2017年12月24日

清水翔太 SNOW SMILE

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清水翔太/SNOW SMILE
(ソニー・ミュージック)

のっけから手前の話で恐縮ですが、たまにイベントなどに出て下手なサックスを吹いたり歌を歌ったりします。

で、生で他の人の歌や音を色々と聴いて、目の前にいる人達の音や言葉の世界にズブズブとのめり込んでいると、ふと「音とは何ぞや」「歌とは何ぞ」という深淵な思考に入ってしまうことがよくある訳です。

特に「歌」ってのは凄いですね、人間が声を出して、そこに言葉を乗せてそれをメロディーに乗っけると物語が出来上がってしまう訳ですから、アレ、凄いですよね、何でしょうね、と思いつつ、ここんとこブルースのことやローラ・ニーロについて書いておりますが、うん、やっぱり「歌」について考えるとこれはもうとりとめもない。恐らく永遠のテーマだと思います。

これは何もライヴで生の歌唱を聴いてるだけのことではなくて、ふと流れてる音楽を耳にした時もスイッチが入る時があるんですね。

で、そういう時のスイッチをよく押してくれる最近のシンガーといえば清水翔太です。

不思議なんですよねこの人の声は、力強い質感で聴いてる人の心をグッと鷲掴みにするタイプとは正反対の、とても優しくて繊細な高い声、でも一旦気持ちの中にスッと入ってきたらもう離さない、そういう芯の強さがある声なんです。

聴いた印象としては90年代の洋楽R&Bのあの爽やかさです。

そして日本語歌詞をそのグルーヴィーなサウンドに自然に乗せることの出来る独特の語感。

普通洋楽テイストのJ-POPは、ノリやメロディへの"収まり"を重視する余り、歌詞の意味が犠牲になることが多いんですが、この人の歌唱はとにかく言葉を大切に大切に、胸の奥底から掬って吐き出している感じで、メロディやサウンドの心地良さに耳を傾けていたら、いつの間にか言葉の意味が入ってきて、これは大変に良いと思って聴いています。

調べてインタビューなどを追いかけて読んでいたら、やはり90年代のR&Bやソウル・ミュージックには並みならぬ愛着があり、特にそれらの音楽が持つメッセージ性を大切にしたいと、その穏やかな歌声とは裏腹なアツいテンションで語っていて、こういった人が今の日本の音楽シーンで、若い人達のカリスマとして支持を集めている、最高じゃないかと、心は踊りますね。






【収録曲】
1.SNOW SMILE
2.側に...
3.DREAM -JAZZIN'PARK A LONG AUTUMN NIGHT REMIX-
4.SNOW SMILE -INSTRUMENTAL-



今日はせっかくクリスマスなので、そんな清水翔太のクリスマス・ソングを。

メロディは上質なR&Bです、そして雰囲気も最高にメロウなので、流して聴きながら雰囲気を味わうのも良いですが、歌詞も甘いだけじゃない切なさがフワッと溢れててこれまた良いのですよ。

クリスマスという特別な日に「ただいま」「おかえり」の日常の安らぎを求めるストーリー、まるで切ない映画のワンシーンを切り取ったような歌ではないですか。









『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』
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2017年11月30日

Boogie Woogie Santa Claus

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Boogie Woogie Santa Claus–An R&B Christmas
(RWA)

皆さんこんばんは、バタバタしているうちにもう今年もあとわずかになってしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか。

いやぁ12月といえばクリスマスですよ。もうね、好むと好まざるとにかかわらず年末年始というものは、クリスマスがやってきてお正月がやってきてしまうもんなんですね。え、冬休み?ないない、オトナにはそんなもんはございませんよ。

で、クリスマスもお正月も、どうせだから楽しんでしまおう!ということですよ。若い人もお父さんもお母さんも、カップルな人もお一人な人も、分け隔てなくハッピーな気持ちにしてくれるのが音楽であります。

はいはい、これを言いたかった。

もうこの際だからぶっちゃけてしまいますと、クリスマスだろうがなかろうが、音楽を聴いてハッピーになろうぜ♪と、アタシは毎度毎度ブログにメッセージを込めております。えぇ、その中でも年中行事やお祝い事などの”雰囲気”を楽しむというのは、より深く豊かな音楽の楽しみ方です。クリスマス?けっ!と思っていた時期もありましたが、まぁクリスマスは別にアタシのこと嫌いじゃない、とくれば乗っかることは乗っかっても、そこで自分なりの楽しみ方をするんですよ、えへへ。

で、クリスマスというものを、いつもいい感じで楽しんでいるのが、アメリカのジャズやソウルやR&Bの方々ですね。50年ぐらい前から、この時期になると売れっ子ミュージシャン達はクリスマス・ソングをリリースして、お祭り気分を盛り上げてた・・・と思ったら、何とそのずっと前、1920年代から、ブルースの人達がクリスマス・ソングやニューイヤーソングを出していたっていうんですから驚きです。

アメリカ人、どんだけクリスマス好きなんだと。

そう、100年近い「クリスマスソングで盛り上がろうぜ」というのを続けてきているブラック・ミュージックの方々は気合いが違う。素晴らしいのいっぱい出してきます。

流石に戦前ブルースのクリスマス・ソングを集めたコンピは出てないっぽいので、今日は戦後すぐの1950年代前半から半ばぐらいの時期にリリースされたR&Bソングのイカすやつをドカンと詰め込んだコンピレーション・アルバムをご紹介します。


1.Chuck Berry/Run Rudolph Run
2.The Moonglows/Hey Santa Claus
3.Jimmy Liggind and his Drops Of Joy/I Want My Baby For Christmas 
4.Oscar McLollie and his Honey Jumpers/Dig That Crazy Santa Claus
5.Jimmy Butler/Trim Your Tree
6.Cecil Gant/Hello Santa Claus
7.Mabel Scott/Boogie Woogie Santa Claus
8.Lowell Fulson/Lonesome Christmas (Part 1)
9.The Cadillacs/Rudolph The Red-Nosed Reindeer
10.Titus Turner/Christmas Morning
11.The Penguins/Jingle Jangle
12.Charles Brown/Christmas Finds Me Oh So Sad
13.Jesse Thomas/Christmas Celebration
14.Amos Milburn/Let's Make Christmas Merry,Baby
15.The Drifters/White Christmas
16.Jimmy McCracklin/Christmas Time (Part 1)
17.Huey (Piano) Smith and the Clowns/Silent Night
18.Chuck Berry/Merry Christmas Baby
19.The Orioles/(It's Gonna Be A) Lonely Christmas
20.Big Bud/Rock Around The Christmas Tree
21.Jimmy Witherspoon/How I Hate To See Xmas Come Around
22.Roy Milton and his Solid Senders/Christmas Time Blues
23.Solomon Burke/Christmas Presents
24. Willie John and the Three Lads And A Lass/Mommy What Happened To Our Christmas Tree
25.Alex Harvey/The Little Boy That Santa Claus Forgot
26.Little Willie Littlefield/Merry Xmas
27.The Five Keys /It's Christmas Time
28.Johnny Moore's Blazers with Frankie Ervin/Christmas Eve Baby
29.The Harmony Grits/Santa Claus Is Coming To Town



”Richard Weise Archive(RWA)”というレーベルがありまして、このレーベルが凄いんですよ。1940年代〜60年代ぐらいまでのアメリカのソウルやR&B、ロカビリーやカントリーなどを、良心的なセレクトでリリースしまくっているんです。

冷やかしでホームページ覗いたら、まー「うひょー、こんなのあったんだ!!」と目の玉がまんまるになるような、有名どころからレアなアーティストまで、もう素敵すぎるラインナップ。

その中にあったクリスマス・コンピがこの「ブギウギ・サンタクロース」ですよ。

これはですのう、とにかく50年代R&Bです。

まーこの辺のコンピとなると、有名人集めて、名前で売ろうというコンピが多いんですが、とにかくメンツをご覧くださいな。無名という訳ではないですが、ブラック・ミュージックの、かなりのツワモノファンが見て「おほっ」と喜ぶ、実に渋い面々のクリスマス・ソングがずらり。

