界中でカヴァーされている名曲も多いし、何より参加してるジミー・クリフやその仲間のミュージシャン達の、ハツラツとした人間臭さ最高の唄いっぷりが素敵です。

アルバム発売からもう40年以上経ちますけど、ぜんっぜん色あせない。例え、コレに入ってる曲が、最新のダンスホール・サウンドの途中でスッと入ってきてもぜんっぜんアリだし気持ち良く踊れます。つまり永遠のマスターピースです。いつまでもゴキゲンなアルバムなんです。


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2014年12月20日

リー・ペリー Super Ape & Return Of The Super Ape

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リー・ペリー Super Ape & Return Of The Super Ape
(Sanctuary UK)

(Disc-1)
1.Zion’s Blood –The Heptones
2.Croaking Lizard – Prince Jazzbo
3.Black Vest – The Upsetters
4.Underground (Root) – The Full Experience
5.Curly Dub – Lee ‘Scratch’ Perry & The Upsetters
6.Dread Lion – Lee ‘Scratch’ Perry & The Heptones
7.Three In One –The Heptones
8.Patience Dub – The Upsetters
9.Dub Along – The Full Experience
10.Super Ape –The Heptones

(Disc-2)
1.Dyon
2.Return Of The Super Ape – The Upsetters
3.Tell Me Something Good – Lee ‘Scratch’ Perry & The Full Experience
4.Bird In Hand – Sam Carty & The Upsetters
5.Crab Years – The Upsetters
6.Jah Jah A Natty Dread – Lee ‘Scratch’ Perry & The Upsetters
7.Psyche And Trim – Lee ‘Scratch’ Perry & The Upsetters
8.The Lion – Lee ‘Scratch’ Perry & The Upsetters
9.Huzza A Hana – Lee ‘Scratch’ Perry & The Upsetters
10.High Ranking Sammy – Lee ‘Scratch’ Perry

最初に聴いた時は、「何これ?全部ユルユル」と思っていたんですが、じっくりと時間をかけて聴けば聴くほど、一見ユルくってハッピーな音の下に、凄まじいまでの狂気を感じさせるのがリー・ペリーの音楽だと思います。

リー・ペリーは、レゲエ界の中でも一際異色の存在です。

「ダブ」と呼ばれる「元曲の改造」・・・今で言うところのリミックスみたいなものを、開発しながら独自の世界観を築き上げ、その過激なサウンドコラージュ、明らかに不自然なエコー、幻覚そのものであるかのように「これでもか!」と重ねられるディレイなど、従来の「レゲエ=生音で楽しむ」という概念をブチ壊したイノベイターといえるでしょう。

今はレゲエといえば、ガンガンに激しいダンスホールが主流で、アツさと純粋な「音圧の威力」でいえばそっちが圧倒的なんですけど、消費されることを拒むかのように、いつまでも斬新に「ボヨヨンヨンヨン・・」と鳴り響くリー・ペリーのダブは、昔お客さんで強烈なレゲエ好きの人が言ってた「レゲエってさ、中毒音楽なんだよね」という言葉を物凄いリアリティでもって裏付けるものであります。

今でも野外フェスで、ガ○○ャキメッキメでヘロ〜ってなりながら、その場の空気をダウナー一色に染め上げているペリー先生の音の「ユルい凶暴さ」は健在でありますが、まずは「ダブって何なのよ?」と思う人は、ペリー先生の代表作として、1976年当時、全音楽シーンを震撼させた「スーパー・エイプ」と、よりサイケ/アシッド感を増量した「やりすぎ感」満載の1978年作「リターン・オブ・スーパー・エイプ」の、お得な2in1盤であるところの本作をオススメします。

コレを聴いて脳ミソが溶けて耳から流れてきても、当方は一切責任を負いません(笑)。






Lee Perry - Return Of The Super Ape
(コレは頭オカシイ、絶対にオカシイ!)


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