2019年12月21日
エリック・クラプトン ハッピー・クリスマス
エリック・クラプトン/ハッピー・クリスマス
(Polydor/ユニバーサル)
うっかりしている間に今年もあと少しで終わり。っていうかもう10日を切ったんですね、早いです。本当に早いです。
と、まぁ年末はもうあれやこれやであわわうわわとしている間に終わってしまうというのが常なので、分かりきっていることではあります。
で、いきなりですが、そんなバタバタしたアタシの日常及び脳味噌の中身に、エリック・クラプトンの優しい優しいクリスマス・アルバムがとても良かったというのが、本日の記事内容であります。
サウンズパルは今は店舗ナシの個人仕入れ個人売買でやっておる地下CD屋です。
お客さんから「〇〇のCDほしいー」という連絡を受けて発注、入ってきたらお客さんに連絡して指定の場所(奄美市名瀬市街地エリア)にお届けするというスタイルです。
で、クラプトンのクリスマス・アルバムなんですが、アタシがお客さんからの注文でうっかりミスって1枚余計に仕入れちゃったやつなんですよコレ。
「お、これはかってラッキーだったかも知れん。買お。」
と、アタシは迷わず購入しました。
前にもちょこっと書いたかも知れませんが、ブルース大好きなアタシにとっての『エリック・クラプトン』という人は、やっぱりスーパーギタリストであり、世にブルースという素晴らしい音楽を広めた大功労者です。
ところがアタシの場合は最初に聴いて感動したブルースが、モダンなやつじゃなくて、ミシシッピ・フレッド・マクダウェルとかレッドベリーとか、そういう「ブルース以前」のプリミティヴな衝動をバリバリに感じさせる、何というか「アメリカ黒人の民俗音楽」のようなものだったので、クラプトンを正面から聴き込む機会ってのはずっと逃していた訳なので、アルバムを何枚も持っていて熱心に追っかけているというほどでもなかったんです。
だもんでアタシがエリック・クラプトンという人の音楽を、それなりに「おぉ〜、こういう感じだったんか〜」と、それなりに聴き込んで分かるようになったのはここ10年ぐらいのつい最近です。
それこそスーパーギタリストだとか、ブルースロックの大物とか、そういう風に「あのエリック・クラプトン」と意識せずに聴けるようになったのが、つい最近ということなんですね。
というのも、この数年の作品の中で、クラプトンの音楽や歌、そしてギターのプレイスタイルが、とても自然で気負いのない心地良い空気感を感じさせるものになってきたような気がするんです。
ハッピー・クリスマス
【収録曲】
1.ホワイト・クリスマス
2.飼い葉の桶で(ダビデの村に)
3.フォー・ラヴ・オン・クリスマス・デイ
4.エヴリデイ・ウィル・ビー・ライク・ア・ホリデイ
5.クリスマス・ティアーズ
6.ホーム・フォー・ザ・ホリデイズ
7.ジングル・ベル (イン・メモリー・オブ・アヴィーチー)
8.クリスマス・イン・マイ・ホームタウン
9.イッツ・クリスマス
10.センチメンタル・モーメンツ
11.ロンサム・クリスマス
12. きよしこの夜
13. メリー・クリスマス・ベイビー
14. ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス
はい、それでアタシはクリスマス・アルバム、これはきっとそこはかとなく良いアルバムに違いないと思って聴いてみたら、これが期待以上に「そこはか」の部分がとても大きく良いアルバムでした。
解説には、クラプトンが「よく知られているクリスマスソングをブルースアレンジでやってみようよ」と言った事が制作のきっかけみたいに書かれておりました。
で、全体的なアレンジは確かにクラプトン流の洗練を感じさせるブルージーな感じです。
しかしこの”ブルージー”というのが、いわゆる「ブルースのブルージー」とはまたちょっと違って、上質なポップソングのエッセンスとして、内側からふわぁっと滲んでくるような、そんなあくまで自然なブルース・フィーリングだったりするものですから、これはブルースだとかあのエリック・クラプトンのだとか考える必要がまるでなく、もう単純に「心地良い大人の音楽」といて聴ける内容です。
何よりクラプトン、歌もギターも変な気負いがなく「やりたいことをやりたいよーにやってるよー」という感じで、実にのびのびなんです。ギターも大事な時にかっこいいフレーズをサラッと出して、全体のサウンドをしっかりと聴かせておりますし、特に70過ぎてからの程よくナチュラルな”伸び”と”和み”がブレンドされたリラックスした歌声、これが最高です。