えーと、ちょっと待ってくださいね、この中でお茶の間レベルで名前が通るのと言ったら、チャック・ベリー、ドリフターズ・・・ぐらいかなー(驚)。

でも、この中に収録されているアーティスト達は、いずれも50年代のR&Bで、一目も二目も置かれる超の付く実力派揃い。

ドゥー・ワップの代表格ムーン・グロウズが粋なヴォーカル・ハーモニーで聴かせれば、ジャンプするピアノ野郎のエイモス・ミルバーンが、ロールするノリノリのクリスマス・ソングで沸かせて、ブルース界からはローウェル・フルスンがちょっとジャジーなバックを従えてゴージャスに大人のクリスマスを歌います。

あぁ、セシル・ギャントとかも実に渋い!そしてジャンピン・ジャイヴの粋で洗練されたサウンドで一世を風靡したジョー・リギンス・・・じゃなくて、同じくジャンピン・ジャイヴながら、すっとんきょうな歌声と破天荒なバンド・サウンドでロックする弟のジミー・リギンス(!!)も入ってるし、セクシーなテナーヴォイスで甘くキメるチャールズ・ブラウン、R&Bの至宝ソロモン・バーグ(ヴァン・モリソンやミック・ジャガーがすっげぇ影響を受けたすっげぇ人)、この辺の歌唱は誰が聴いてもカッコイイの域でありましょう。

いやぁ、これだけ”中身”にこだわって、確実に盛り上がれてしかもじっくり聴けるR&Bのクリスマス・コンピはなかなかないですよ。こういうの欲しかったんです♪







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2017年11月16日

ザ・ビートルズ・クリスマス・レコード(7inch)

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The Beatles Christmas Record(7inch Box)

(Apple)


いやもうアレですよ、もんすごーーーーく長い夏が終わって、やれやれ秋だねぇなんて言ってる間もなく、すっかり11月も後半です。

これはもうアレですよ、アレの準備をしなければいけません。都会など、早いところではもうすっかりアレを前面に打ち出して派手にやってると言いますからね。

そう”アレ”です。何がアレかというとクリスマスです。

そう、もうそんな季節なんですよーー!(汗)

えぇとですね、毎年この時期になると追われてしまいますね。

そう、このブログの”クリスマス特集”では、世にあんまり知られてない面白くて音楽的にも充実したクリスマス作品を、ジャンルを問わず紹介しよう!

と、気合いを入れてますが、今年の一発目はビートルズです。





ビートルズみたいな超有名バンドのクリスマスだと?そんなのメジャー過ぎて面白くねぇぞ!

と、お思いの方もいらっしゃるでしょうが、実はビートルズは物凄く有名なバンドでありながらクリスマス・アルバムを出しておりません。

しかし、そこはやっぱりビートルズでありまして、ファンクラブ向け”だけ”に、クリスマスレコード(7インチ盤)を出しておったんですね。

アタシはレコード屋で働いていて、そのファンクラブ向け7インチの現物は見たことないんですが、もし出回っていたら恐らく凄まじい高値になるだろうというオソロシイ話は聞いたことあります。

それが何と、今年は当時の仕様そのままの7インチアナログレコードで初めて販売されるというんです。

ビートルズは1962年にシングル『ラヴ・ミー・ドゥー』でデビュー。翌1963年にアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』をリリースしております。

で、デビューしたその年の1963年から、解散直前の1969年まで、毎年ファンクラブ向けの「クリスマス特別レコード」を配布しておった。

内訳は以下の通りです↓


1963:The Beatles'Christmas Record
(Recorded:17 October 1963 - Studio Two, EMI Studios, Abbey Road, London)

1964: Another Beatles Christmas Record
(Recorded:26 October 1964 - Studio Two, EMI Studios, Abbey Road, London)

1965: The Beatles' Third Christmas Record
(Recorded:8 November 1965 - Studio Two, EMI Studios, Abbey Road, London)

1966:Pantomime - Everywhere It's Christmas: The Beatles' Fourth Christmas Record
(Recorded:25 November 1966 - Dick James Music, New Oxford Street, London)

1967:Christmas Time (Is Here Again): The Beatles’ Fifth Christmas Record
(Recorded:28 November 1967 - Studio Three, EMI Studios, Abbey Road, London)

1968: The Beatles' Sixth Christmas Record
(Recorded:1968, various locations)

1969:The Beatles' Seventh Christmas Record
(Recorded: 1969, various locations)


内容はどれも「ファンクラブ通信」みたいな、思いっきり砕けたやつで、あぁ本当にアイドル的人気だったんだなぁと、お祭り気分と共に楽しめる感じであります。クリスマスのために気合い入れて歌を作りました!とかそういうのではとりあえずないですが、こういうのファンはたまらんですな。

で、今回は7枚のシングル全てが復刻した上に、専用ボックスケースとブックレットが付きます。

こういうのはもう「祭り」なのでとことん楽しんじゃいましょう♪

発売は12月15日ですが、予約は早めがいいと思います。例の如く絶対早く売り切れます。




あ『ビートルズでクリスマス』といえばコノ人達↓



ビートルズの有名曲を全て完璧にクリスマス・ソング化する、というオソロシイ完コピバンドの名盤ですので、ビートルズ好きな方はぜひともこっちも聴かれてみてくださいな♪

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2016年12月24日

B.B.キング クリスマス・セレブレイション・オブ・ホープ

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B.B.キング/クリスマス・セレブレイション・オブ・ホープ
(ユニバーサル)

アメリカのミュージシャンにとって、スターの条件というのは

「クリスマス・アルバム」を作ること。

なんだそうです。

で、B.B.キング。

ブルースファン、いや、洋楽好きな人なら、B.B.がブルースを代表する大スターであることは、既に承知のこと。

長年シーンの最前線に立って頑張ってきたからベテランになって有名になったんでしょ?ほれ、60年代になってクラプトンとかストーンズがブルース人気に一役買って、それで「B.B.は凄い」とか言ったから人気出たんじゃ?と思う人、それは正解だけれどもちと違いまして、B.B.の場合は比較的若い頃からブルースの枠を飛びぬけた、異例とも言える人気を誇ってたんです。

その理由というのはもちろん50年代当時は斬新だったエレキギターでの単音のソロをぎゅいぎゅいと、当時最も人気だった「ホーン入りのフルバンド・スタイルのバンドサウンド」に乗っけて、当時これまたブルースやR&Bの世界では一番ナウでカッコイイものだったゴスペルの影響が濃い強烈なシャウトで唄ってたとか、そういうスタイル的なものもあったでしょうが、やっぱり何よりもB.B.キングという人は、ブルースという音楽を「個人の感情の奥底を表現したもの」として明確に捉え、かつそれを「最高のエンターティメントとして吐き出すこと」に、全キャリアを通じて心砕いていたからでしょう。

なのでB.B.のブルースは、いつどんな時にどの時期のどの曲を聴いても、最高にディープなブルースとしての奥行きと、パンチの効いたブラック・ミュージックとしての興奮と、上質なポップスとしてのツカミを持っています。

B.B.のブルースは、王道も王道、その真ん中に常にどっしりと腰を下ろしてはおるのですが、そこからちょいと手足を伸ばせばジャズにも行けるしジャンプやジャイヴにもR&Bにもソウルにも行けるし、当然ロックにもすぐ行けちゃう。それがどれだけ凄いことかということを、アタシは最近にしてしみじみ考えるようになっております。恐らくB.B.に関して言えば、60年代にロックの連中がブルースを再評価しなくても、一定以上の人気を保ったまま、60年代70年代、そして80年代90年代をたくましく生き残っていたと思います。えぇ。

