ディープなコラム こちらにも書いてます♪

2016年12月30日

リトル・クリーチャーズ 未知のアルバム

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リトル・クリーチャーズ/未知のアルバム
(Chordiary)

「知る人ぞ知る実力派」とかいう言葉が好きです。

そいでもって「その時代の流行と無縁」とか「正直どこからの影響でこんなサウンドになったのか分からない」という言葉も好きなアタシは、日本において、90年代初頭にデビューしたバンドで大好きなのがリトル・クリーチャーズ。

はい、この人達こそ「知る人ぞ知る」じゃないですか。ほいでもってその当時の流行と無縁というか、最先端のオシャレでカッコイイ音は作ってきたけれども、いわゆる渋谷系と近いようで本質的なものが何か全然違う。全曲英語の歌詞で、浮ついたところの一切ないクールな音楽性は、とても斬新で刺激的だったものです。

はい、かく言うアタシも90年代は激しい音楽ばかり求めて聴いていましたので、デビュー当時のリトル・クリーチャーズ、あんま知らんかったんです。ウチの奥さんが大大大ファンで、付き合った当初に教えてもらい。

「うそぉ!?あのバンドブーム最後の賑わいの時にこんなことやる日本人バンドいたんだー!!」

と、かなりびっくりして以来、特別に注目しています。

彼らが世に出てきたのは1990年、あの有名なオーディション番組「いかすバンド天国(イカ天)」で19代キングに輝いてからなんですね。

もうイカ天最後の方でしたが、この番組は、色んな意味でアクも個性も強くてカッコいいロックバンドをたくさん世に送った番組です。

ギラギラにトンガッたバンドや、サウンドもヴィジュアルも激しく自己主張していたバンドだらけだったイカ天で、ジャズや60年代ノーザンソウル、カントリーポップ(いずれもリアルタイムではそういう音楽だとは気付かなかった)などをサラッと消化して、しかも演奏がめちゃくちゃ上手い。その上手さも派手に弾きまくるとかそんなんじゃなくて、最小限の音で的確にグルーヴする、聴かせる上手さというか、まだ10代だったはずなのにその音楽性にも演奏にも不思議な熟練と、とても上質なアメリカン・ルーツ・ミュージックのエスプリが演奏全体に漂っておったんです。


(初期の彼らはこんな感じ)

それからリトル・クリーチャーズは大ブレイクすることもなく、コンスタントに良質な作品を作り続け、メンバー3人は、それぞれソロやセッションマン等で別個に活動をしながら音楽性をひたすら磨いてきました。

普通、バンドメンバーが、それぞれ外で色んなジャンルの音楽をやってきて、自分達のバンドの作品を作ると、幅が拡がったカラフルな作品が出来そうな気がするのですが、このバンドの凄いところは、それぞれ外で活動して、再び集まって作品を作る毎に、無駄な音がどんどん削ぎ落とされて、統一感のある作品が出来上がるんです。




【収録曲】
1.海原
2.未知の世界
3.夢ならば
4.絡めとられて
5.かんちがい
6.声なき者
7.月の顔
8.嘘の朝
9.赤いスカート
10.隼飛ぶ
11.わずかばかり


「未知のアルバム」は、5年という期間を置いて制作された7枚目のフル・アルバム。


「最小限の音数で、如何にグルーヴするか」ということに、ストイックにこだわったかのように、ギターはループする中毒性の高いリフを刻み、ベースはうねりながら微妙な緩急でサウンドを冷静にコントロールし、ドラムはひたすら乾いた音で、まるで打ち込みのように、厳選された打撃を重ねます。

リトル・クリーチャーズといえば、とにかく曲調とか展開とかよりも豊かに、楽曲に込められたストーリーを語る、青柳拓次、鈴木正人、栗原務の3人がそれぞれ持っている音色の豊かさに尽きるんですが、今回は本当にギター、ベース、ドラムという3つの楽器の音だけで、実に歌っています。

