ディープなコラム こちらにも書いてます♪

2017年11月15日

マハヴィシュヌ・オーケストラ 火の鳥

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マハヴィシュヌ・オーケストラ/火の鳥
(SMJミュージック)

そんな訳でジョン・マクラフリンです。

この人はもうアレですよね、全ジャンル合わせた多数のギタリスト達の中で

”スーパーギタリスト”

と、呼ばれるようになった、その元祖とも言える人でありましょうね。

一応ジャンルでいえば『ジャズ』のカテゴリに属してはおります。

でも、その活動は幅広くて、マイルスのエレクトリック・バンドでギンギンにロックなギターを弾いてたかと思えば、ソロではフュージョンの草分け的なことをやりつつ、インド音楽にドップリはまったり、パコ・デ・ルシアやアル・ディメオラとかとフラメンコ・ギターなことをやったり、ガットギターに内蔵シンセを仕込んで、ちょっと独特の音楽やったり(アタシはこれを”爽やか曇天サイケ”と呼んでおりますなぁ)、まぁ実にジャンルでは括れない人です。

とにかく「あ、これやろう♪」と思ったら、考えるより先にプレイしちゃうタイプなんでしょうね。

でも、どの方向に行っても、そのいずれのスタイルでも、もれなくガチな超絶技巧でギターを弾き倒してくれるので、節操がないと思ったことはありません。むしろあらゆる音楽に対してギター一本でボコボコにしに行くというか、どんな音楽だろうがオレのギターを聴かせるためのものであるという風に、どちらかといえば躊躇とか容赦とかいうものがない人だと思います。

故にジョン・マクラフリンって人は”スーパー・ギタリスト”なんですねぇ。音楽を聴く時は「今日はジャズを聴くぞ」とか「ブルースを聴くぞ」とか「激しい曲が聴きたい」とか「いいえ、しっとりしたいわ」とか、そういう風にジャンルや雰囲気でセレクトしたりすることが多いんですが、ジョン・マクラフリン聴く時は「あ、今日はジョン・マクラフリンのギターにボコボコにされたいな」と、みんな思って聴くんです。

ジョン・マクラフリンが異様な手数で煮えたぎった音符を空間に放てばそこにはもうジャズとかロックとか、微妙な情緒とかムードなんてものは存在しない。ひたすらに「ジョン・マクラフリンのギターが鳴ってる場所」というものになってしまい、他のものが入る余地は1ミリもなくなる。怖いですね。でもそういう圧倒的な存在感そのもので演奏を聴かせてしまう人って、実はそういるもんじゃあないんです。故にジョン・マクラフリンって人は”スーパー・ギタリスト”なんですねぇ(二回目)。

色んなメディアがその超絶技巧を絶賛しながら紹介する人でありますが、やはりその独自の世界を無理矢理力づくで切り開いたそのスタイルは、やはり言葉で説明するのは難しいんでしょう。特に90年代は”フュージョン”という枠で紹介されることの多い人だったんで、んで、その頃のアタシといえば

・フュージョン=爽やか

という偏見を勝手に持っていたので「フュージョンかぁ・・・」とナメていたのは事実です。

それを最初に打ち壊してくれたのが、マイルス・デイヴィスの『ジャック・ジョンソン』というアルバムで、その中でギンギンに歪んだ音で、多分マイルスに「やめろ!」って言われるまで止める気がないぐらいの勢いでギンギンにロックなソロを弾きまくっていた不良なギターに側頭部を撃たれてしまい、それがジョン・マクラフリンだよと知ってから、ちょいとばかり考え方が変わり、2発目に今度は後頭部を強打されて思わず「すいませんでした」と言ってしまったのがコレです↓



【パーソネル】
ジョン・マクラフリン(g)
ヤン・ハマー(key)
リック・レアード(b)
ビリー・コブハム(ds)
ジュリー・グッドマン(vln)