さて、随分と前置きが長くなりましたが、今日ご紹介するのはB.B.キングのクリスマス・アルバムです。






【収録曲】
1.プリーズ・カム・ホーム・フォー・クリスマス
2.ロンサム・クリスマス
3.バック・ドア・サンタ
4.クリスマス・イン・ヘヴン
5.アイル・ビー・ホーム・フォー・クリスマス
6.トゥ・サムワン・ザット・アイ・ラヴ
7.クリスマス・セレブレイション
8.メリー・クリスマス・ベイビー
9.クリスマス・ラヴ
10. ブルー・デコレイションズ
11.クリスマス・カムズ・バット・ワンス・ア・イヤー
12.ブリンギング・イン・ア・ブランド・ニュー・イヤー
13.蛍の光
14.ホワット・ア・ワンダフル・ワールド(ボーナス・トラック)


リリースは2003年、B.B.が何と御歳73歳の頃に”満を持して”リリースに踏み切ったアルバムなんですよ。

アタシは正直「B.B.ほどの大物が、これまでクリスマス・アルバムを作ってなかったんだ」という驚きの方が大きかったですね。えぇ、何と言っても最初に書いたようにアメリカのミュージシャンにとっては「クリスマス・アルバムを作ること」がひとつの人気の基準であった訳ですから。本当に意外でした。

でもまぁここまで来たら今のすっかりいいじいちゃんになったB.B.のアルバムだから、もうここまで来たら新作そのものがお祭りみたいなもんだから、きっと和気藹々の同窓会みたいな感じでゲストとか招いてやってるんだろう。うん、いいね、いいよね、そういうのもなんかね。

とか、思っていたのですが、コレが聴いてみてビックリ、ゲストとかは一切ナシで、当時のツアーバンドのみをバックに、唄もギターもかなり気合いの入った、本気度の高いクリスマス・アルバムでした。

のっけからロンサム感満載のじっくり聴かせる@で「あ、すいません、クリスマスナメてました」と反省したアタシ。

Aは、B.B.の敬愛するローウェル・フルスン御大の曲かと思えば、コチラはロイド・グレンのヴァージョンで、これまたミドルテンポでジワジワ盛り上げながら聴かせます。

「これぞブルースのクリスマス!」といった感じの、すこぶるハードボイルドな渋みが滲むB(原曲はクラレンス・カーターだぜぇ!)、ここで盛り上げといて次は絶対にバラードで泣かせにかかると思ったらやっぱりその通り涙腺直撃のC、前半のここまでで、本当に「あぁ、いいもん聴いたなぁ・・・と余韻に浸る間もなくジャジーなオルガンでスウィンギーに後半の幕開けを告げるDのインスト、すげぇグッとくるバラードE、60年代にヒットしたクリスマス・ソング(シングルは出してたの)のアレンジも楽しいセルフカヴァーF、ブルース/R&Bクリスマス・チューンの必殺定番曲、チャールズ・ブラウンのGときて、インストでたっぷりギターの泣きを響かせるH、このアルバムでは一番パーティー度の高い軽快なI、チャールズ・ブラウンと同じく、若き日のB.B.にとってはアイドルであったシンガー/ピアニスト、エイモス・ミルバーンのJ、そして再びチャールズ・ブラウンの小洒落たパーティー・ソングのK。

で、ラストの「蛍の光」なんですが、これは「ヤラレた!」「まさかここでこの曲が来るとは!」と話題になり、確かグラミー賞のベスト・インストゥル・メンタル賞に輝いた曲なんですけど



これにはちょいとした意味があって、もちろんこの曲は「古い年を送って新年を迎える曲」なので、クリスマス・アルバムのラストには意外でもなく、じつにしっくり来る選曲なんですが、Jのチャールズ・ブラウンのヴァージョンを聴いてみてください。



ね、イントロで使われてるでしょ。

こういう「先人へのさり気ないリスペクト」を大事な所にサラッと入れ込んでくるB.B.カッコイイんですよね〜・・・。

単純にクリスマスという「メモリアルな意味」だけじゃなくて、バンドとの本気のやりとりとか、70を過ぎてもまだまだアツいB.B.の気迫とか、こういった”リスペクト”がいっぱい詰まった、本当にひとつのアルバムとしての聴きどころが一杯詰まった素晴らしいB.B.のクリスマス・アルバムです。

それとこのアルバム、収益は、がんやエイズの治療などを行う医療センターに寄付されたそうです。

「自分の長年の夢」を実現させたその喜びを、人のためにスマートに使う。そういうところがカッコイイんですよねぇ・・・。





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ブルース入門編 〜初心者のための優しいブルース講座〜



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2016年12月16日

ボブ・ディラン クリスマス・イン・ザ・ハート

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ボブ・ディラン/クリスマス・イン・ザ・ハート
(ソニー・ミュージック)

これは一昨年ぐらいにリリースされたものだと思ってたら、もう6年前の2009年発売だったんですね。ボブ・ディラン初のクリスマス・アルバムであるところの「クリスマス・イン・ザ・ハート」です。

あの〜、ノーベル賞獲ってしまってから、色々と受賞を巡るあれこれや、その後のテレビ特集なんかを見ておりますと、うん、アタシゃ素直にクソガキの頃から好きで、アタシの知らない音楽を知るきっかけをたくさん与えてくれたボブ・ディラン、大好きなんですけど、だからこそ余計に「何か、詩がすっげぇ難しいけど、社会的な影響力がすげぇ大きかったよ」ということに終始した話ばかりなような気がして、ちょっとそういう持ち上げられ方には「んん〜?」と思っております。

「詩」っていうのは、ボブ・ディランが書いたものでなくても、それが「詩」として成立しているものは、どれもある程度の難しさはあって、だからこそその解釈や感動の道筋は、聴く人や読む人に委ねられ、個々人の知性や感性の中で、ゆっくりじっくりと消化されるべきものなんだと思います。

研究者や評論家といった、いわゆる”偉い人”が解釈する歌詞の話は、確かに参考にはなるかも知れませんが、あくまで参考程度にしておきましょうね。大切なのは歌詞もアレンジも曲調も音色もぜんぶひっくるめての「音楽」です。

CD屋としては、まぁきっかけは何でもよろしい。それこそ「ノーベル賞もらった凄い人の音楽聴いてみよう」でもいいから、ボブ・ディラン聴いてみて、先入観とか世間の評価とかそういうものを、少しづつぺろんと剥がして楽しんでほしいな〜。というのが本音であります。

そんなことをあれこれとここ数日モヤモヤと考えていて

「う〜ん、ボブ・ディラン。そしてもうすぐクリスマス・・・う〜ん、う〜ん・・・あ、そうだ!いいのあるじゃない!!」

と、思い出して、今日は「クリスマス・イン・ザ・ハート」について書いております。


というのも、このアルバムはクリスマスの、というよりも、ディランの非常にリラックスして純粋に音楽楽しんでる”素”が良い具合に出てるアルバムだと思うからです。


【収録曲】
1.サンタクロースがやってくる
2.ドゥ・ユー・ヒア・ホワット・アイ・ヒア?
3.ウィンター・ワンダーランド
4.天には栄え
5.クリスマスを我が家で
6.リトル・ドラマー・ボーイ
7.クリスマス・ブルース
8.神の御子は今宵しも
9.あなたに楽しいクリスマスを
10.マスト・ビー・サンタ
11.シルバー・ベルズ
12.牧人 羊を
13.クリスマス・アイランド
14.ザ・クリスマス・ソング
15.ああベツレヘムよ

このアルバムは、1930年代から60年代にかけて作曲され、どちらかといえばクリスマス・ポップスというよりも、昔から家庭や学校などで歌われているおなじみ定番のクリスマス・ソングをカヴァーしたものです。

ディランといえば、ブルースやカントリー、スピリチュアル(ゴスペルの前身)など、古い時代のルーツ・ミュージックが大好きで、そういう曲をアルバムで演奏する時のディランは、どこかいつもと違う深〜い味わいを放ってくれたりするんですよね。

で、最近のディランといえば、自作曲であってもライヴや新作では結構いい感じに”グダグダ”にして歌ってまして、声も年相応のしわがれ声に年季が入ってて、アタシなんかは「もうこれでいい、これでいっちゃえ〜♪」と嬉しくなります。