パッと聴くと、洗練を極めていてミニマルな要素で組み立てられた楽曲は無機質に聞こえなくもないはずですが、聴いてて心踊るしじんわりくるし、何よりも音楽そのものが暖かい。ジャンルで言えば何?って訊かれると非常に説明に困るのですが、これは間違いなくアナタの心を豊かにしてくるグッド・ミュージックです。

あと、これまでずっと英語で歌詞を付けてきたリトル・クリーチャーズが、今回全ての歌詞を日本語で唄ってます。これも意味と響きが不思議な次元で調和していてとってもとっても深いです。



(とてもスマートなシティ・ポップ。人力なのにどこかマシーンっぽいドラムもいいんです♪)



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2016年12月12日

クレイジーケンバンド 香港的士

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クレイジーケンバンド/香港的士
(ユニバーサル)

はい、昨日まではオーティス・レディングとサム・クックを気合いを入れて追悼しておりました(それぞれ12月10日、11日が命日)のと、ここ2週間ほどストーンズの「ブルー&ロンサム」が本当に素晴らしくて、もう頭ん中が濃厚極まりない”ソウル・ブルースモードに入っておりました。

う〜ん、このままでは日常生活に深刻な影響を及ぼしかねない!(いや、いいんですよ、ウェスカムですよ♪)ので、本日はユルりとクレイジーケンバンド♪

この夏(2016年)にリリースされました17枚目のフル・アルバム「香港的士」が、「おぉ〜、これは新作」と思って聴いたら、何と横山剣さんのミュージシャン生活35周年記念のアルバムとかで、剣さんがこれまで世のため人のために提供した楽曲をセルフカヴァーしているアルバムというじゃないですか。

イイーーーーーーーネ!!

そうなんです、イイんですよ。

剣さんはもちろんクレイジーケンバンドのフロントマンで、素晴らしいヴォーカリストで、また圧倒的な存在感を有するパフォーマー&エンターティナーであり、お茶の間の人気者です。

ところがそのキャリアの初期から、作詞作曲に非凡な才能を発揮して、色んなアーティストに素晴らしい楽曲を書いている作家さんでありました。

クレイジーケンバンドでのブレイクは、長年作詞作曲で培ってきたものを「じゃあ自分達の演奏でドーン!」と、炸裂させた結果のものなんですね。えぇ、素敵です。

バンドとしてデビューした当初から、彼らの楽曲のテーマには「歌謡曲」というひとつの巨大なコアがありました。

同時に「昭和」というキーワードもあって、でもそれは単なる懐かしさや、古い文化を面白おかしく再現するものではなく「歌謡曲」という戦後日本が生み出した全く新しい音楽の中にルーツとして存在する、古き良きアメリカの音楽(ジャズ、ソウル、R&B、ロカビリー、ロックンロール、ラテン、ボサ・ノヴァ等々・・・)のエッセンスを、最高にイカしたセンスとズバ抜けた演奏力でもってきちんと表に出すことにいつだって成功しているし、いつだって「イイーーーーーーネ!!」なんです。

はい、クレイジーケンバンドという最高にカッコイイ人達についてひとつだけ確実に言えることは

「この人たち本当に音楽が好きなんだ」

ということです。







【収録曲】
1.香港的士 -Hong Kong Taxi-(神崎まき)
2.本牧ソウルレディ(MOONDOGS)
3.タイムトンネル(TUBE)
4.退屈な日曜日(SMAP)
5.T字路/duet 野宮真貴(小泉今日子&中井貴一)
6.女ともだち(和田アキ子)
7.欧陽菲菲(グループ魂)
8.eye catch 湾仔巴士站 -Wan Chai Bus Stop-
9.バスが来る(神崎まき)
10.オヤコのマーチ(松崎しげる)
11.アルゼンチン逃避行(ジェロ)
12.第三京浜(渚よう子)
13.茶番劇(一青窈)
14.eye catch 本牧中央駅 -Honmoku Central Station-
15.TOTSUZEN CAR CLUB(CKB出演映画「イイネ!イイネ!イイネ!」挿入歌)
16.モトマチブラブラ(横浜元町チャーミングセール TVCMソング)
17.BABY BABY BABY(ダックテイルズ)
18.PLEASE(ダックテイルズ)
19.シンデレラ・リバティ(クールス)


アタシがごちゃごちゃ言うよりも、そりゃ聴いた方が早い!怒涛のセルフカバーいきますよー!!

