ディープなコラム こちらにも書いてます♪

2017年11月30日

Boogie Woogie Santa Claus

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Boogie Woogie Santa Claus–An R&B Christmas
(RWA)

皆さんこんばんは、バタバタしているうちにもう今年もあとわずかになってしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか。

いやぁ12月といえばクリスマスですよ。もうね、好むと好まざるとにかかわらず年末年始というものは、クリスマスがやってきてお正月がやってきてしまうもんなんですね。え、冬休み?ないない、オトナにはそんなもんはございませんよ。

で、クリスマスもお正月も、どうせだから楽しんでしまおう!ということですよ。若い人もお父さんもお母さんも、カップルな人もお一人な人も、分け隔てなくハッピーな気持ちにしてくれるのが音楽であります。

はいはい、これを言いたかった。

もうこの際だからぶっちゃけてしまいますと、クリスマスだろうがなかろうが、音楽を聴いてハッピーになろうぜ♪と、アタシは毎度毎度ブログにメッセージを込めております。えぇ、その中でも年中行事やお祝い事などの”雰囲気”を楽しむというのは、より深く豊かな音楽の楽しみ方です。クリスマス?けっ!と思っていた時期もありましたが、まぁクリスマスは別にアタシのこと嫌いじゃない、とくれば乗っかることは乗っかっても、そこで自分なりの楽しみ方をするんですよ、えへへ。

で、クリスマスというものを、いつもいい感じで楽しんでいるのが、アメリカのジャズやソウルやR&Bの方々ですね。50年ぐらい前から、この時期になると売れっ子ミュージシャン達はクリスマス・ソングをリリースして、お祭り気分を盛り上げてた・・・と思ったら、何とそのずっと前、1920年代から、ブルースの人達がクリスマス・ソングやニューイヤーソングを出していたっていうんですから驚きです。

アメリカ人、どんだけクリスマス好きなんだと。

そう、100年近い「クリスマスソングで盛り上がろうぜ」というのを続けてきているブラック・ミュージックの方々は気合いが違う。素晴らしいのいっぱい出してきます。

流石に戦前ブルースのクリスマス・ソングを集めたコンピは出てないっぽいので、今日は戦後すぐの1950年代前半から半ばぐらいの時期にリリースされたR&Bソングのイカすやつをドカンと詰め込んだコンピレーション・アルバムをご紹介します。


1.Chuck Berry/Run Rudolph Run
2.The Moonglows/Hey Santa Claus
3.Jimmy Liggind and his Drops Of Joy/I Want My Baby For Christmas 
4.Oscar McLollie and his Honey Jumpers/Dig That Crazy Santa Claus
5.Jimmy Butler/Trim Your Tree
6.Cecil Gant/Hello Santa Claus
7.Mabel Scott/Boogie Woogie Santa Claus
8.Lowell Fulson/Lonesome Christmas (Part 1)
9.The Cadillacs/Rudolph The Red-Nosed Reindeer
10.Titus Turner/Christmas Morning
11.The Penguins/Jingle Jangle
12.Charles Brown/Christmas Finds Me Oh So Sad
13.Jesse Thomas/Christmas Celebration
14.Amos Milburn/Let's Make Christmas Merry,Baby
15.The Drifters/White Christmas
16.Jimmy McCracklin/Christmas Time (Part 1)
17.Huey (Piano) Smith and the Clowns/Silent Night
18.Chuck Berry/Merry Christmas Baby
19.The Orioles/(It's Gonna Be A) Lonely Christmas
20.Big Bud/Rock Around The Christmas Tree
21.Jimmy Witherspoon/How I Hate To See Xmas Come Around
22.Roy Milton and his Solid Senders/Christmas Time Blues
23.Solomon Burke/Christmas Presents
24. Willie John and the Three Lads And A Lass/Mommy What Happened To Our Christmas Tree
25.Alex Harvey/The Little Boy That Santa Claus Forgot
26.Little Willie Littlefield/Merry Xmas
27.The Five Keys /It's Christmas Time
28.Johnny Moore's Blazers with Frankie Ervin/Christmas Eve Baby
29.The Harmony Grits/Santa Claus Is Coming To Town