で、このアルバムでのディランは正に”それ”です。

バックを手練の名手達(トニー・ガーニエ、トニー・ヘロンにフィル・アップチャーチ、ロス・ロボスのデヴィッド・イダルゴも!)を従えて、安定したアコースティック・サウンドをバックに、ディランがひたすら気分よく、そしてちょっぴり寂しさや切なさを漂わせながらやってる。

ディラン本人は音はずしたり、タイミングがバックと絶妙にズレてたりするんですよね。でもそれは、例えば昔のブルースマンみたいな「おっちゃんしょうがないなぁもう」と、暖かい笑いにしてしまえるぐらい、いい感じの味になってる。

今日これ聴いて「あ、ボブ・ディランのいい加減さ、相変わらずだな〜」と、何か安心しました。

そう、ボブ・ディランは優れた詩人で、音楽や社会に大きな影響を与えた人かも知れませんが、何だかんだでCDやレコード聴いてると、そんなこたぁ関係ない、ただ私個人の中での「イカしたミュージシャン」として、感動させてくれたりホッとさせてくれたりするんです。

「クリスマス・イン・ザ・ハート」とっても暖かくて良いアルバムですよ。





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2016年12月09日

クリスマス・ラウンド・ザ・ジュークボックス(ブルース・アンド・R&B・クリスマス・セレブレーション)

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クリスマス・ラウンド・ザ・ジュークボックス(ブルース・アンド・R&B・クリスマス・セレブレーション)
(SOLID/JASMINE RECORDS)

さてー!気合いを入れてクリスマス気分に浸るぞー!!浸るんじゃーーー!!と、色々とクリスマス絡みのブツを聴きまくっております。

と、アタシが気持ちを結構強制的にクリスマスモードにブチ込もうとしているのにはちょいと訳があります。

あのですね、12月というのに奄美は相変わらず気温20度前後で、今ひとつ気分が盛り上がらないんす(泣)

まぁその、男が40にもなりますとね、特にクリスマスだからどうのこうのというのは、実を言うとないんですわ。子供はおりませんが嫁さんはおりますしね。でも、そんなこんなで長いこと過ごしておりますと、世間の喧騒とは全く別の所に「クリスマスの楽しみってあるかも知んねー」と、ふと思ったりするもんなんです。

クリスマス・セールとか行楽とか、高級店に行ってディナー楽しむとか、カップルで愛を語るとか、そういうものとは、スルリと距離を置いた、穏やかでやんわりと楽しいクリスマス。それを最近50年代60年代のブルースやR&B、ジャズのクリスマス・ソングで楽しむのが、ここのところアタシの心がとっても「ホッ」とする時間です。

いや、友達とワイワイやったりするのは嫌いじゃないんですよね、むしろ誘われたら嬉しいしホイホイ行くんでしょうが、かつて一緒にワイワイやっていた仲間達も、それぞれ結婚して家庭が出来て、可愛い子供たちと幸せなクリスマスをそれぞれやってる。

えぇ、もうそんな歳になってしまいましたので、すっかり静かに楽しむ方に、気持ちはゆるりと行っておりまする。

クリスマス・アルバム、前回はドリフターズの極楽ドゥー・ワップをご紹介しました。今回もその流れで行きましょう。とはいっても「ドゥー・ワップとかR&B興味はあるんだけど、単独アーティストのアルバム聴くのはちょっと勇気要るなぁ・・・」と、二の足を踏んでいるアナタに、本日は「こんだけ入ってりゃ大丈夫」の素晴らしいオムニバス、コンピレーション・アルバムをご紹介致します。

その名も「クリスマス・アラウンド・サ・ジュークボックス」





【アーティスト/収録曲】
1.ジョー・ターナー/Christmas Date Boogie
2.ザ・ファイヴ・キィズ/It's Christmas Time
3.チャック・ベリー/Run Rudolph Run
4.ザ・ドリフターズ/White Christmas
5.チャールス・ブラウン/Please Come Home For Christmas
6.ザ・モングロウズ/Hey Santa Claus
7.ザ・キャデラックス/Rudolph The Red Nosed Reindeer
8.ジミー・マクラクリン/Christmas Time
9.ザ・レイヴンズ/White Christmas
10.ザ・レイヴンズ/Silent Night
11.ザ・ファルコンズ/Can This Be Christmas
12.ジミー・リギンス/I Want My Baby For Christmas
13.メイベル・スコット/Boogie Woogie Santa Claus
14.チャールズ・ブラウン/Merry Christmas Baby
15.ローウェル・フルスン/Lonesome Christmas Part 1
16.ローウェル・フルスン/Lonesome Christmas Part 2
17.ジョニー・ムーアズ・スリー・ブレザーズ/Christmas Eve Baby
18.セシル・グラント/Hello Santa Claus
19.ジミー・ウィザースプーン/How I Hate To See Christmas Come Around
20.ザ・ハーモニー・グリッツ/Santa Claus Is Coming To Town
21.ロイ・ミルトン/Christmas Time Blues
22.ザ・ドミノーズ/Christmas In Heaven
23.エイモス・ミルバーン/Let's Make Christmas Merry Baby
24.ルイ・ジョーダン/May Every Day Be Christmas
25.ザ・オリオールズ(It's Gonna Be) Lonely Christmas
26.ビッグ・ジョン・グリア/We Want To See Santa Do The Mambo
27.B.B.キング/Christmas Celebration


タイトル通りの、かつてブルースやR&Bが全盛期だった頃に、ジュークボックスでヒットした極上のブルース、R&B、ドゥー・ワップの、クリスマス名曲名唱をこれでもかと27曲も収録したコンピです。

ジャジーなジョー・ターナー、「クリスマス?カンケーないぜロックンロール」なチャック・ベリー、ソウルの至宝にして実に深い色気のある声で聴かせるチャールズ・ブラウン、そしてコチラにもタップリ入っていて美しいハーモニーを贅沢に聴かせるファルコンズにレイヴンズ、ドリフターズ等のドゥー・ワップ勢、ブルースからはジャンピン・ジャイヴなゴッキゲンのパーティー気分を盛り上げるルイ・ジョーダン、ロイ・ミルトン、貫禄のB.B.キングに「クリスマス?あぁそうだったね、世知辛いね」と、実に辛口&ブルーな唄でシャウトするローウェル・フルスン御大に、名演名唱揃いの中に、一人だけ実にユルユル&へべれけなジミー・リギンスなどなどなど。



(良い感じにへべれけなのがいいジミー・リギンス♪)


しかし「R&B/ドゥー・ワップ/ジャンプ、ジャイヴ/ブルース」の中から、超大物から隠れ名手まで、よくもまぁこんな絶妙なセレクトしましたなぁ・・・と、感心することしきりであります。

真面目ェなジャンプもののコンピだったら、ジミー・リギンスより遥かに有名で完成度も高い(失礼!)ジョー・リギンスを選んでくるはずだし、フルスン御大の「ロンサム・クリスマス」を2テイク連続で配置するとか心憎すぎる嬉しい演出だし、ブラック・ミュージック・ファンには実に痒いところに手が届く素晴らしくも奥深い選曲なんですよ、えぇ。かなり玄人好みだけど全然親しみやすいです。

「クリスマス」に抵抗がある人にも、50年代の良質なブラック・ミュージック・コンピとして、コレはかなりオススメです。ていうかクリスマス過ぎて流しててもまったく問題ないぐらい中身が浮き足立っておりませんので、一年中聴きましょうこの際だから♪






(文句ナシにカッコイイのはチャールス・ブラウン♪)






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2016年12月02日

ザ・ドリフターズ Christmas with The Drifters

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ザ・ドリフターズ/Christmas with The Drifters
(Sony)


毎年毎年言ってるような気がするのですが、もう12月、早いものです・・・。

振り返ってみれば今年もドタバタしていますが、年末のドタバタは更に加速してくるでしょう。

で、12月といえばそうそれ、クリスマスですね〜♪

「クリスマス・ソングが街で流れ出すと、忙しない年末気分になって落ち着かない」

なんて人もおりまして、えぇ、アタシも正直そのうちの一人なんですが、”落ち着かなく”なってしまうのは、どうも曲の傾向なんかもあるみたいで、そうですね、これはいいとか悪いとかの問題ではないのですが、やっぱり毎年のようにこの時期になると流れている日本語の定番クリスマス曲なんかを聴くと、むしろ一気に現実世界に引き戻される感がありましてどうにもならんのですね。

でも、山下達郎さんの「クリスマス・イブ」だけは何か違うんですよ、何というかあの人だけは別。

何でだろうなーと思っていたら、達郎さんはそれこそ「忙しない音楽とは対極のものを製作する」ということにそれこそ心血を注いで、メロウで優雅で上質なポップスを作ってるからなんでしょうね。

それはさておき、せっかく「クリスマス」という年末だけの非日常を、それなりに気分だけでも楽しみたい、という殊勝な気持ちが中年になってアタシにも芽生えてきました。

で、あれこれ恐る恐る聴いてみたんですが、やっぱりソウル/R&B系とジャズ系のクリスマス・アルバムは別格で素晴らしい(!)