上の曲名の横に()で書いてあるのがそれぞれの曲を提供したアーティストなんですけど、凄い名前が並んでいて壮観です。

しかし!

ここでクレイジーケンバンドによって新たにアレンジされ、演奏されているヴァージョンは、紛れもなく「クレイジーケンバンドの曲」になっていて、改めてクレジットを見返して「あれ?この曲確かアレだったよね!?」と、ようやく思い出すほど。

それぐらいクレイジーケンバンドのオリジナリティというのは圧倒的で、揺るぎない世界があるんですよね。ほら、じゃ〜んと一音鳴るだけで、ふわぁ〜っと夜の歓楽街のネオンとか、真夏のビーチとか、仲間とワイワイやる街の溜まり場とか、そういう風景が広がるんです。

個人的には後半に畳み掛けるダックテイルズ、クールスのナンバーに熱くなるものを感じましたが、いやいや、どの曲も演奏と歌詞が素晴らしい。

結婚する女友達を同性の立場から祝福するE、「これまでのパパはどこかフラフラしてたけど、君を授かることで、ここに生きる自信ができたよ」と"お父さん"の正直な本音をポロッと切なく唄うIとか、ユルく聴くつもりが、その本気の切なさとホロ苦さに引き込まれて、車の運転中にかなりヤバイことになりました(涙腺がね)。

あとDでデュエットしている野宮真貴さんの歌声は、本当にエレガンスの天国から降りてきた人の声だと思います。



”クレイジーケンバンド”関連記事



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2016年09月28日

玉置浩二 Gold

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玉置浩二/Gold
(Saltmoderate)


最近ね、凄くいいんですよ。

いや、何がって、玉置浩二ですよ。

いや、ホント。

ここ数日「大人になって改めてその良さがしみじみと分かってきた音楽」というテーマで、あれこれ聴いてるんですが、主にオーソドックスなジャズとか、60年代〜70年代のソウル、同じ時代のいわゆるアメリカン・ポップスなんかを聴いてるんですけどね、詰まるところこの時代の音楽の良さってのは何だろう?と考えた時に

「そりゃあ歌ですよ、歌としてグッとくるか、思わず一緒に唄ってしまっているか、そういう音楽がいいんですよ」

という、自分なりの結論がひとつ出ています。

ほぉん、唄かぁ・・・。

と、ぼんやり考えておったのが、3年前ですか。確か2013年頃だったと思うんですが、ボーッとテレビ見てたら、玉置浩二がドラマに出演してたんですよ。

不器用でクレイジーで、とっても優しいお父さんを演じてた「東京バンドワゴン」というドラマだったんですが、そのドラマの中で、しみじみといい味を出した演技を見せながら、ちょくちょくドラマの中で玉置浩二が唄うんですよ。

それが何というか、シーンとかセリフとか、登場人物達の心情に、どれもいちいちピッタリで、あの・・・狙ってスポット当ててはい唄〜って感じじゃないシーンばかりなのに、何でこんなに惹かれるんだろうと思ったんですよね。

そしてドラマのエンディング曲の「サーチライト」が、また凄く良かった。

どうしようもない人間の”孤独”みたいなのがあって、それに苛まれたり、傷付けられたりするんだけど、それでも僕は心を照らすサーチライト(愛しい存在の人の優しさ)を信じていたし、そうなりたいと思ってる。