”Richard Weise Archive(RWA)”というレーベルがありまして、このレーベルが凄いんですよ。1940年代〜60年代ぐらいまでのアメリカのソウルやR&B、ロカビリーやカントリーなどを、良心的なセレクトでリリースしまくっているんです。

冷やかしでホームページ覗いたら、まー「うひょー、こんなのあったんだ!!」と目の玉がまんまるになるような、有名どころからレアなアーティストまで、もう素敵すぎるラインナップ。

その中にあったクリスマス・コンピがこの「ブギウギ・サンタクロース」ですよ。

これはですのう、とにかく50年代R&Bです。

まーこの辺のコンピとなると、有名人集めて、名前で売ろうというコンピが多いんですが、とにかくメンツをご覧くださいな。無名という訳ではないですが、ブラック・ミュージックの、かなりのツワモノファンが見て「おほっ」と喜ぶ、実に渋い面々のクリスマス・ソングがずらり。

えーと、ちょっと待ってくださいね、この中でお茶の間レベルで名前が通るのと言ったら、チャック・ベリー、ドリフターズ・・・ぐらいかなー(驚)。

でも、この中に収録されているアーティスト達は、いずれも50年代のR&Bで、一目も二目も置かれる超の付く実力派揃い。

ドゥー・ワップの代表格ムーン・グロウズが粋なヴォーカル・ハーモニーで聴かせれば、ジャンプするピアノ野郎のエイモス・ミルバーンが、ロールするノリノリのクリスマス・ソングで沸かせて、ブルース界からはローウェル・フルスンがちょっとジャジーなバックを従えてゴージャスに大人のクリスマスを歌います。

あぁ、セシル・ギャントとかも実に渋い!そしてジャンピン・ジャイヴの粋で洗練されたサウンドで一世を風靡したジョー・リギンス・・・じゃなくて、同じくジャンピン・ジャイヴながら、すっとんきょうな歌声と破天荒なバンド・サウンドでロックする弟のジミー・リギンス(!!)も入ってるし、セクシーなテナーヴォイスで甘くキメるチャールズ・ブラウン、R&Bの至宝ソロモン・バーグ(ヴァン・モリソンやミック・ジャガーがすっげぇ影響を受けたすっげぇ人)、この辺の歌唱は誰が聴いてもカッコイイの域でありましょう。

いやぁ、これだけ”中身”にこだわって、確実に盛り上がれてしかもじっくり聴けるR&Bのクリスマス・コンピはなかなかないですよ。こういうの欲しかったんです♪







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2017年11月16日

ザ・ビートルズ・クリスマス・レコード(7inch)

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The Beatles Christmas Record(7inch Box)

(Apple)


いやもうアレですよ、もんすごーーーーく長い夏が終わって、やれやれ秋だねぇなんて言ってる間もなく、すっかり11月も後半です。

これはもうアレですよ、アレの準備をしなければいけません。都会など、早いところではもうすっかりアレを前面に打ち出して派手にやってると言いますからね。

そう”アレ”です。何がアレかというとクリスマスです。

そう、もうそんな季節なんですよーー!(汗)

えぇとですね、毎年この時期になると追われてしまいますね。

そう、このブログの”クリスマス特集”では、世にあんまり知られてない面白くて音楽的にも充実したクリスマス作品を、ジャンルを問わず紹介しよう!

と、気合いを入れてますが、今年の一発目はビートルズです。





ビートルズみたいな超有名バンドのクリスマスだと?そんなのメジャー過ぎて面白くねぇぞ!