”エリック・クラプトン”関連記事
『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』
サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
2018年12月17日
エラ・フィッツジェラルド Ella Wishes You Swinging Christmas
Ella Fitzgerald/Ella Wishes You Swinging Christmas
(Verve)
みなさんこんばんは。
いやはや12月でございますよ、えぇ、12月。
12月っていやぁアレですね、えぇ、クリスマス。
もうね、アタシなんかはオッサンもいいとこですから、クリスマス近くなると「サンタさんからオモチャもらえるわーい」ってのもなければ「恋人いなくて焦る」なんてのもないんですよ。
つうかアレですね、サンタさんは嬉しかったけど、アタシって実はクリスマスってイベントが色気と繋がったことがない。えぇ、つまりモテない上にアタシに色気がないって言えばそれまでの話なんですが、いやアレですね、それ以前に「クリスマスだから」といってロマンチックな気持ちになったことがない。つまりアレです、人としてその〜、根本的なアレの問題だと思うんです。
でもね、幼少期からひとつだけ、今も一貫して「クリスマス」でときめく部位があって、それはケーキですよケーキ。
クリスマスはケーキが食える、ケーキを食うためにパーティーをする、パーティーに必要なのはゴキゲンなクリスマス・ソングのBGM!
っつうわけで、多少強引ではありますが、今年もクリスマス近いんで、そんなワクワクを皆さんと少しでも共有できたらとクリスマスの名盤というヤツをご紹介いたします。
今日はジャズですね、はい、もう定番中の定番といえば「クリスマスのジャズ・ヴォーカルもの」なんですが、その前にあのですね、これは全国のクリスマスソングを愛する人や、もしかしたらカフェとか美容院とか服屋さんとかやっている方に特に言いたいことなんですが「ジャズのクリスマス・アルバム」ってまずハズレがないです。
誰のどんなアルバムや演奏とかをその空間に流しても、その場がパーッと明るくなって、空気が何かこう上質な感じになります。
「場の空気」っていうものに特に気を遣っていらっしゃる方は、色々とあるクリスマス・ソングのCDなんかで迷った時は、とりあえず1枚はジャズものを入れてみてくださればいいんじゃないかと思います。
で、本日ご紹介するのはエラ・フィッツジェラルド。
ざっくり言って”昔のジャズ”の世界で、女王と呼ばれるズバ抜けた存在感を放つ人ってのは結構いるんですが、その中でもこの人は最もトータルバランスに優れたシンガーって言えばちょいと語弊があるかも知れませんが、とにかく歌は抜群に上手いし、声域は非常に豊かだし、声の質も綺麗とかわいいと芯があるの絶妙なバランスの丁度中間にあって、どんな歌を歌っても「ちょうどいい心地良さ」で声が聴く人の耳に入ってくる人なんです。
くどさがあんまりないので個性が薄いのかと思えばそうじゃない。むしろ他を圧倒する強烈なオリジナリティを持っていながら、それを「聴く人がどう感じるか」ということを完璧に心得ていて、キチッとコントロール出来ている。そういうシンガーさんです。
たとえばアタシは女性シンガーでいえば、ビリー・ホリディとかニーナ・シモンといった人達が大好きなんです。この人達はチラッと声を聴いただけで、歌に込められた感情みたいなものがグワ〜っと心を掴むような人達です。聴いてて本当にのめり込んじゃうし、それこそ中毒になって何度も何度も聴いてします。
でもエラさんの場合は逆なんですね。
いつどんな気持ちで聴いても、ほんわかと「あぁいいなぁ〜」とさせてくれるけど、その歌に込められた感情みたいなものはいつも後からジーンと染みてくる。それが聴く人を幸せにしてくれるんです。そう、エラさん聴くとノリノリのスインギーな曲でもしっとりしたバラードでも、しっかりと幸せな気分になれる。
どうでしょうね、こういう人こそクリスマス・ソング歌うにはピッタリのシンガーじゃありませんか。
Ella Wishes You Swinging Christmas
【収録曲】
1.Jingle Bells
2.Santa Claus Is Coming To Town
3.Have Yourself A Merry Little Christmas
4.What Are You Doing New Year's Eve?