【収録曲】
1.火の鳥
2.マイルス・ビヨンド(マイルス・デイビス)
3.天界と下界を行き交う男
4.サファイア・バレット・オブ・ピュア・ラヴ
5.サウザンド・アイランド・パーク
6.ホープ
7.ワン・ワード
8.サンクチュアリ
9.オープン・カントリー・ジョイ
10.リゾリューション


これはジョン・マクラフリンが1973年、マイルス・デイヴィスの薦めで結成した自分のバンド”マハヴィシュヌ・オーケストラ”の2枚目のアルバムです。

オーケストラと言いながら編成はギター、キーボード、ベース、ドラム、ヴィオリンと、意外や小編成なんですが、はい、マクラフリンのギターと、ビリー・コブハムのドラムがですね、同じ楽器の演奏者3人分ぐらい手数多いしうるさいので、たった5人の演奏とは思えない重厚で激烈な”音の洪水”いやむしろ”手数の大炎上”を聴き狂うことが出来ます。

もちろん大人しく4ビートなんかやる訳もなく、最初からギターはディスト―ションガンガンだし、チョーキング撃ちまくりだし、この時代出たばかりのシンセで色んな音を出してはっちゃけてるヤン・ハマーは何となくマッド・サイエンティストな感じするし、ギターに寄り添うように上手く即興のソロに合いの手を入れたりフレーズをバトンタッチして美しいメロディを奏でてると思いきや、暴走するギターに合わせていつの間にか危ない展開まっしぐらのヴァイオリンもかなりキてるし、ジャズ、ロック、ファンク、それから多分インド音楽の即興からこれ、多くの影響を受けてると思うんですが、メジャーでもマイナーでもない奇妙奇天烈なフレーズが、あっち行ったりこっち行ったり、変拍子でぶった切られてはまたうにょうにょ増殖して、何つーかプログレの鬼みたいに激しいやつみたいな展開だし、で、一番大事なのはここなんですが、ビリー・コブハムのドラムがとにかくうるさい(笑)。

最初から最後まで、聴き手をホッとさせるような展開がまったくないんですよ。とにかく押して押して、叩いて叩いて弾き倒す。その力技極まりない全楽器の超絶技巧のフル爆発が、聴く人の意識を無理矢理何とも言えない快感の高みへかっさらっていくんですね。

だから音楽としてはジャズとロック、プラス何かの融合であるところの、正しい意味でのこれは”フュージョン”ではあるんですが、アタシがこの演奏と似たようなエネルギーを感じるのは、実はジャズでもプログレでもない、メタリカです。「メタル・ジャスティス」辺りの、凄まじいエネルギーの爆発と、考え尽くされたアレンジの奇跡のバランスで鳴り響いている音楽であるところのアレです。聴く時はくれぐれも爆音で。



『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

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2017年11月14日

ジャック・ブルース Things We Like

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ジャック・ブルース Things We Like
(Polydor)


ごめーん、今日もジャック・ブルースです。

そしてごめーん!

これ最高です。

1968年、クリーム解散直前にジャック・ブルースが各方面に「ジャズやろうぜ」と声を掛け、「おう、いいぜ」と、ジャズとプログレッシブ・ロックの面々が集まって出来た、ブルースロックの”ブ”の字もなければクリームの”ク”の字もない、純度限りなく100に近い、気合いの入ったジャズ・アルバムなんです。

1960年代のイギリスのロッカーといえば、十代の頃はスキッフル・バンド(アコースティックでトラディショナル・ジャズやフォークソングを演奏し、歌う音楽)を経験し、その後ブルースやR&Bなどアメリカの黒人音楽に衝撃を受けて、エレキギターでブルースやR&Bのカヴァーをするバンドを結成するというのが、ひとつの王道なパターンだった訳ですが、クリームの場合はクラプトンはご存知の通り”ブルース少年からロッカー”のど真ん中におる人で、でもジャック・ブルースとジンジャー・ベイカーは、クリーム以前、グレアム・ボンドという人の、ホーンなんかも入ったかなりジャズ寄りのR&Bバンドが、そのキャリアのスタートでした。