クリスマスっていうのは言うまでもなくキリストさんの誕生日であるんですが、やっぱりR&Bとかジャズの人達の祝うところの”クリスマス”っていうのは「特別な日だから楽しもうぜ」とか「クリスマスなんだからいつもよりメロウにやろうぜ」みたいな、そのイベントをとことん非日常として楽しもう!っていうことに徹底して特化しているような気がするんです。

強いていえば

「その日のいわれは知らないが、その日が近付くと、家族でパーティーした時の何かあったかいあの気持ちや、プレゼントを貰う時のあのワクワク感を思い出して心があったかくなる。そうだよ、ソイツを音楽で表現しようよ♪」

という気持ちの表れが、昔のソウルやジャズのクリスマス曲に、目一杯デコレートされているような感じがして、聴いてるコチラの気持ちも心なしか優しくてあったかいものになってきます。

で、本日はクリスマスにぜひとも聴きたい、極上の50年代R%B、そう、ドゥー・ワップの名盤をご紹介♪






【収録曲】
1.O Holy Night
2.Silent Night
3.Santa Claus Got the Blues
4.Please Come Home for Christmas
5.Christmas Song (Chestnuts Roasting on an Open Fire)
6.Santa Claus Is Coming to Town
7.We Wish You a Merry Christmas
8.I Saw Mommy Kissing Santa Claus
9.Little Saint Nick
10.Winter Wonderland
11.Little Drummer Boy
12.Christmas Just Ain't Christmas (Without the One You Love) (02:35)

ドリフターズのクリスマス・アルバムです!



くー・・・、コレがたまらん!!

やっぱりクリスマスは50'sが一番しっくりきます、そしてドゥー・ワップですよ皆さん。高音から低音、それぞれのパートを担当する5人のヴォーカルの声が幾重にも折り重なって生み出すこの至福のハーモニーと、最高のグルーヴですよ。く〜・・・・(さっきからコレばっか)。

ここでお約束ですが、ドリフターズといっても、あのいかりや長介がリーダーで、志村けんとか加藤茶とかのいる日本のコメディアン集団のことではありません。アメリカのR&B、ドゥー・ワップ創世期から大活躍して、国民的ヴォーカル・グループとしてはもう名門中の名門のユニットのことでございます。

そう、あのドリフターズも、実は最初れっきとしたバンドとして結成されて、その命名も「アメリカで大成功しているドリフターズみたいにブレイクできますように・・・」と祈願したことがきっかけです。

実際に(日本の)ドリフターズのメンバーは、ジャズやR&Bをかなり聴き込んでいる猛者であり、若き日の志村けんは音楽専門誌にソウルのレコード・レビューを書いて、それがお笑い一切ナシの真面目なレビューであり、プロのライターをも感心させたという話が、伝説みたいな事実として残っております。

それはさておき、本家コーラス・グループのドリフターズであります。

実はこのグループは、”フェデル&ドミノス”というグループにいた18歳の若き天才シンガー、クライド・マクファターという人を世に出すために、大メジャーアトランティックがわざわざ作ったグループなんです。

しかし、ヘッドハンティングに成功し、すぐに放ったシングル「マネー・ハニー」。これはロックンロール・クラシックスとして、後にリトル・リチャードやエルヴィス・プレスリーもカヴァーする超名曲なんですが、わずか一年足らずのうちにマクファターが兵役に就くため脱退。その後ビル・ピンクニーや「スタンド・バイ・ミー」のヒットで有名なベン・E・キングなどのスーパー・ヴォーカリスト達が出入りして、最終的にはメンバーが40人以上入れ替わるかなり忙しいグループになりますが「しっかりとしたコーラス・ワークを主体とした編成」というドゥー・ワップの王道スタイルを崩すことなく、そして驚くべきことに「解散をすることなく」今に至っております(オリジナル・メンバーはもう一人も残っておりませんが)。


それにしてもドゥー・ワップのクリスマスは良いですね。何度も言いますがドゥー・ワップやロカビリーなどの50年代のアメリカン・ミュージックって「さぁ、これから世の中どんどん良くなるぜ」という夢や希望みたいなのが音楽そのものとして現れているようであります。




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2015年12月14日

J.S.バッハ クリスマス・オラトリオ(ヘレヴェッヘ)

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J.S.バッハ クリスマス・オラトリオ(2CD)
(ERATO/ワーナー)

あの〜・・・やっぱりクリスマスですからね、いつもはこのブログもやれ戦前ブルースだのフリー・ジャズだのハードコアだのと好き勝手書いておりますが、たまにはアタシもこうですな、何と言いますか世の中の流れにキッチリと乗りまして「あぁ、アイツはあんな風にしてるけど、本当はちゃんとした人間なんだ。人は見かけで判断したらいかんよなぁ・・・」と思われたいという欲が人並にございまして、今日はいい加減クリスマスの、しかもかなり”ガチなやつ”を、皆さんに真面目ェーに紹介しようと思います。

いきますよ、今回ご紹介する音盤は、もう古今東西あらゆる”クリスマス音楽”の頂点に君臨すると言っていい、J.S.バッハ入魂の超大作「クリスマス・オラトリオ」であります。

バッハといえば、まぁクラシック音楽の中でも古典の部類に入る中世バロック音楽の最後の巨匠とも呼ばれておりますし、こっからハイドンやモーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、シューマン、リスト、メンデルスゾーンなどといった、みんながよく知る「クラシック音楽」の系譜の原点におることから「楽聖」とも呼ばれておりますけれどもね、アタシみたいなミーハーな人間から言わせてもらえば、クール・ジャズの巨匠レニー・トリスターノやアルゼンチン・タンゴの革命児アストル・ピアソラに与えた多大な影響とか、あのグレン・グールドのイメージもあって「なんかよーわからんけど、1700年代つったら江戸時代にもうなんか色々とアレで完璧、宇宙的ともいえる強固な構造を持つスーパー音楽を創った人」なんですよ。

だってバッハって、もうクラシック通り越してジャズとかテクノとかにまで影響与えてるんですもん、しかも影響受けた人達が全員ガチで「いや、バッハ先輩マジやべぇ」とか言って、もう本気でドハマリしてますもん。

どういう訳か、バッハの対位法、つまり同じキー、異なる音程で縦横に絡み合う主旋律のあの感じって、脳内麻薬をバンバン出させるような、凄い中毒性があるんですよね。

だから「バッハ演奏家」という人達も、グールドを筆頭に、すごくカッコイイんだけどどこかアブナい「のめり込んでいる人」が多いです。

ということは「とりあえずバッハって人が、もう何か最初からブッ飛んでたからだろー」というのが、アタシのひとつの結論です。

巨匠とか楽聖とか言われておりますが、生前は「一介の宮廷音楽家で、作曲の大家と言われておった訳でもなく、鍵盤奏者として有名だったよ。ただ息子達が優秀だったから”あぁ、あれは優れた音楽教師でもあったんだー”ぐらいのもんだったよ」というのが当時の認識だったと本には書かれておりますが、この評価を一変させて「当時の連中はバカか!?バッハってやべー曲いーーーーっぱい書き残してるじゃん!ヒャッハー!!」となっていたのが、さっき名前を挙げたクラシックの巨匠達。