5.Sleigh Ride 6. The Christmas Song
7.Good Morning Blues
8.Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!
9.Winter Wonderland
10.Rudolph, The Red-Nosed Reindeer
11.Frosty The Snowman
12.White Christmas
13.The Secret Of Christmas
14.Medley: We Three Kings Of Orient Are/O Little Town Of Bethlehem
15.Christmas Island
16.The Christmas Song
17.White Christmas (Alternative Take)
18.Frosty The Snowman (Alternative Take).
さて、アルバムはクリスマスカードみたいなオシャレなデザインで人気の『Ella Wishes You Swinging Christmas』であります。
こりゃもう説明はいらんですね。
・・・といきたいところですが、説明します。
録音は1960年、エラさんという人は実は戦前から活躍していた人で、古い録音を聴いてもシンガーとして完璧な人なんですが、特に戦後50年代以降になってくると、歌声により深みが出てきます。
ポップスっていうジャンルがまだなかった時代は、ジャズこそが最もポピュラーなヒット音楽で、ジャズシンガーこそが国民的なポップ歌手でした。
このアルバムが録音されたのはそんな時代。
ゴージャスな、超一流のメンバーを集めたビッグバンドに目一杯華やいだ音を出させて、それ以上に華のある歌声のシンガーが歌って聴く人を感動させるというのが、この時代のプロシンガーの絶対条件でありましたが、まぁここで見事なビッグバンド・サウンドをバックに、まるでオーケストラを完全にコントロールしているかのようなエラさんの見事な歌いっぷりと言ったらどうでしょう。
「ジングルベル」「サンタが街にやってくる」「赤鼻のトナカイ」「ホワイトクリスマス」とか、それこそもう色んな人のヴァージョンで何百回も聴いたような定番ソングなのに、この人が歌うと何で今正に生まれた曲のようにウキウキした新鮮な気持ちで聴けるんでしょう。
これだけ中身の凝縮したような見事なジャズで、見事なヴォーカルアルバムなのに、しかもベタなぐらいド定番のクリスマス曲が並ぶのに、全くベタ感も押し付け感もなく、むしろ「BGMにしてもいいのよ〜」ぐらいの軽やかさで十分幸せにしてくれるんです。
個人的には思いっきりブルースの『Good Morning Blues』に、その真逆の衝撃を受けたので、クリスマス目当てならずともこれだけで”買い”だったんですが、それ話すと長くなりますので良い子はこの行は読まなかったことにしてくださいね♪
『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』
サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
2017年12月24日
清水翔太 SNOW SMILE
清水翔太/SNOW SMILE
(ソニー・ミュージック)
のっけから手前の話で恐縮ですが、たまにイベントなどに出て下手なサックスを吹いたり歌を歌ったりします。
で、生で他の人の歌や音を色々と聴いて、目の前にいる人達の音や言葉の世界にズブズブとのめり込んでいると、ふと「音とは何ぞや」「歌とは何ぞ」という深淵な思考に入ってしまうことがよくある訳です。
特に「歌」ってのは凄いですね、人間が声を出して、そこに言葉を乗せてそれをメロディーに乗っけると物語が出来上がってしまう訳ですから、アレ、凄いですよね、何でしょうね、と思いつつ、ここんとこブルースのことやローラ・ニーロについて書いておりますが、うん、やっぱり「歌」について考えるとこれはもうとりとめもない。恐らく永遠のテーマだと思います。
これは何もライヴで生の歌唱を聴いてるだけのことではなくて、ふと流れてる音楽を耳にした時もスイッチが入る時があるんですね。
で、そういう時のスイッチをよく押してくれる最近のシンガーといえば清水翔太です。
不思議なんですよねこの人の声は、力強い質感で聴いてる人の心をグッと鷲掴みにするタイプとは正反対の、とても優しくて繊細な高い声、でも一旦気持ちの中にスッと入ってきたらもう離さない、そういう芯の強さがある声なんです。
聴いた印象としては90年代の洋楽R&Bのあの爽やかさです。
そして日本語歌詞をそのグルーヴィーなサウンドに自然に乗せることの出来る独特の語感。
普通洋楽テイストのJ-POPは、ノリやメロディへの"収まり"を重視する余り、歌詞の意味が犠牲になることが多いんですが、この人の歌唱はとにかく言葉を大切に大切に、胸の奥底から掬って吐き出している感じで、メロディやサウンドの心地良さに耳を傾けていたら、いつの間にか言葉の意味が入ってきて、これは大変に良いと思って聴いています。