このバンドのリズムというのが、ブルースのシャッフルやロックンロールの8ビートだけではなく、ジャズのチーチキ、つまり4ビートやラテン・ビートなんかも色々と使っている、なかなか画期的なバンドでありまして、何が言いたいのかと言うと、ジャック・ブルースとジンジャー・ベイカーという人達は、最初から英国ロックの王道な流れとは若干毛色の違う”ジャズ”という感覚に、割と早くからドップリだった人達だったんです。

あ、でも、このグレアム・ボンドのバンドでは、ジャックとジンジャーはものすごく仲悪くて、クリーム結成も、実はかつての不仲を知る周囲からは「アイツら仲悪かったよな?大丈夫かぁ!?」と散々心配されていたようなんですが、・・・結果は言わずもがなですね(汗)。

はい、余談はこれぐらいにして、とにかくジャック・ブルースは、そのソロ作品には常に「ロックの”当たり前”には収まらない音楽性の広さ」と感じさせます。なかんづく”ジャズ”というキーワードは、ジャックを語る時に外せない重要なワードなんですが、この「Things We Like」には、全編インスト、全編ウッドベースでガッツリJAZZをやっている、ジャックのある意味原点がかいま見られるアルバムであります。

実は録音年月日は、ソロ第一作目の『Songs for a Tailor』の前年の1968年ですが、発売が後だったんですね。だから実質ファースト・アルバムなんじゃないの?とも訊かれたことがあったりするんですが、このアルバムはジャック・ブルースのソロ作というよりも、イギリスの、ジャズの心得のある若手ミュージシャン達が集まって、特定のリーダーを決めずに行った自由なセッション・アルバムと言えるでしょう。

セッションに集った面々は、下の【パーソネル】にも記入しますが、まずウッドベースのジャック・ブルース、ギターのジョン・マクラフリン、サックスにディック・ヘクトール=スミス、ドラムにジョン・ハイズマンであります。

ジョン・マクラフリンは後に渡米してマイルス・デイヴィスのバンドや、トニー・ウィリアムスのライフタイム、そして自身の”マハヴィシュヌ・オーケストラ”などで70年代以降のジャズ・ギター界を代表するほどのビッグネームになりました。そうなんです、実はイギリス出身で、このセッションの直後にアメリカに渡っておるんです。

で、ディック・ヘクトール=スミスにジョン・ハイズマンといえば、これはもうプログレファンにはおなじみの”コロシアム”のメンバーですね。

プログレッシブ・ロックというのは、知らない人にとっては何だか頭のいい人達がやっている難しい音楽とか、サイコでおどろおどろしい音楽とか思われるかも知れませんが、元々はジャズ・バンドをやっていた連中が「じゃあ俺達もジャズをベースにしたロックをやるべ!」と、ジャズをベースにロックの色んな要素を掛け合わせたような音楽がベースなんですね。

だから全然難しくないし怖くもないよ〜ということを言いたいんですが、その中でもコロシアムのオリジナル・メンバーであるジョンとディックの2人は、元々イギリスのブルース・ロックの走りと言われるジョン・メイオールのブルース・ブレイカーズにも参加していた面々で、そういう意味で非常にキャッチ―な”掴み”に溢れたプレイも出来る人達です。

で、こんなグレイトな(や、よく分かんない人ごめんなさいだけど、後の各分野での活躍ぶりを知ってる人から見たら、これはあり得ない豪華顔合わせなんですよ)面々が、どうして集まったかというと、実はさっきちょこっと言った”グレアム・ボンド”の関係者なんですね。