中でもメンデルスゾーンは「宗教音楽のバッハやばい、マジやばい!」と、バッハが亡くなってからおよそ100年後に「マタイの受難曲」の楽譜を再現して、これを演奏しました。

こっから「バッハ再評価」の波どころではない大津波が巻き起こるんですが、そうなんです「後の世のスタンダードになるもの」を、生前のバッハがせっせと作曲しておったんですね。

もちろんバッハは食うために曲を書く専業の音楽家でありましたが、同時に敬虔なキリスト者でもありました。

で、これはあくまでも、あくまでもお気楽無宗教な日本人代表の意見として、敬虔なキリスト教信徒のみなさんには笑って流して欲しいのですが、バッハは教会の楽団長などをやっていて「キリストを讃える曲」いっぱい書いているんですが、彼のアーティスティックな感性は、音楽を通じて彼独自の”神”というか、宇宙的な存在を捉えていて、そういう存在に対して自分の音楽を捧げておったんじゃないかと、アタシは思うんですよ。

ピアノ曲でバッハにハマり、そっから管弦楽曲とかすっ飛ばしていきなりバッハの宗教曲、つまり「マタイの受難曲」とかこの「クリスマス・オラトリオ」を聴いてぶっ飛んだ人間としては「あぁ、これはもう生身の人間が一人で作れる音の質量の限界というものを完全に超えておるな」なんですよ、バッハの宗教曲というものは、繰り返し言いますが、アタシはお気楽な無宗教人間です。そんな人間が聴いても、何か人智を超えた大いなるものの存在を感じたような気にさせてくれるほど、バッハの宗教曲というのは綿密で荘厳でスケールがデカいんです。

はい、話がこのままだとどんどんヤバい方向へ行ってしまって戻れなくなりそうなので、冷静に音盤を紹介します。

「クリスマス・オラトリオ」といえば、これはもうさっきも言ったように、バッハの代表作のひとつであると共に「全クリスマス音楽の頂点」であります。

クリスマスといえば「イエス・キリストの生誕を祭る行事」であり、その祭りを行う教会では、もちろん厳かで荘厳なものが求められました。

ところがバッハが書いたこのクリスマス曲は、それまでの常識を打ち破るかのように、荘厳さと透明感と、ド派手な歓喜が、聖歌隊を中心にめくるめく展開で、極めてドラマティックに演奏されております。

試みにCDで言えば2枚組の本作品をぶっ続けで聴いてみてください。何かもうあたかも自分自身が天上の世界の住人にでもなったような錯覚すら覚えてクラクラします。

で、そんなバッハのクリスマス・オラトリオ、時代時代で名だたる指揮者が名演を残しています。

定番といえばリヒター。また、近年ではアーノンクールが「革命を巻き起こした」と言われている煌きに充ちた2006年の名盤もありますが、あの今風のキラキラ感がどうにもまぶしくて・・・という人には、「本気のバッハ研究家」であるヘレヴェッヘのこのアルバムがオススメです。




【演奏】
フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮)
コレギウム・ヴォカーレ・ヘン
バルバラ・シュリック(ソプラノ)
マイケル・チャンス(アルト)
ハワード・クルック(テノール)
ペーター・コーイ(バス)
バードミニク・フェルキンデレン(エコー・ソプラノ)他

(Disc-1)
1.クリスマス・オラトリオ BWV248 第1部:クリスマス第1祝日用カンタータ 1.歓呼せよ、喜び躍れ (合唱)
2.クリスマス・オラトリオ BWV248 第1部:クリスマス第1祝日用カンタータ 2.そのころ、全世界の人口を調査せよとの勅令が (福音史家)
3.クリスマス・オラトリオ BWV248 第1部:クリスマス第1祝日用カンタータ 3.いまやわが最愛の花婿は (レチタティーヴォ:アルト)
4.クリスマス・オラトリオ BWV248 第1部:クリスマス第1祝日用カンタータ 4.備えよ、シオンよ (アリア:アルト)
5.クリスマス・オラトリオ BWV248 第1部:クリスマス第1祝日用カンタータ 5.いかにして汝を迎え (コラール)
6.クリスマス・オラトリオ BWV248 第1部:クリスマス第1祝日用カンタータ 6.そしてマリアは初子を産み (福音史家)
7.クリスマス・オラトリオ BWV248 第1部:クリスマス第1祝日用カンタータ 7.彼は貧しきものとして、世にきたり (コラール:ソプラノ) わが救い主のわれらに寄せし (レチタティーヴォ:バス)
8.クリスマス・オラトリオ BWV248 第1部:クリスマス第1祝日用カンタータ 8.偉大なる主よ、強き王よ (アリア:バス)
9.クリスマス・オラトリオ BWV248 第1部:クリスマス第1祝日用カンタータ 9.ああ、わが心より愛する幼な子イエスよ (コラール)
10.クリスマス・オラトリオ BWV248 第2部:クリスマス第2祝日用カンタータ 10.シンフォニア
11.クリスマス・オラトリオ BWV248 第2部:クリスマス第2祝日用カンタータ 11.さて、この地方で羊飼いたちが夜 (福音史家)
12.クリスマス・オラトリオ BWV248 第2部:クリスマス第2祝日用カンタータ 12.輝き出でよ、おお美しき朝の光よ (コラール)
13.クリスマス・オラトリオ BWV248 第2部:クリスマス第2祝日用カンタータ 13.み使は言った (福音史家) 怖れるな、見よ (み使:ソプラノ)
14.クリスマス・オラトリオ BWV248 第2部:クリスマス第2祝日用カンタータ 14.神はアブラハムに約束したまいしことを (レチタティーヴォ:バス)
15.クリスマス・オラトリオ BWV248 第2部:クリスマス第2祝日用カンタータ 15.喜べ羊飼いたちよ、急げ (アリア:テノール)
16.クリスマス・オラトリオ BWV248 第2部:クリスマス第2祝日用カンタータ 16.あなた方は、幼な子が布にくるまり (福音史家)
17.クリスマス・オラトリオ BWV248 第2部:クリスマス第2祝日用カンタータ 17.見よ、暗き馬屋に幼な子が横たわっているのを (コラール)
18.クリスマス・オラトリオ BWV248 第2部:クリスマス第2祝日用カンタータ 18.さらば行け、羊飼いたちよ(レチタティーヴォ:バス)
19.クリスマス・オラトリオ BWV248 第2部:クリスマス第2祝日用カンタータ 19.眠れよ、わが愛しき者よ (アリア:アルト)
20.クリスマス・オラトリオ BWV248 第2部:クリスマス第2祝日用カンタータ 20.するとたちまち、おびただしい天の軍勢が (福音史家)
21.クリスマス・オラトリオ BWV248 第2部:クリスマス第2祝日用カンタータ 21.いと高きところでは、神に栄光があるように (合唱)
22.クリスマス・オラトリオ BWV248 第2部:クリスマス第2祝日用カンタータ 22.さればみ使たちよ、喜び歌え (レチタティーヴォ:バス)
23.クリスマス・オラトリオ BWV248 第2部:クリスマス第2祝日用カンタータ 23.われらは汝の軍勢とともに歌う (コラール)
24.クリスマス・オラトリオ BWV248 第3部:クリスマス第3祝日用カンタータ 24.天の統治者よ (合唱)
25.クリスマス・オラトリオ BWV248 第3部:クリスマス第3祝日用カンタータ 25.み使たちが彼らを離れて (福音史家)
26.クリスマス・オラトリオ BWV248 第3部:クリスマス第3祝日用カンタータ 26.さあ、ベツレヘムへ行き (合唱)
27.クリスマス・オラトリオ BWV248 第3部:クリスマス第3祝日用カンタータ 27.主はその民を慰め (レチタティーヴォ:バス)
28.クリスマス・オラトリオ BWV248 第3部:クリスマス第3祝日用カンタータ 28.主は全てをわれらのためになし (コラール)
29.クリスマス・オラトリオ BWV248 第3部:クリスマス第3祝日用カンタータ 29.主よ、汝の同情と御憐れみが (二重唱:ソプラノ、バス)
30.クリスマス・オラトリオ BWV248 第3部:クリスマス第3祝日用カンタータ 30.そして羊飼いたちは急いで行き (福音史家)
31.クリスマス・オラトリオ BWV248 第3部:クリスマス第3祝日用カンタータ 31.わが心よ、この聖なる奇蹟を (アリア:アルト)
32.クリスマス・オラトリオ BWV248 第3部:クリスマス第3祝日用カンタータ 32.しかり、さればわが心はそれをとどめん (レチタティーヴォ:アルト)
33.クリスマス・オラトリオ BWV248 第3部:クリスマス第3祝日用カンタータ 33.われ汝を懸命に守らん (コラール)
34.クリスマス・オラトリオ BWV248 第3部:クリスマス第3祝日用カンタータ 34.そして羊飼いたちは帰路に着き (福音史家)
35.クリスマス・オラトリオ BWV248 第3部:クリスマス第3祝日用カンタータ 35.喜べ、楽しめ、われらの救い主が (コラール)
36.クリスマス・オラトリオ BWV248 第3部:クリスマス第3祝日用カンタータ 天の統治者よ <第24曲の反復> (合唱)