という意味の歌詞を、この人独特の「ふをぉ〜ん」というハラー(叫ぶのでなく、ふくよかに張り上げる歌唱)をたっぷり交えた、そのサウンドといい、声の質感といい、物凄く奥底からくるブルース・フィーリングを、アタシなりに感じたんですね。

安全地帯の頃はアタシは小学生で、化粧してニューウェーブなサウンドを「面白い」とは思っても、真剣に聴くまでではなかったし、ソロになって「田園」ですごく売れた時は、バリバリの洋楽小僧で、日本のヒットチャートなんかには完全に背中向けてたんで、さほどの感慨は正直なかったんです。

そこへきて2010年代の”玉置浩二”これがとにかくグッときたんですよね。理屈でなしに。。。

「サーチライト」これは運命の一曲だと思って、アルバムを聴きました。



【収録曲】
1.それ以外に何がある
2.いつの日も
3.サーチライト
4.セコンド
5.かくれんぼ featuring.金子マリ
6.TOUCH
7.宙
8.泣くなひまわり
9.屋根の下のSmile
10.GOLD


というのも、さっきもちょっと触れましたが、ブルースやソウル、ゴスペルといったブラック・ミュージックが好きなアタシは、この玉置浩二のヴォーカルに、限りなくそのフィーリングを感じたんです。

フィーリングってのは「そういう風にやろう」と思ってもなかなか滲み出るもんじゃなくて、とにかく自分自身と、自分自身の持っている内側の”うた”を、どれほど濃密にリンクさせるかだと思うんですが、ほとんどの曲が統一された深い色合いを持つこのバラード・アルバム(あえてそう言おう)には、ハッキリとアタシの好きな60年代70年代ソウルのフィーリングを”玉置浩二のフィーリング”にした、一人の凄いシンガーがおりました。

アタシは昔からのファンでもないし、自分の好きな音楽を通じてしか玉置浩二を語れませんが、現在進行形の日本のポップスの、しかもかなりメジャーな位置に、こういうディープ・ソウル・ミュージックがあるというのは、素晴らしいことだと思います。



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2016年09月07日

三上寛 このレコードを盗め!!

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三上寛/このレコードを盗め!!
(東芝/ユニバーサル)

日本において”この人は間違いなくパンク”と呼べるアーティストの一人であるのが三上寛です。

や、三上寛は別にパンクロックやってる訳でも、ブラストビートに乗っかってギャーギャー叫んでる訳でもないし、ついでに言うとルックスも

無題.png

なわけで、決して表面的にはアタシらのイメージする「パンク」のそれとは必ずしも合致しない。

むしろ正反対の極にある人、と言ってもいいでしょう。

ふふ。。。

賢明なる読者の皆さんは、アタシがここで言いたいことはもうお分かりだと思います。

そう、この外見、そして「日本のフォークシーンに現れた異端的情念のシンガー」という前情報なんかを全部ぶっ飛ばす、強烈なカオスが、この人の歌・声・そして歌詞の世界にあるんです。つうか最初聴いた時ぶっ飛ばされました。

天気予報は今日もまた、青すじたてて冗談を繰り返す
雪なんかふらせやがって、死にたがる奴等の心情をくすぐるだけさ
ああ、何てみっともない人類の平和なんだ

−なんてひどい唄なんだ より

考えてみりゃオートバイの失恋なんて誰も唄にはしないだろうが
それに比べて人間の失恋の唄は何んて多い事だろう

−オートバイの失恋 より

縦じまのTシャツを着せてやりたい
それがダメなら、よこしまな愛でどうだ

−三上工務店が歩く より



三上寛のアルバムを、その深遠でアナーキー極まりない世界を聴き進んで行けば、まだまだこれらは序の口の歌詞ではあるんですが、もうこの言葉の意味不明な破壊力、それに恥じないほどのカオスな声の威力。そして全ての文節と単語と音と息継ぎの隙間にも、ふんだんにまぶされている毒々しい情念のドロドロ。。。