マクラフリンとコロシアム組の2人共、グレアム・ボンドのバンドで演奏していた時期があって、ジャックともその頃から絡みがあったんです。いうなればこのアルバムは”グレアム・ボンド・バンドの同窓会的セッションであり、1960年代末期のイギリスで最もホットなジャズの記録でもないかしらと、聴きながら毎度アタシはワクワクします。






【パーソネル】
ジャック・ブルース(b)
ジョン・マクラフリン(g)
ジョン・ハイズマン(ds)
ディック・ヘクトール=スミス(ts,as)

【収録曲】
1.Over the Cliff
2.Statues
3.Sam Enchanted Dick Medley: Sam's Sack/Rill's Thrills [Medley]
4.Born to Be Blue
5.HCKHH Blues
6.Ballad for Arthur
7.Things We Like
8.Ageing Jack Bruce, Three, from Scotland, England



実に素晴らしいのはメンツだけではなくてやっぱり中身です。

演奏の方も実にそれぞれのプレイが個性的で、これがいわゆる「オーソドックスなアメリカのジャズの真似事」で終わっていないんです。

パッと聴いて「あ、面白いなぁ〜」と印象に残るのは、フツーに渋いフレーズも吹くけど、基本ひねくれて、よじれまくって、どこにすっ飛んで行くか分かんないフリーキーでアナーキーなディックのサックスと、アンプをガンガンに歪ませて、遠慮なく”オレが感じるロック”を、ジャズなフレーズの中に後先考えずガンガンぶち込んで、もう攻めに攻めるギターで楽しませてくれるジョン・マクラフリンのギターですよね。

全体的に60年代フリー・ジャズの不穏さ、不健全さに大きく影響を受けた実験的な香りがムンムン漂ってはいるんですが、キメのメイン・フレーズや、ディックが要所要所で披露するローランド・カークばりの”サックス2本同時吹き”に、特有の大道芸的な陽気さ「実は俺達、楽しみながら不健全やってんだよねー」みたいなカラッとした磊落さを感じます。

で、ジャックとドラムのジョン・ハイズマンは何をやってるのかというと、派手にやらかしているサックス&ギターのバックで、真面目に黙々と”コイツらがちゃんと暴れやすいように”と4ビート刻んでるんです。

や、バンバンボンボンとかなり手数多めにジャックは派手なアドリブをかましてるし、ハイズマンのドラムは実に知的で切れ味鋭くて、これもフロントに呼応しながら自由自在にリズム・パターンを変化させておるんですが(この辺は流石元祖プログレのバンドリーダーですよ)、その仕事ぶりがとても真面目で誠実なんです。

ジャックのベースは暴れてなんぼと、アタシは思ってますが、このアルバムで実は一番の聴きどころは、サックスやギターのソロが佳境に入ってブチ切れ気味になる一歩手前の時にフツーの4ビート刻んでるとこだったりします。

それにしても、これだけ見事にジャズしてるのに、やっぱり他のアメリカのジャズと聴き比べてみたら凄く特有の”ロックフィーリング”みたいなのがあって、それが気持ちいいんですよね。何がどうロックなのか?それを考えると結局雰囲気としか言えないからもどかしいのですが、敢えて言葉にするならば「ジャズのフォーマットの中で、ロック的な自由闊達なやりとりが成立してる」ということになるでしょうか。や、ジャック・ブルースという人は聴けば聴くほど奥が深いです。






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2017年11月11日

ジャック・ブルース Songs for a Tailor

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ジャック・ブルース Songs for a Tailor
(Polydor)

今日11月11日は”ベースの日”です。

大体アタシは年がら年中甘いもののことばかり考えているような人間ですので

「え!?11月11日はポッキーの日じゃないの!?みんなでシェアハッピーしようよぉ」

としか思っていませんでした。

ほらお前のそういうところよ!