と、お思いの方もいらっしゃるでしょうが、実はビートルズは物凄く有名なバンドでありながらクリスマス・アルバムを出しておりません。

しかし、そこはやっぱりビートルズでありまして、ファンクラブ向け”だけ”に、クリスマスレコード(7インチ盤)を出しておったんですね。

アタシはレコード屋で働いていて、そのファンクラブ向け7インチの現物は見たことないんですが、もし出回っていたら恐らく凄まじい高値になるだろうというオソロシイ話は聞いたことあります。

それが何と、今年は当時の仕様そのままの7インチアナログレコードで初めて販売されるというんです。

ビートルズは1962年にシングル『ラヴ・ミー・ドゥー』でデビュー。翌1963年にアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』をリリースしております。

で、デビューしたその年の1963年から、解散直前の1969年まで、毎年ファンクラブ向けの「クリスマス特別レコード」を配布しておった。

内訳は以下の通りです↓


1963:The Beatles'Christmas Record
(Recorded:17 October 1963 - Studio Two, EMI Studios, Abbey Road, London)

1964: Another Beatles Christmas Record
(Recorded:26 October 1964 - Studio Two, EMI Studios, Abbey Road, London)

1965: The Beatles' Third Christmas Record
(Recorded:8 November 1965 - Studio Two, EMI Studios, Abbey Road, London)

1966:Pantomime - Everywhere It's Christmas: The Beatles' Fourth Christmas Record
(Recorded:25 November 1966 - Dick James Music, New Oxford Street, London)

1967:Christmas Time (Is Here Again): The Beatles’ Fifth Christmas Record
(Recorded:28 November 1967 - Studio Three, EMI Studios, Abbey Road, London)

1968: The Beatles' Sixth Christmas Record
(Recorded:1968, various locations)

1969:The Beatles' Seventh Christmas Record
(Recorded: 1969, various locations)


内容はどれも「ファンクラブ通信」みたいな、思いっきり砕けたやつで、あぁ本当にアイドル的人気だったんだなぁと、お祭り気分と共に楽しめる感じであります。クリスマスのために気合い入れて歌を作りました!とかそういうのではとりあえずないですが、こういうのファンはたまらんですな。

で、今回は7枚のシングル全てが復刻した上に、専用ボックスケースとブックレットが付きます。

こういうのはもう「祭り」なのでとことん楽しんじゃいましょう♪

発売は12月15日ですが、予約は早めがいいと思います。例の如く絶対早く売り切れます。




あ『ビートルズでクリスマス』といえばコノ人達↓



ビートルズの有名曲を全て完璧にクリスマス・ソング化する、というオソロシイ完コピバンドの名盤ですので、ビートルズ好きな方はぜひともこっちも聴かれてみてくださいな♪

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2016年12月24日

B.B.キング クリスマス・セレブレイション・オブ・ホープ

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B.B.キング/クリスマス・セレブレイション・オブ・ホープ
(ユニバーサル)

アメリカのミュージシャンにとって、スターの条件というのは

「クリスマス・アルバム」を作ること。

なんだそうです。

で、B.B.キング。

ブルースファン、いや、洋楽好きな人なら、B.B.がブルースを代表する大スターであることは、既に承知のこと。

長年シーンの最前線に立って頑張ってきたからベテランになって有名になったんでしょ?ほれ、60年代になってクラプトンとかストーンズがブルース人気に一役買って、それで「B.B.は凄い」とか言ったから人気出たんじゃ?と思う人、それは正解だけれどもちと違いまして、B.B.の場合は比較的若い頃からブルースの枠を飛びぬけた、異例とも言える人気を誇ってたんです。

その理由というのはもちろん50年代当時は斬新だったエレキギターでの単音のソロをぎゅいぎゅいと、当時最も人気だった「ホーン入りのフルバンド・スタイルのバンドサウンド」に乗っけて、当時これまたブルースやR&Bの世界では一番ナウでカッコイイものだったゴスペルの影響が濃い強烈なシャウトで唄ってたとか、そういうスタイル的なものもあったでしょうが、やっぱり何よりもB.B.キングという人は、ブルースという音楽を「個人の感情の奥底を表現したもの」として明確に捉え、かつそれを「最高のエンターティメントとして吐き出すこと」に、全キャリアを通じて心砕いていたからでしょう。

なのでB.B.のブルースは、いつどんな時にどの時期のどの曲を聴いても、最高にディープなブルースとしての奥行きと、パンチの効いたブラック・ミュージックとしての興奮と、上質なポップスとしてのツカミを持っています。