ミもフタもないことを言うと、怖い人というのはよく

「コロすぞこのやろう!」

と言いますが、三上寛の場合は

「殺してもいいじゃないか、人間だもの!バーーーン!!!!」

という人です。や、ピンとこない人はとりあえず



こんな感じ。

うん、アタシがゴタゴタ言うよりずっとミもフタもない。

とにかくこれが三上寛

フォークギター片手に、故郷青森の地霊をどっさり引き連れて、ドロドロした唄をとことん唄って、そのうちフリー・ジャズ系の人らと演ったり、寺山修司とツルんだり、ピラニア軍団の一員として「新・仁義なき戦い」なんかに俳優として出演したり、近年ではエレキギターでの弾き語りや、灰野敬二、石塚俊明とのユニット「バサラ」で爆音轟音の中、ゆるぎなくも野太い絶叫を聴かせたり、ミュージシャンとしては本当に幅が広く、人間としてはもうその枠組みにハマらなくなっていて、ほとんど妖怪か仙人の領域に達しているであろう数少ないバケモノであります。

もうそう言うしかないじゃろう。

ドロドロで過激で「えぇ!?そこまで唄うの!?」と思えるぐらいエゲツない剥きだしっぷりの三上寛、どの時期の作品も強烈なボディブローを浴びせてくれますが、最近アタシのお気に入りはもっぱら80年代のこのアルバムです。


【収録曲】
1.オートバイの失恋
2.BANG!
3.海
4.夢は夜ひらく|あしたのジョーなんかきらいだ
5.なかなか~なんてひどい唄なんだ
6.三上工務店が歩く
7.パンティストッキングのような空
8.ひびけ電気釜
9.最後の最後の最後のサンバ


ジャケットには「このレコードを盗め!! 三上寛ベストアルバム」と書いてあります。

氏のイメージとは似ても似つかない、何だかカワイイぬいぐるみの写真を見てもうすでにヤラレた気分になるんですが、中身はそれ以上にヤラレた気分になります、風俗に裸で入ってきて、散々暴れてあちこちに○○して、カネは一銭も払わない客です、ハイ・・・。

これね、アタシは何も知らないで、クレジットを見たら全部初期の代表曲ばかりなんで、てっきり本当に「初期のアンダーグラウンドフォーク時代の音源を集めたベスト・アルバムだー」と。

そしたらアナタ、これ、どの曲も全部新録で、しかも原曲のアレンジくそ食らえの、やたらポップでファンキーでナウい、ヒャラヒャラなアレンジが施されてるんですよ。

もうね、これね、ディスコですよ。しかも、ギラッギラのミラーボールに照らされたオッサン達が全員フンドシで汗ねっとりかきながら、密着し合って踊ってるディスコ。

それまでアタシは、生楽器とか、エレキでもすごくトンガったダイレクトな歪みの音をバックにした三上寛しか聴いたことなかったから、正直氏の破天荒な歌世界とあからさまに”にゅーうぇーぶ”なサウンドとの無理矢理な融合のエゲツなさに「おぇっ!」となったんです。

しかし、毒をもっては何とやら、この違和感バリバリのエゲツなさこそが、真面目にアンダーグラウンドなサウンドぶちかますより百倍パンクだと、おっさんになった今しみじみと思いますねぇ。。。

このアルバムのミもフタもないポップでエゲツない質感、何かとすごく似てると思ったら、アルバート・アイラーの「ニュー・グラス」と似てる。と、最後にトドメのミもフタもないことを言っておきます。





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2016年07月15日

菜七子 うちゅうだよ

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菜七子/うちゅうだよ
(7iroslow records)

夏バテにつき本文ご無沙汰であいすいませぬ。。。

さて、前回「familyslow/スロウビート」の紹介をしましたところで、本日ご紹介するのは、familyslowと同時に7iroslow recordsからアルバムをリリースいたしました菜七子さんでございます。