と、いつも言われるんですが、皆さんどうもこんにちは。

いやぁ、今日はベースの日ですねぇ、ずっと前からアタシはこの日に何をレビューしようかと、実はずっと考えていたんですよ〜(今更感)。

で、何で11月11日はベースの日なんだと言いますと、「1」という数字を弦に見立てて、これが4本並んでいるのが、丁度弦を張ったベースみたいでよろしいと。

あ、ベース業界の方すいません、今、ちょっとバンジョー業界とウクレレ業界の方からクレームが来てるようなんで、そこ対応しといてください。はい、すいませんねぇ。

今日は朝からそんな感じで、音楽好きが集まるネットでは、それぞれが好きなベーシストについてアツく語ったり、音源をシェアしたり、いい感じに盛り上がっているようでございます。

うん、好きなベーシスト?いっぱい居過ぎて「この人が最高!」と絞れる訳なんてないのですが、ベースと聞いて真っ先に一人、ポーンと思い付く人はおります。

それがこの方、ジャック・ブルースです。


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ジャック・ブルースといえば、言わずと知れた英国ロックのスーパーバンド、クリームのベーシストでありヴォーカリスト。その3ピースという最小の編成から放たれるポップな楽曲にパンチの強い即興性を宿した演奏の中心となっていた御仁です。

クリームを知った十代の頃は、やっぱりエリック・クラプトンのギター・プレイを必死で聴いていたので、実はその時はジャック・ブルースという人の凄さに関しては全く気付きませんでした。それどころかクリーム聴いていて、ジャック・ブルースとジンジャー・ベイカーに関しては「クラプトンのバック」ぐらいに思っていたんですね(ついでに白状してしまうと、ヴォーカルも全部クラプトンだと思ってました。嗚呼!)。

ジャック・ブルース、本当にカッコイイなと、いきなり思ってしまったのが、20代になったある日、雑誌で知ったアメリカン・クラーヴェ(ニューヨーク在住のラテン系の人達によるアンダーグラウンドなジャズその他いろいろをやっているレーベル)のいくつかのアルバムに、何とあのジャック・ブルースが参加しているよという文章を何かで読んだ時でした。



正直期待はしてなかったです。アルバム買った動機も「何だかいい感じにアヤシゲなラテンジャズのレーベルに、デヴィッド・マレイとかアート・リンゼイとか、おお、スティーヴ・キューン・トリオの変態ベーシスト、スティーヴ・スワロウも参加しているではないか!」というものでしたから。

しかし、このキップ・ハンラハンという人(アメリカン・クラーヴェのオーナーでありバンドリーダーっす)の「ヴァーティカル・カレンシー」で

『ぬはぁ!ジャッッッッッック・ブルーーーース、すげぇえぇ!!』

と、興奮して以来、すっかりアタシはハマッてしまい、幸いその当時の職場には、ロック先生がたくさんいらしたので、ちょいと興奮気味に話をしたら

・ジャック・ブルースは最初からロックのカテゴリに収まらない幅広い音楽性を持っていたからナメるな

・特にソロになってからはどのアルバムも見事に方向性が違う、ここをナメるな。

・キップ・ハンラハンと組んだヤツは、どれもジャックの幅広い音楽性に合った素晴らしいアルバムばかりだからナメるな。

・ジャズとかR&Bとか色んなジャンルに手ぇ出してるけど、ベースの音そのものはクリーム時代のブリブリゴリゴリから全く劣化してないことをナメるな。

と、色々と教えてもらいました。

アタシの中では、元々ロック畑、そしてブルースにバリバリ影響を受けたスタイルから始まって、クリーム解散後にソロ活動の中で色んなジャンルのミュージシャン達と出会い、音楽の幅を拡げていったのかと思ったら、実はそうではなく、クリームの時代からかなりジャズに影響されたスタンスでベースは弾いていたんだと。