(Disc-2)
1.クリスマス・オラトリオ BWV248 第4部:新年・割礼の祝日用カンタータ 36.感謝と賛美をもってへりくだれ (合唱)
2.クリスマス・オラトリオ BWV248 第4部:新年・割礼の祝日用カンタータ 37.8日が過ぎ割礼をほどこす時となったので (福音史家)
3.クリスマス・オラトリオ BWV248 第4部:新年・割礼の祝日用カンタータ 38.インマヌエル、おお優しき言葉よ! (レチタティーヴォ:バス) イエスよ、汝わが愛しき生命 (コラール:ソプラノ)
4.クリスマス・オラトリオ BWV248 第4部:新年・割礼の祝日用カンタータ 39.わが救い主よ、汝が御名は (アリア:ソプラノ、エコー・ソプラノ)
5.クリスマス・オラトリオ BWV248 第4部:新年・割礼の祝日用カンタータ 40.いざや汝の御名のみ (レチタティーヴォ:バス) イエスよ、わが喜び、わが喜悦 (コラール:ソプラノ)
6.クリスマス・オラトリオ BWV248 第4部:新年・割礼の祝日用カンタータ 41.われ、汝のみを、あがめつつ生きん (アリア:テノール)
7.クリスマス・オラトリオ BWV248 第4部:新年・割礼の祝日用カンタータ 42.イエス、わが行いを正したまえ (コラール)
8.クリスマス・オラトリオ BWV248 第5部:新年・割礼後の日曜日用カンタータ 43.神よ、栄光、汝にあれと歌われよ (合唱)
9.クリスマス・オラトリオ BWV248 第5部:新年・割礼後の日曜日用カンタータ 44.イエスがヘロデ王の代に (福音史家)
10.クリスマス・オラトリオ BWV248 第5部:新年・割礼後の日曜日用カンタータ 45.ユダヤ人の王としてお生まれに (合唱) わが胸のうちに彼は宿りたまいぬ (レチタティーヴォ:アルト)
11.クリスマス・オラトリオ BWV248 第5部:新年・割礼後の日曜日用カンタータ 46.汝の輝きに、全ての闇は消え (コラール)
12.クリスマス・オラトリオ BWV248 第5部:新年・割礼後の日曜日用カンタータ 47.わが暗き思いを照らしたまえ (アリア:バス)
13.クリスマス・オラトリオ BWV248 第5部:新年・割礼後の日曜日用カンタータ 48.ヘロデ王は、このことを聞いて不安を感じた (福音史家)
14.クリスマス・オラトリオ BWV248 第5部:新年・割礼後の日曜日用カンタータ 49.何ゆえに汝らは怖るるや (レチタティーヴォ:アルト)
15.クリスマス・オラトリオ BWV248 第5部:新年・割礼後の日曜日用カンタータ 50.そこでヘロデ王は祭司長たちと民の律法学者たちを集め (福音史家)
16.クリスマス・オラトリオ BWV248 第5部:新年・割礼後の日曜日用カンタータ 51.ああ、そのときはいつ現るるや (三重唱アリア:ソプラノ、アルト、テノール)
17.クリスマス・オラトリオ BWV248 第5部:新年・割礼後の日曜日用カンタータ 52.わが最愛の人は統べたまいぬ (レチタティーヴォ:アルト)
18.クリスマス・オラトリオ BWV248 第5部:新年・割礼後の日曜日用カンタータ 53.実にかかる心の部屋は (コラール)
19.クリスマス・オラトリオ BWV248 第6部:顕現祭用カンタータ 54.主よ、おごれる悪魔いきまくとき (合唱)
20.クリスマス・オラトリオ BWV248 第6部:顕現祭用カンタータ 55.そこで、ヘロデ王はひそかに博士たちを呼んで (福音史家) 行って、その幼な子のことを詳しく調べ (ヘロデ王:バス)
21.クリスマス・オラトリオ BWV248 第6部:顕現祭用カンタータ 56.汝、偽りの人よ、主を倒さんとて (レチタティーヴォ:ソプラノ)
22.クリスマス・オラトリオ BWV248 第6部:顕現祭用カンタータ 57.彼の手の一振りが、弱き人間の力を倒す (アリア:ソプラノ)
23.クリスマス・オラトリオ BWV248 第6部:顕現祭用カンタータ 58.彼らは王の言うことを聞いて出かけた (福音史家)
24.クリスマス・オラトリオ BWV248 第6部:顕現祭用カンタータ 59.われは汝が飼葉桶のかたえに立つ (コラール)
25.クリスマス・オラトリオ BWV248 第6部:顕現祭用カンタータ 60.そして彼らは、ヘロデ王のもとに帰ってはならぬとのみ告げを (福音史家)
26.クリスマス・オラトリオ BWV248 第6部:顕現祭用カンタータ 61.彼らは行きぬ、さりながらわが宝は動くことなし (レチタティーヴォ:テノール)
27.クリスマス・オラトリオ BWV248 第6部:顕現祭用カンタータ 62.おごれる悪魔をおびやかすとも (アリア:テノール)
28.クリスマス・オラトリオ BWV248 第6部:顕現祭用カンタータ 63.いまや地獄の何をか怖れん (レチタティーヴォ:ソプラノ、アルト、テノール、バス)
29.クリスマス・オラトリオ BWV248 第6部:顕現祭用カンタータ 64.いまや敵の軍勢を前に (コラール)

ヘレヴェッヘという人はですね、「バッハ生前の音楽を徹底的に再現してやろう!」という凄まじいプロジェクトを1970年代にブチ上げた人なんですよ。

まず、今の時代にクラシックで使われている楽器と、バッハの時代の楽器は違うんだ!ということで、楽器を全部1770年代当時に使われていたであろういわゆる「古楽」の楽器で揃え、音そのものが、要するに近現代の楽器を使った”あたりまえ”の演奏法では「グワァアーーン!」と伸びてゆくのがクラシックではよしとされているところを、当時の楽器特性(例えばピアノのように残響音をあまり出さない構造のチェンバロとか、サスティンのないもの)に合わせて「薄っぺらくなるギリギリのタイミングで切る」といった、もう説明しても何が何やらなほどに徹底した再現ぶりで聴かせます。