6年前に、奄美市は名瀬入舟町にありましたアタシらの溜まり場「cafe Clo-bar」での、あの夜のこと。

これは「音楽は戦争だ!セッションは喧嘩上等だ!」と思っていたアタシにとって、非常に良い意味で価値観をコロっとひっくり返される新鮮な出来事でしたので、続きを書きたいと思います。

アタシら地元奄美勢のバンド演奏やソロでの、軒並み泥臭い演奏が終わった後に、familyslowと菜七子さんの演奏が始まりました。

そん時は自分らも演奏直後で、まだ頭ん中がとっ散らかっておりまして、ヒロトさん奏でるクラシックギターの軽やかな音色・・・それはその時その場に居たどの人間も出せない類の”軽妙”としか言えない、何ともスーッとする音でした。

「お?ボサ・ノヴァ?いいねー」

と思ってリズムを聴けば、これがゆるやかな展開を経て、レゲエのような裏打ちになったり、なめらかなアルペジオになったりと、予想をひらりひらりとかわしていくような、本当に自由で素敵なものでした。

そんなギターのメロディに乗って、菜七子さんが「フフッ」と、子供のような無邪気な笑顔を終始浮かべながら、明るく、でも決してよくあるようなポジティヴの押し売り「アナタも頑張ってね歌詞」ではない、うぅん、何て言うんだろう、菜七子さんの唄は・・・。

たとえば聴く人の心の中にあるものが喜びなら、それと一緒になって楽しく遊ぶ。聴く人の心が悲しみに塞いでいたら、そこにしっとりと寄り添って、何も言わずにさすってくれる。

そんなやさしい生き物のような唄だなぁと、理屈じゃなく直感で深く感じました。

ライヴ後のヘロヘロの脳みそに、ダイレクトにやさしく入ってくる声と言葉たち。

そんな時ふと

「ルリラリラリラ ルリラリラリラ〜♪」

という印象的なフレーズが、とってもじんわり響いたんです。

気が付けばアタシはテナー・サックスを持って、その「ルリラリラリラ」に参加していました。

この曲は「ルリカケス」というんだそうです。

その時、奄美を初めて訪れた菜七子さんは、訪れる前から天然記念物のルリカケスに思いを馳せて、ルリカケスの気持ちになって唄ってたら、自然とこのフレーズが出てきたそうです。

素敵な話ですよ。




【収録曲】
1.ぱぴぷぺぽの唄
2.はねる
3.ルリカケス
4.すきなだけ
5.SPICE MUSIC
6.えがお
7.ここにある
8.まあるい
9.moonbow beach
10.うちゅうだよ

で、このフレーズは、あれから6年、ふとしたはずみに脳内でキッチリ再生されてたんです。

で、アルバム「うちゅうだよ」です。

あのね、タイトルで「あ、これは不思議ちゃんアルバム」と思ったアナタ、それは美しい誤解です。

生楽器を主体にした心地良い楽曲と、まるで自然界の精霊とか妖精の類でもあるかのような菜七子さんの声は、確かに「天然」ではあるんですが、これはぜひ歌詞を聴いて、歌詞カードをじっくり読んで頂きたいんですけれどとても理路整然とした、キチンとした摂理が込められております。

「大切なのは、アナタの中にある宇宙」

このアルバムの中でこの人が心地良いサウンド、やさしい歌世界に祈りを込めて訴えたいことはこの言葉であります。

考えてみたらアタシもふくめて人間ってのは、せわしなく生きて気が付けば自分のことしか見えなくなっていたり、自分の内側にある優しい気持ちみたいなものをつい忘れてしまったりしがちであります。

「内側の宇宙」ってのはきっと、スピリチュアルなんたらみたいなアレではなくて、ごく普通の、当たり前に人々が持っているヤツなんだよ〜♪と、この音楽は教えてくれます。そしてそれはすごく大事なことです。



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BASEショップもありますよ(ここでしか買えない商品アリ)http://soundspal.thebase.in/
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