それからジャック・ブルースとジンジャー・ベイカーによる、即興のインタープレイのどうとかいう、やや難しい話になってきたので、ポカーンとしてたら

「まぁまぁ、とりあえずクリーム解散直後にリリースされたジャックのファーストを聴きなさい」

とのことでした。



【収録曲】
1.Never Tell Your Mother She's Out of Tune
2.Theme from an Imaginary Western
3.Tickets to Waterfalls
4.Weird of Hermiston
5.Rope Ladder to the Moon
6.Ministry of Bag
7.He the Richmond
8.Boston Ball Game 1967
9.To Isengard
10.Clearout
11.Ministry of Bag(Demo Version)
12.Weird of Hermiston(Alternate Mix)
13.Clearout(Alternate Mix)
14.Ministry of Bag(Alternate Mix)


これ凄いんですよ。

いきなり16ビートのどこのソウルバンドか!と思わせる曲から始まって、サザンロックなバラード、アコースティックでいかにもブリティシュ・フォークな曲、骨太なロックンロール、プログレなどなど、1枚のアルバムに、本当によくこれだけ詰め込んだなぁと思えるぐらい豊かで幅広い音楽が、何の不自然も作為もなしに、センスよく収まってるんですよね。

で、こう書くとジャックのベースは大人しくなって全体の調整に回ってるんだとうかと思いますが、プレイそのものは見事に逆で、どの曲でもこの人特有の、ガリガリゴリゴリしたミドルの効いた音で、クリーム時代以上にブリブリ弾きまくっておるのです。

しかも、16ビートのソウル/R&B系の曲でのベース・ラインなんか聴くと、いわゆる黒人ベーシストの軽やかに跳ねてゆくようなノリと全く違って、全力でぶつかりながら強引に山とか越えてゆくような、かなりやんちゃでロックな気骨の感じるやり方で、聴いていてすこぶる気持ちがいいんですよ。

ジャックは2015年に亡くなるまで、とにかく色んなセッションに顔を出し、その都度色んなことを試みていて、ソロ名義のアルバムは実に20枚以上に及びます。

ベーシストっていうのはよく「後ろからバンド全体を見ているからバンド解散後はプロデューサーとして成功する人が多い」なんて言われますが、ジャックの場合はやっぱり自分が楽器持って、絶えず変化している音楽の最前線でハジケていたかったんでしょうね。つくづく根っからのベーシストだと思います。そしてその姿勢って死ぬほどカッコイイです。




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2017年11月10日

渦 ジャズとペプシ

昨日はちょいとお昼に時間があったので、窓を開けて寝ておりましたら、日差しが強くて何か顔がジリジリ熱い!というので目が覚めてしまいました。

・・・ほんとにね、もうね、11月ですよ奄美。

そんなことはどうでもよろしい、アタシは今日もそんなバテバテにめげずにグッド・ミュージックを紹介います。

ここんとこアレですね、秋なので感傷モードに入ってしまってピアノばっか聴いておりましたら、心の中に「あぁぁ!ロック聴きてぇ!!」という衝動が湧き上ってまいりました。いいぞいいぞ、で、何聴くよ?

と自問してみたら、導き出された答え

「うん、ロックつっても60年代とか70年代のクラシックスからちょいと離れて、最近の日本の、活きのいいバンドが聴きたいな。何つうか、こう青い勢いがあるような、そういうイカシたやつ」