調べてインタビューなどを追いかけて読んでいたら、やはり90年代のR&Bやソウル・ミュージックには並みならぬ愛着があり、特にそれらの音楽が持つメッセージ性を大切にしたいと、その穏やかな歌声とは裏腹なアツいテンションで語っていて、こういった人が今の日本の音楽シーンで、若い人達のカリスマとして支持を集めている、最高じゃないかと、心は踊りますね。
【収録曲】
1.SNOW SMILE
2.側に...
3.DREAM -JAZZIN'PARK A LONG AUTUMN NIGHT REMIX-
4.SNOW SMILE -INSTRUMENTAL-
今日はせっかくクリスマスなので、そんな清水翔太のクリスマス・ソングを。
メロディは上質なR&Bです、そして雰囲気も最高にメロウなので、流して聴きながら雰囲気を味わうのも良いですが、歌詞も甘いだけじゃない切なさがフワッと溢れててこれまた良いのですよ。
クリスマスという特別な日に「ただいま」「おかえり」の日常の安らぎを求めるストーリー、まるで切ない映画のワンシーンを切り取ったような歌ではないですか。
『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』
2017年11月30日
Boogie Woogie Santa Claus
Boogie Woogie Santa Claus–An R&B Christmas
(RWA)
皆さんこんばんは、バタバタしているうちにもう今年もあとわずかになってしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか。
いやぁ12月といえばクリスマスですよ。もうね、好むと好まざるとにかかわらず年末年始というものは、クリスマスがやってきてお正月がやってきてしまうもんなんですね。え、冬休み?ないない、オトナにはそんなもんはございませんよ。
で、クリスマスもお正月も、どうせだから楽しんでしまおう!ということですよ。若い人もお父さんもお母さんも、カップルな人もお一人な人も、分け隔てなくハッピーな気持ちにしてくれるのが音楽であります。
はいはい、これを言いたかった。
もうこの際だからぶっちゃけてしまいますと、クリスマスだろうがなかろうが、音楽を聴いてハッピーになろうぜ♪と、アタシは毎度毎度ブログにメッセージを込めております。えぇ、その中でも年中行事やお祝い事などの”雰囲気”を楽しむというのは、より深く豊かな音楽の楽しみ方です。クリスマス?けっ!と思っていた時期もありましたが、まぁクリスマスは別にアタシのこと嫌いじゃない、とくれば乗っかることは乗っかっても、そこで自分なりの楽しみ方をするんですよ、えへへ。
で、クリスマスというものを、いつもいい感じで楽しんでいるのが、アメリカのジャズやソウルやR&Bの方々ですね。50年ぐらい前から、この時期になると売れっ子ミュージシャン達はクリスマス・ソングをリリースして、お祭り気分を盛り上げてた・・・と思ったら、何とそのずっと前、1920年代から、ブルースの人達がクリスマス・ソングやニューイヤーソングを出していたっていうんですから驚きです。
アメリカ人、どんだけクリスマス好きなんだと。
そう、100年近い「クリスマスソングで盛り上がろうぜ」というのを続けてきているブラック・ミュージックの方々は気合いが違う。素晴らしいのいっぱい出してきます。
流石に戦前ブルースのクリスマス・ソングを集めたコンピは出てないっぽいので、今日は戦後すぐの1950年代前半から半ばぐらいの時期にリリースされたR&Bソングのイカすやつをドカンと詰め込んだコンピレーション・アルバムをご紹介します。
1.Chuck Berry/Run Rudolph Run
2.The Moonglows/Hey Santa Claus
3.Jimmy Liggind and his Drops Of Joy/I Want My Baby For Christmas
4.Oscar McLollie and his Honey Jumpers/Dig That Crazy Santa Claus
5.Jimmy Butler/Trim Your Tree
6.Cecil Gant/Hello Santa Claus
7.Mabel Scott/Boogie Woogie Santa Claus
8.Lowell Fulson/Lonesome Christmas (Part 1)
9.The Cadillacs/Rudolph The Red-Nosed Reindeer
10.Titus Turner/Christmas Morning
11.The Penguins/Jingle Jangle
12.Charles Brown/Christmas Finds Me Oh So Sad
13.Jesse Thomas/Christmas Celebration
14.Amos Milburn/Let's Make Christmas Merry,Baby
15.The Drifters/White Christmas