B.B.のブルースは、王道も王道、その真ん中に常にどっしりと腰を下ろしてはおるのですが、そこからちょいと手足を伸ばせばジャズにも行けるしジャンプやジャイヴにもR&Bにもソウルにも行けるし、当然ロックにもすぐ行けちゃう。それがどれだけ凄いことかということを、アタシは最近にしてしみじみ考えるようになっております。恐らくB.B.に関して言えば、60年代にロックの連中がブルースを再評価しなくても、一定以上の人気を保ったまま、60年代70年代、そして80年代90年代をたくましく生き残っていたと思います。えぇ。

さて、随分と前置きが長くなりましたが、今日ご紹介するのはB.B.キングのクリスマス・アルバムです。






【収録曲】
1.プリーズ・カム・ホーム・フォー・クリスマス
2.ロンサム・クリスマス
3.バック・ドア・サンタ
4.クリスマス・イン・ヘヴン
5.アイル・ビー・ホーム・フォー・クリスマス
6.トゥ・サムワン・ザット・アイ・ラヴ
7.クリスマス・セレブレイション
8.メリー・クリスマス・ベイビー
9.クリスマス・ラヴ
10. ブルー・デコレイションズ
11.クリスマス・カムズ・バット・ワンス・ア・イヤー
12.ブリンギング・イン・ア・ブランド・ニュー・イヤー
13.蛍の光
14.ホワット・ア・ワンダフル・ワールド(ボーナス・トラック)


リリースは2003年、B.B.が何と御歳73歳の頃に”満を持して”リリースに踏み切ったアルバムなんですよ。

アタシは正直「B.B.ほどの大物が、これまでクリスマス・アルバムを作ってなかったんだ」という驚きの方が大きかったですね。えぇ、何と言っても最初に書いたようにアメリカのミュージシャンにとっては「クリスマス・アルバムを作ること」がひとつの人気の基準であった訳ですから。本当に意外でした。

でもまぁここまで来たら今のすっかりいいじいちゃんになったB.B.のアルバムだから、もうここまで来たら新作そのものがお祭りみたいなもんだから、きっと和気藹々の同窓会みたいな感じでゲストとか招いてやってるんだろう。うん、いいね、いいよね、そういうのもなんかね。

とか、思っていたのですが、コレが聴いてみてビックリ、ゲストとかは一切ナシで、当時のツアーバンドのみをバックに、唄もギターもかなり気合いの入った、本気度の高いクリスマス・アルバムでした。

のっけからロンサム感満載のじっくり聴かせる@で「あ、すいません、クリスマスナメてました」と反省したアタシ。

Aは、B.B.の敬愛するローウェル・フルスン御大の曲かと思えば、コチラはロイド・グレンのヴァージョンで、これまたミドルテンポでジワジワ盛り上げながら聴かせます。

「これぞブルースのクリスマス!」といった感じの、すこぶるハードボイルドな渋みが滲むB(原曲はクラレンス・カーターだぜぇ!)、ここで盛り上げといて次は絶対にバラードで泣かせにかかると思ったらやっぱりその通り涙腺直撃のC、前半のここまでで、本当に「あぁ、いいもん聴いたなぁ・・・と余韻に浸る間もなくジャジーなオルガンでスウィンギーに後半の幕開けを告げるDのインスト、すげぇグッとくるバラードE、60年代にヒットしたクリスマス・ソング(シングルは出してたの)のアレンジも楽しいセルフカヴァーF、ブルース/R&Bクリスマス・チューンの必殺定番曲、チャールズ・ブラウンのGときて、インストでたっぷりギターの泣きを響かせるH、このアルバムでは一番パーティー度の高い軽快なI、チャールズ・ブラウンと同じく、若き日のB.B.にとってはアイドルであったシンガー/ピアニスト、エイモス・ミルバーンのJ、そして再びチャールズ・ブラウンの小洒落たパーティー・ソングのK。

で、ラストの「蛍の光」なんですが、これは「ヤラレた!」「まさかここでこの曲が来るとは!」と話題になり、確かグラミー賞のベスト・インストゥル・メンタル賞に輝いた曲なんですけど



これにはちょいとした意味があって、もちろんこの曲は「古い年を送って新年を迎える曲」なので、クリスマス・アルバムのラストには意外でもなく、じつにしっくり来る選曲なんですが、Jのチャールズ・ブラウンのヴァージョンを聴いてみてください。