ほうほう、青い勢いですかぁ。普段ロクなこと言っていないアタシですが、たまにはいいことを言うもんですな。

そんな感じで自分に感心しながら、最近のインディーバンドの音源などを「あれもいいこれもいい」と鑑賞していた折、特に心にグッときたのがコレ



あの〜”エモい”って言葉あるじゃないですか。

その言葉、今どんな意味で使われてるか、おじちゃんはよくわからんのですが、多分アタシの解釈では

「エモーショナルで内省的な、そこはかと哀愁漂うことがら」

だと思っとるんですね。

それって、そのまんま日本のロック、特に2000年以降のロックバンド達が出す音そのものだと思うんです。

で、今日ご紹介するのは”渦”というバンドです。

2015年に都内で結成されて、翌年に5曲入りミニ・アルバム『ジャズとペプシ』をリリースして、さっきの動画は今年、つうかつい来週の11月12日に(注:2017年現在)にリリースされる予定の4曲入り『ゴーグル2』
より最新の曲(「トレイラー」)なんですが、これ、いいですよ。シングルコイルのキラキラした鳴りの2本のギターが幻想を淡く紡いでゆく、パステルなサウンドカラーに繊細なヴォーカル、粘りのある音でキッチリビートを提供しながら、でもしっかり小技を効かせているベース、そして演奏の中心にドッシリあって、素晴らしくパワフルな、芯の座った音のドラム。

ほとばしるのは、淡く甘酸っぱい空気と、音楽が好きでたまんなくなって演奏をやっているその勢い。あぁ、いいねぇ、音楽ってこうだよねぇと、ジャンルやスタイルとかそういうもの以前にクッと胸が熱く押されるあの感じ。



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【収録曲】
1.ソーリー
2.愛しのインディーガール
3.ドルフィン
4.ジャズとペプシ
5.オバケは走る


実はアタシ、去年この「ジャズとペプシ」を入手して以来、ジャズを聴いてブルースのCDをセットするまでの合間に、60年代から90年代の洋楽ロックを聴いてる合間に、そう、合間合間に挟んでよく流していました。

ピュアな衝動と、優しい歌詞の世界観が、どの音楽ともすごく合うことに、ちょいとビックリ♪

”渦”現在都内中心にライヴもガンガンやっております。

イベントの情報やCDのご案内はコチラ↓の公式ページからどうぞ!
https://banduzu.jimdo.com/














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2017年11月08日

スティーヴ・キューン・トリオ スリー・ウェイヴス

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スティーヴ・キューン・トリオ/スリー・ウェイヴス
(Contact/Solid)

さて、本日は良い感じに秋の雨がしとしとと降っておりますので、引き続き”アタシの大好きな美しいジャズ・ピアノ”をご紹介致します。

あのですね、えっとですね、アタシには「雨の日はこの人を聴くぞ!」というピアニストがおりまして、それがスティーヴ・キューンという人なんですね。

コノ人との最初の出会いは、ECMというドイツのレーベルに興味を持ったことから始まります。

このレーベルは、それまでアタシが慣れ親しんでいたアメリカのジャズとは明らかに質感の違う、いかにもヨーロッパな、しんとした空気の静寂感と、ミュージシャン達による美学の結晶のような、どこまでも繊細で透明な演奏がとても魅力でした。

有名どころではキース・ジャレットの『ケルン・コンサート』とかチック・コリアの『リターン・トゥ・フォーエヴァー』とか、その辺がありますが、アタシの場合は上記2枚他キース・ジャレットの繋がりで色々と知らないアーティストのアルバムを買い集めていって、クラシックの作曲家、アルヴォ・ペルトという人の『アリーナ』という、それまで聴いたことのなかったような無駄のない美と安らぎに満ちた究極の一枚を知ってからというもの、すっかりECMに夢中になっておりました。


(静謐なものが好きな方はぜひともこのアルバムを一度は聴いてみてください)


そんなこんなでスティーヴ・キューンの『リメンバリング・トゥモロウ』というアルバムと出会う訳です。

モノクロの、何の風景か分からないようなポートレイトが、いかにもジャズっぽくなくて、何かありそうな気がしてふと手にしただけだったんですが、そこで聴いたピアノは、いわゆるモダン・ジャズの演奏スタイルからハッキリと”違うどこか”に立脚している、すこぶるクールで研ぎ澄まされた美を感じさせるものでした。