バッハの音楽をとにかく忠実に再現してやろうという事に費やした労力は、単なる譜面の解析に終わらず、ルネッサンス期からの音楽はもちろん文化風俗に関するあらゆる文献を検証したりとか、ヘルヴェッヘの傾倒ぶりは、もう指揮者とか演奏家を通り越してマッドサイエンティストぐらいの域でありますが、何と彼は最初の時点で得られた研究成果で再現して世界中から絶賛を得たバッハ演奏を「これでよし」とせずに、今なお「まだまだ当時の音そのものに近付けるはずだ!」と探求しておるというからもう脱帽を通り越して絶句モノであります。

やっぱりバッハにハマる人って、ちょっとアブナい「のめりこみ方してる人」が多いよなぁ。

と、ニヤニヤしながらこのハードコアなクリスマス・アルバムで脳内麻薬をブンブンまき散らかしながら至福に浸れるクリスマスを、今年も過ごしたいと思います。この快楽、知らない人はもったいないですぞ♪







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2015年11月24日

クリスマス(小室等・吉田拓郎・井上陽水・泉谷しげる)


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クリスマス(小室等・吉田拓郎・井上陽水・泉谷しげる)
(フォーライフ)

はい、11月もはや後半でございますよ。

この季節になりますと、あぁ、アレですよアレ。街にジングルベルが流れ出し、色んな業界のお仕事が忙しくなる。

そう「クリスマス」。

いや、あっという間ですな、早いもんです。

で、CD屋と致しましては「クリスマスのCD」これをブログでも紹介しなければなりますまいと、一応真っ当に思ってはいるんですが、まぁその、このブログの「クリスマス」のカテゴリを見て頂ければ分かるとは思うんですが、アタシは「ちょっと面白いクリスマスもの」見てる人がなるべく「へー、こんなのもあったんだ」と楽しんでくれそうなものを紹介したいと思ってるんです。

で、今日ご紹介するのは「日本のフォークのクリスマス」

小室等・吉田拓郎・井上陽水・泉谷しげるという、まぁどこからどう見ても「クリスマス」なんぞには縁のなさそーな方々なんですが、この人達が実は共同で「クリスマス」のアルバムを出していたんですよ。

団塊の世代の方々は恐らく「あぁ、知ってるよ。フォーライフの設立一周年企画の限定盤だったヤツでしょ?」と、すぐピンと来るとは思うんですが、このアルバムがリリースされた年(1976年)に生まれたアタシにとっては

「うはっ!何これ!!??(笑)」

という、ショーゲキのブツでありました。

だってこの4人が一体何を血迷って「クリスマス」なのか(失礼)まったく想像すら出来なかったですもん。特に泉谷しげると吉田拓郎(初期)が真面目にクリスマス・ソングなんか唄ってる姿なんてカケラも想像できません。

いいぞいいぞ、コレ、ネタとしていいぞー(笑)

と、思って聴いてみたら、意外や意外。これ「クリスマスもの」としても「ひとクセもふたクセもある日本人アーティスト(と、あえて呼ぼう!)達の真剣勝負盤」としても、実にカッコイイものでした。

先に結論から言っておきます。

このアルバムで一番真面目に「クリスマス」してるのは、やっぱり小室等で、その次に真面目なのが泉谷しげるです。で、完全に斜に構えてやりたい放題なのが吉田拓郎「クリスマス?何それあっはぁ〜♪」と、唯我独尊自分の世界を貫き通しているのが井上陽水です(ある意味陽水さんが一番反骨スピリッツに溢れてるかも)。







【収録曲/アーティスト】
1.赤鼻のトナカイ/泉谷しげる
2.お正月/吉田拓郎
3.夏願望/井上陽水
4.O HOLY NIGHT/小室等
5.街を片手に散歩する/吉田拓郎
6.クリスマス・ソング/小室等
7.冬を走る君/泉谷しげる
8.WHITE CHRISTMAS/井上陽水
9.GREENSLEEVES/小室等
10.BLOWIN' IN THE WIND/吉田拓郎
11.PA! PA! PA!〜きよしこの夜/泉谷しげる
12.諸人こぞりて/吉田拓郎
13.メリー・クリスマス/井上陽水
14.今日のわざ/小室等、吉田拓郎、井上陽水、泉谷しげる


選曲を見て頂ければ分かるんですが「お正月」とか「風に吹かれて」とか、「おい、クリスマスどこ行った?」な吉田拓郎(笑)特に「風に吹かれて」なんか、まんまディランのカヴァーで、これフツーにカッコイイんですけど「諸人こぞりて」も「やってやってる感満載」でやっぱり拓郎は拓郎なんですが、負けてないのが井上陽水。

のっけから「おい、冬のアルバムなのに”夏願望”ってどういうことだよ!?」(しかもニューウェーブ風)だったりド定番の「ホワイト・クリスマス」は軽〜くジャジーで、シナトラかビング・クロスビーっぽく唄って、もう勝手に楽しんじゃってます。「メリー・クリスマス」はカバーかな?と思ったら渾身のオリジナルで、コレが完全に「陽水ワールド」の名曲です。「夢の中へ」のあの感じの、もうちょっと切ないクリスマス・ソング。こうやってしれっとキメてくるところにコノ人の底知れぬ恐ろしさを感じますね〜・・・。

でもって美しいギターの音色とアレンジのカッコ良さで全体を整えて「あぁ、やっぱりコレはクリスマス・アルバムなんだ」と、真面目に聴いている人にも安心感と共に自覚させてくれるのが小室等。この中では一番の人格者(笑)であります、「グリーン・スリーヴス」とか、オーソドックスなクリスマス・クラシックスを上質に聴かせてくれますよね。ギターの音がね、本当に綺麗なのよね小室さん。

で、小室さんの次に「おぉ、こうなったらもーオレはエンターティメントに徹して楽しくやるぜー」と開き直って、ジャジーでブルージーなクリスマス・ソングの直球勝負でこのアルバムの中の「盛り上げ役」を買って出ている泉谷もカッコイイ。オリジナルの「冬を走る君」での武骨で朴訥な”泉谷節”もいいけど、「PA! PA! PA!」から「きよしこの夜」へのソウルフルな持って行き方がカッコイイのです。

さっきからアタシは色々と好き勝手なことを書いておりますが(汗)1970年代の日本で「クリスマス」という企画を真っ先に思いついたフォーライフの先見性と、今や日本を代表するアーティストである4人の強烈な個性が、良い感じに一枚の作品になったという意味でも、このアルバム、凄いと思います。





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2014年12月23日

アース・ウインド&ファイアー ホリディ

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アース・ウィンド&ファイアー ホリディ
(ソニー)

【収録曲】
1.ジョイ・トゥ・ザ・ワールド
2.ハッピー・シーズン
3.オー・カム・オール・イ・フェイスフル
4.ウィンター・ワンダーランド
5.ホワット・チャイルド・イズ・ディス
6.まぶねの中で
7.リトル・ドラマー・ボーイ
8.エヴリデイ・イズ・クリスマス
9.ファースト・ノエル
10.そりすべり
11.スノー
12.ジングル・ベル・ロック
13.ディセンバー


まさか今このタイミングでアースの新作が、しかもクリスマス・アルバムが出るとは思いませんでした(!)

「モーリス・ホワイトは大丈夫なんだろうか?」と、ひたすらその体調ばかりを心配してはおりますが、いや〜、こんなにご機嫌な作品をEW&Fがリリースしてくれるというだけで、ファンとしては嬉しい限り。本人が製作にどんぐらい関わっているか?は、また別の問題として、クリスマスだし素直に聴いて楽しみましょう本作は(^^)


さて、気になる内容ですが、コレが文句ナシのアレンジで、明るくファンキーな“あの”アース節と「そう来たか!」と思わせる斬新な展開も聴けて、かなり楽しめます。

「September」の替え歌「December」(「12月」って、おい!笑)や「Happy Feelin'」の替え歌「Happy Season」といった、上質な「パロディ臭いセルフカヴァー」にも思わずニンマリ♪

いや、コレは良いです。かなり良いです!







Earth, Wind & Fire - December
(「セプテンバー」ではない。しかしこれでいいのだ!)

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