16.Jimmy McCracklin/Christmas Time (Part 1)
17.Huey (Piano) Smith and the Clowns/Silent Night
18.Chuck Berry/Merry Christmas Baby
19.The Orioles/(It's Gonna Be A) Lonely Christmas
20.Big Bud/Rock Around The Christmas Tree
21.Jimmy Witherspoon/How I Hate To See Xmas Come Around
22.Roy Milton and his Solid Senders/Christmas Time Blues
23.Solomon Burke/Christmas Presents
24. Willie John and the Three Lads And A Lass/Mommy What Happened To Our Christmas Tree
25.Alex Harvey/The Little Boy That Santa Claus Forgot
26.Little Willie Littlefield/Merry Xmas
27.The Five Keys /It's Christmas Time
28.Johnny Moore's Blazers with Frankie Ervin/Christmas Eve Baby
29.The Harmony Grits/Santa Claus Is Coming To Town
”Richard Weise Archive(RWA)”というレーベルがありまして、このレーベルが凄いんですよ。1940年代〜60年代ぐらいまでのアメリカのソウルやR&B、ロカビリーやカントリーなどを、良心的なセレクトでリリースしまくっているんです。
冷やかしでホームページ覗いたら、まー「うひょー、こんなのあったんだ!!」と目の玉がまんまるになるような、有名どころからレアなアーティストまで、もう素敵すぎるラインナップ。
その中にあったクリスマス・コンピがこの「ブギウギ・サンタクロース」ですよ。
これはですのう、とにかく50年代R&Bです。
まーこの辺のコンピとなると、有名人集めて、名前で売ろうというコンピが多いんですが、とにかくメンツをご覧くださいな。無名という訳ではないですが、ブラック・ミュージックの、かなりのツワモノファンが見て「おほっ」と喜ぶ、実に渋い面々のクリスマス・ソングがずらり。
えーと、ちょっと待ってくださいね、この中でお茶の間レベルで名前が通るのと言ったら、チャック・ベリー、ドリフターズ・・・ぐらいかなー(驚)。
でも、この中に収録されているアーティスト達は、いずれも50年代のR&Bで、一目も二目も置かれる超の付く実力派揃い。
ドゥー・ワップの代表格ムーン・グロウズが粋なヴォーカル・ハーモニーで聴かせれば、ジャンプするピアノ野郎のエイモス・ミルバーンが、ロールするノリノリのクリスマス・ソングで沸かせて、ブルース界からはローウェル・フルスンがちょっとジャジーなバックを従えてゴージャスに大人のクリスマスを歌います。
あぁ、セシル・ギャントとかも実に渋い!そしてジャンピン・ジャイヴの粋で洗練されたサウンドで一世を風靡したジョー・リギンス・・・じゃなくて、同じくジャンピン・ジャイヴながら、すっとんきょうな歌声と破天荒なバンド・サウンドでロックする弟のジミー・リギンス(!!)も入ってるし、セクシーなテナーヴォイスで甘くキメるチャールズ・ブラウン、R&Bの至宝ソロモン・バーグ(ヴァン・モリソンやミック・ジャガーがすっげぇ影響を受けたすっげぇ人)、この辺の歌唱は誰が聴いてもカッコイイの域でありましょう。
いやぁ、これだけ”中身”にこだわって、確実に盛り上がれてしかもじっくり聴けるR&Bのクリスマス・コンピはなかなかないですよ。こういうの欲しかったんです♪
『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』
サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
2017年11月16日
ザ・ビートルズ・クリスマス・レコード(7inch)
The Beatles Christmas Record(7inch Box)
(Apple)
いやもうアレですよ、もんすごーーーーく長い夏が終わって、やれやれ秋だねぇなんて言ってる間もなく、すっかり11月も後半です。
これはもうアレですよ、アレの準備をしなければいけません。都会など、早いところではもうすっかりアレを前面に打ち出して派手にやってると言いますからね。
そう”アレ”です。何がアレかというとクリスマスです。
そう、もうそんな季節なんですよーー!(汗)
えぇとですね、毎年この時期になると追われてしまいますね。
そう、このブログの”クリスマス特集”では、世にあんまり知られてない面白くて音楽的にも充実したクリスマス作品を、ジャンルを問わず紹介しよう!