ね、イントロで使われてるでしょ。

こういう「先人へのさり気ないリスペクト」を大事な所にサラッと入れ込んでくるB.B.カッコイイんですよね〜・・・。

単純にクリスマスという「メモリアルな意味」だけじゃなくて、バンドとの本気のやりとりとか、70を過ぎてもまだまだアツいB.B.の気迫とか、こういった”リスペクト”がいっぱい詰まった、本当にひとつのアルバムとしての聴きどころが一杯詰まった素晴らしいB.B.のクリスマス・アルバムです。

それとこのアルバム、収益は、がんやエイズの治療などを行う医療センターに寄付されたそうです。

「自分の長年の夢」を実現させたその喜びを、人のためにスマートに使う。そういうところがカッコイイんですよねぇ・・・。





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ブルース入門編 〜初心者のための優しいブルース講座〜



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2016年12月16日

ボブ・ディラン クリスマス・イン・ザ・ハート

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ボブ・ディラン/クリスマス・イン・ザ・ハート
(ソニー・ミュージック)

これは一昨年ぐらいにリリースされたものだと思ってたら、もう6年前の2009年発売だったんですね。ボブ・ディラン初のクリスマス・アルバムであるところの「クリスマス・イン・ザ・ハート」です。

あの〜、ノーベル賞獲ってしまってから、色々と受賞を巡るあれこれや、その後のテレビ特集なんかを見ておりますと、うん、アタシゃ素直にクソガキの頃から好きで、アタシの知らない音楽を知るきっかけをたくさん与えてくれたボブ・ディラン、大好きなんですけど、だからこそ余計に「何か、詩がすっげぇ難しいけど、社会的な影響力がすげぇ大きかったよ」ということに終始した話ばかりなような気がして、ちょっとそういう持ち上げられ方には「んん〜?」と思っております。

「詩」っていうのは、ボブ・ディランが書いたものでなくても、それが「詩」として成立しているものは、どれもある程度の難しさはあって、だからこそその解釈や感動の道筋は、聴く人や読む人に委ねられ、個々人の知性や感性の中で、ゆっくりじっくりと消化されるべきものなんだと思います。

研究者や評論家といった、いわゆる”偉い人”が解釈する歌詞の話は、確かに参考にはなるかも知れませんが、あくまで参考程度にしておきましょうね。大切なのは歌詞もアレンジも曲調も音色もぜんぶひっくるめての「音楽」です。

CD屋としては、まぁきっかけは何でもよろしい。それこそ「ノーベル賞もらった凄い人の音楽聴いてみよう」でもいいから、ボブ・ディラン聴いてみて、先入観とか世間の評価とかそういうものを、少しづつぺろんと剥がして楽しんでほしいな〜。というのが本音であります。

そんなことをあれこれとここ数日モヤモヤと考えていて

「う〜ん、ボブ・ディラン。そしてもうすぐクリスマス・・・う〜ん、う〜ん・・・あ、そうだ!いいのあるじゃない!!」

と、思い出して、今日は「クリスマス・イン・ザ・ハート」について書いております。


というのも、このアルバムはクリスマスの、というよりも、ディランの非常にリラックスして純粋に音楽楽しんでる”素”が良い具合に出てるアルバムだと思うからです。


【収録曲】
1.サンタクロースがやってくる
2.ドゥ・ユー・ヒア・ホワット・アイ・ヒア?
3.ウィンター・ワンダーランド
4.天には栄え
5.クリスマスを我が家で
6.リトル・ドラマー・ボーイ
7.クリスマス・ブルース
8.神の御子は今宵しも
9.あなたに楽しいクリスマスを
10.マスト・ビー・サンタ
11.シルバー・ベルズ
12.牧人 羊を
13.クリスマス・アイランド
14.ザ・クリスマス・ソング
15.ああベツレヘムよ

このアルバムは、1930年代から60年代にかけて作曲され、どちらかといえばクリスマス・ポップスというよりも、昔から家庭や学校などで歌われているおなじみ定番のクリスマス・ソングをカヴァーしたものです。

ディランといえば、ブルースやカントリー、スピリチュアル(ゴスペルの前身)など、古い時代のルーツ・ミュージックが大好きで、そういう曲をアルバムで演奏する時のディランは、どこかいつもと違う深〜い味わいを放ってくれたりするんですよね。

で、最近のディランといえば、自作曲であってもライヴや新作では結構いい感じに”グダグダ”にして歌ってまして、声も年相応のしわがれ声に年季が入ってて、アタシなんかは「もうこれでいい、これでいっちゃえ〜♪」と嬉しくなります。

で、このアルバムでのディランは正に”それ”です。

バックを手練の名手達(トニー・ガーニエ、トニー・ヘロンにフィル・アップチャーチ、ロス・ロボスのデヴィッド・イダルゴも!)を従えて、安定したアコースティック・サウンドをバックに、ディランがひたすら気分よく、そしてちょっぴり寂しさや切なさを漂わせながらやってる。

ディラン本人は音はずしたり、タイミングがバックと絶妙にズレてたりするんですよね。でもそれは、例えば昔のブルースマンみたいな「おっちゃんしょうがないなぁもう」と、暖かい笑いにしてしまえるぐらい、いい感じの味になってる。

今日これ聴いて「あ、ボブ・ディランのいい加減さ、相変わらずだな〜」と、何か安心しました。

そう、ボブ・ディランは優れた詩人で、音楽や社会に大きな影響を与えた人かも知れませんが、何だかんだでCDやレコード聴いてると、そんなこたぁ関係ない、ただ私個人の中での「イカしたミュージシャン」として、感動させてくれたりホッとさせてくれたりするんです。

「クリスマス・イン・ザ・ハート」とっても暖かくて良いアルバムですよ。





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2016年12月09日

クリスマス・ラウンド・ザ・ジュークボックス(ブルース・アンド・R&B・クリスマス・セレブレーション)

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クリスマス・ラウンド・ザ・ジュークボックス(ブルース・アンド・R&B・クリスマス・セレブレーション)
(SOLID/JASMINE RECORDS)

さてー!気合いを入れてクリスマス気分に浸るぞー!!浸るんじゃーーー!!と、色々とクリスマス絡みのブツを聴きまくっております。

と、アタシが気持ちを結構強制的にクリスマスモードにブチ込もうとしているのにはちょいと訳があります。

あのですね、12月というのに奄美は相変わらず気温20度前後で、今ひとつ気分が盛り上がらないんす(泣)

まぁその、男が40にもなりますとね、特にクリスマスだからどうのこうのというのは、実を言うとないんですわ。子供はおりませんが嫁さんはおりますしね。でも、そんなこんなで長いこと過ごしておりますと、世間の喧騒とは全く別の所に「クリスマスの楽しみってあるかも知んねー」と、ふと思ったりするもんなんです。

クリスマス・セールとか行楽とか、高級店に行ってディナー楽しむとか、カップルで愛を語るとか、そういうものとは、スルリと距離を置いた、穏やかでやんわりと楽しいクリスマス。それを最近50年代60年代のブルースやR&B、ジャズのクリスマス・ソングで楽しむのが、ここのところアタシの心がとっても「ホッ」とする時間です。

いや、友達とワイワイやったりするのは嫌いじゃないんですよね、むしろ誘われたら嬉しいしホイホイ行くんでしょうが、かつて一緒にワイワイやっていた仲間達も、それぞれ結婚して家庭が出来て、可愛い子供たちと幸せなクリスマスをそれぞれやってる。

えぇ、もうそんな歳になってしまいましたので、すっかり静かに楽しむ方に、気持ちはゆるりと行っておりまする。

クリスマス・アルバム、前回はドリフターズの極楽ドゥー・ワップをご紹介しました。今回もその流れで行きましょう。とはいっても「ドゥー・ワップとかR&B興味はあるんだけど、単独アーティストのアルバム聴くのはちょっと勇気要るなぁ・・・」と、二の足を踏んでいるアナタに、本日は「こんだけ入ってりゃ大丈夫」の素晴らしいオムニバス、コンピレーション・アルバムをご紹介致します。