と、気合いを入れてますが、今年の一発目はビートルズです。
ビートルズみたいな超有名バンドのクリスマスだと?そんなのメジャー過ぎて面白くねぇぞ!
と、お思いの方もいらっしゃるでしょうが、実はビートルズは物凄く有名なバンドでありながらクリスマス・アルバムを出しておりません。
しかし、そこはやっぱりビートルズでありまして、ファンクラブ向け”だけ”に、クリスマスレコード(7インチ盤)を出しておったんですね。
アタシはレコード屋で働いていて、そのファンクラブ向け7インチの現物は見たことないんですが、もし出回っていたら恐らく凄まじい高値になるだろうというオソロシイ話は聞いたことあります。
それが何と、今年は当時の仕様そのままの7インチアナログレコードで初めて販売されるというんです。
ビートルズは1962年にシングル『ラヴ・ミー・ドゥー』でデビュー。翌1963年にアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』をリリースしております。
で、デビューしたその年の1963年から、解散直前の1969年まで、毎年ファンクラブ向けの「クリスマス特別レコード」を配布しておった。
内訳は以下の通りです↓
1963:The Beatles'Christmas Record
(Recorded:17 October 1963 - Studio Two, EMI Studios, Abbey Road, London)
1964: Another Beatles Christmas Record
(Recorded:26 October 1964 - Studio Two, EMI Studios, Abbey Road, London)
1965: The Beatles' Third Christmas Record
(Recorded:8 November 1965 - Studio Two, EMI Studios, Abbey Road, London)
1966:Pantomime - Everywhere It's Christmas: The Beatles' Fourth Christmas Record
(Recorded:25 November 1966 - Dick James Music, New Oxford Street, London)
1967:Christmas Time (Is Here Again): The Beatles’ Fifth Christmas Record
(Recorded:28 November 1967 - Studio Three, EMI Studios, Abbey Road, London)
1968: The Beatles' Sixth Christmas Record
(Recorded:1968, various locations)
1969:The Beatles' Seventh Christmas Record
(Recorded: 1969, various locations)
内容はどれも「ファンクラブ通信」みたいな、思いっきり砕けたやつで、あぁ本当にアイドル的人気だったんだなぁと、お祭り気分と共に楽しめる感じであります。クリスマスのために気合い入れて歌を作りました!とかそういうのではとりあえずないですが、こういうのファンはたまらんですな。
で、今回は7枚のシングル全てが復刻した上に、専用ボックスケースとブックレットが付きます。
こういうのはもう「祭り」なのでとことん楽しんじゃいましょう♪
発売は12月15日ですが、予約は早めがいいと思います。例の如く絶対早く売り切れます。
あ『ビートルズでクリスマス』といえばコノ人達↓
ビートルズの有名曲を全て完璧にクリスマス・ソング化する、というオソロシイ完コピバンドの名盤ですので、ビートルズ好きな方はぜひともこっちも聴かれてみてくださいな♪
『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』
サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
http://ameblo.jp/soundspal/
「奄美のCD屋サウンズパル」の先頭へ