その名も「クリスマス・アラウンド・サ・ジュークボックス」





【アーティスト/収録曲】
1.ジョー・ターナー/Christmas Date Boogie
2.ザ・ファイヴ・キィズ/It's Christmas Time
3.チャック・ベリー/Run Rudolph Run
4.ザ・ドリフターズ/White Christmas
5.チャールス・ブラウン/Please Come Home For Christmas
6.ザ・モングロウズ/Hey Santa Claus
7.ザ・キャデラックス/Rudolph The Red Nosed Reindeer
8.ジミー・マクラクリン/Christmas Time
9.ザ・レイヴンズ/White Christmas
10.ザ・レイヴンズ/Silent Night
11.ザ・ファルコンズ/Can This Be Christmas
12.ジミー・リギンス/I Want My Baby For Christmas
13.メイベル・スコット/Boogie Woogie Santa Claus
14.チャールズ・ブラウン/Merry Christmas Baby
15.ローウェル・フルスン/Lonesome Christmas Part 1
16.ローウェル・フルスン/Lonesome Christmas Part 2
17.ジョニー・ムーアズ・スリー・ブレザーズ/Christmas Eve Baby
18.セシル・グラント/Hello Santa Claus
19.ジミー・ウィザースプーン/How I Hate To See Christmas Come Around
20.ザ・ハーモニー・グリッツ/Santa Claus Is Coming To Town
21.ロイ・ミルトン/Christmas Time Blues
22.ザ・ドミノーズ/Christmas In Heaven
23.エイモス・ミルバーン/Let's Make Christmas Merry Baby
24.ルイ・ジョーダン/May Every Day Be Christmas
25.ザ・オリオールズ(It's Gonna Be) Lonely Christmas
26.ビッグ・ジョン・グリア/We Want To See Santa Do The Mambo
27.B.B.キング/Christmas Celebration


タイトル通りの、かつてブルースやR&Bが全盛期だった頃に、ジュークボックスでヒットした極上のブルース、R&B、ドゥー・ワップの、クリスマス名曲名唱をこれでもかと27曲も収録したコンピです。

ジャジーなジョー・ターナー、「クリスマス?カンケーないぜロックンロール」なチャック・ベリー、ソウルの至宝にして実に深い色気のある声で聴かせるチャールズ・ブラウン、そしてコチラにもタップリ入っていて美しいハーモニーを贅沢に聴かせるファルコンズにレイヴンズ、ドリフターズ等のドゥー・ワップ勢、ブルースからはジャンピン・ジャイヴなゴッキゲンのパーティー気分を盛り上げるルイ・ジョーダン、ロイ・ミルトン、貫禄のB.B.キングに「クリスマス?あぁそうだったね、世知辛いね」と、実に辛口&ブルーな唄でシャウトするローウェル・フルスン御大に、名演名唱揃いの中に、一人だけ実にユルユル&へべれけなジミー・リギンスなどなどなど。



(良い感じにへべれけなのがいいジミー・リギンス♪)


しかし「R&B/ドゥー・ワップ/ジャンプ、ジャイヴ/ブルース」の中から、超大物から隠れ名手まで、よくもまぁこんな絶妙なセレクトしましたなぁ・・・と、感心することしきりであります。

真面目ェなジャンプもののコンピだったら、ジミー・リギンスより遥かに有名で完成度も高い(失礼!)ジョー・リギンスを選んでくるはずだし、フルスン御大の「ロンサム・クリスマス」を2テイク連続で配置するとか心憎すぎる嬉しい演出だし、ブラック・ミュージック・ファンには実に痒いところに手が届く素晴らしくも奥深い選曲なんですよ、えぇ。かなり玄人好みだけど全然親しみやすいです。

「クリスマス」に抵抗がある人にも、50年代の良質なブラック・ミュージック・コンピとして、コレはかなりオススメです。ていうかクリスマス過ぎて流しててもまったく問題ないぐらい中身が浮き足立っておりませんので、一年中聴きましょうこの際だから♪






(文句ナシにカッコイイのはチャールス・ブラウン♪)






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