ビートは現代的な感じで、ピアノのフレーズは銀色の抽象画を観ているような、音楽で確実にここではない幻想的な世界を描いているキューン。

で、その後にアート・ファーマーの『ブルースをそっと歌って』。こっちはアート・ファーマーというバリバリに王道なモダン・ジャズ・トランぺッターのバックで、端正な”ジャズ”の4ビートで上品にバッキングしていると思ったら、突如キレて雪崩を起こしたり、冷静にトランペットのソロを引き立てながら、よくよく聴くとかなりトンガッたことをやっている(でも、パッと聴きはとてもエレガントに思える)このピアノ・トリオが、スティーヴ・キューン(p)、スティーヴ・スワロウ(b)、ピート・ラ・ロカ(ds)という、最初期のスティーヴ・キューン・トリオだということを知って、これはもう運命だから、覚悟を決めてこの人の音楽と付き合うしかない。そこまで思いました。

時は1990年代後半、丁度タイミングのいいことに、我が国のヴィーナス・レーベルからも何枚か趣味のいいピアノ・トリオ・アルバムを立て続けにリリースしていたこともあって、”スティーヴ・キューン”という名前はすぐに覚えることが出来ました。

気になったら調べ上げねばならない性格でありますので、バイオグラフィ的なことも本で調べたら、

・1938年ニューヨーク生まれのニューヨーク育ち、ヨーロッパ人だと思ったらバリバリのニューヨーカー

・小さい頃からピアノを習っていたけれど、バリトン・サックス奏者、サージ・チャロフ(ジャズマンよ♪)のお母さんのマーガレット・チャロフという人に習っていたことから、早くからジャズに目覚める。

・10代の頃にはクラブで演奏していたコールマン・ホーキンスやチェット・ベイカーなど、ジャズの”正統派な人気アーティスト”達と共演するなど、実は根っこにはスウィング〜モダンの王道ジャズが深くある。

・このまんまプロとして”趣味良くスウィングする若手白人ピアニスト”としてデビューしても良かったけど、何故か勉強に励み、ハーバード大学に入学して卒業している。理由は「文学を勉強したかったから」。

・卒業後は恐らく文学に毒されたんだろう、1950年代末にオーネット・コールマンやドン・チェリーなど、当時”前衛”と呼ばれていたフリー・ジャズ系ミュージシャンとコンサートで共演。多分感触は良かった。本人も「人とは何か違うスタイルを打ち立ててやろう」と大いに思った。

・で、今度は「革新的なスタイルで常識を打ち破る若手前衛ピアニスト」となるつもりが、スタン・ゲッツ、ゲイリー・マクファーランド、ケニー・ドーハム、ジョン・コルトレーン、アート・ファーマーと、やっぱり当時の王道をゆく大物達のグループに渡り歩いている。

・と、思いきや、スタン・ゲッツ、ジョン・コルトレーンのグループには、入ってすぐに数回のセッションでクビになっている。色んな話を総合すると「やっぱりサイドマンでありながら”何かを美しくブチ壊してやろう”という衝動が勝ってしまい、リーダーの指示に従わなかった」ことが原因らしい。ケニー・ドーハムはよくわからんが、アート・ファーマーはぶっちゃけいい人だったから、アルバムでも割と好きにさせた。その結果が『ブルースをそっと歌って』でのはっちゃけ。

はい、この人の前半生を一言でいえば”ニヒルなインテリの生き方”そのものでしょうね。

何だか音を聴いてバイオグラフィーを読むと、自分の中に表現のコアみたいなもんが、割と早いうちからあって、その中に絶対的な美を見出そうとして突き進んでいた。その突進はちょっとやそっとでは止まらずに(てか止まれずに)、バンドリーダーなどとはそのことが原因で対立したり、問答無用でクビになったりしたけれど、それぐらいでは僕の美への探究は収まらないんだ。なぜなら美しいものが全てだから。こんな感じでしょうね。

表現のために妥協をしない、そういうタイプですので確実に孤独に陥りがちなタイプなんですが、彼には同じような性質を持つ、心強いお友達がおりました。

それが、最初にトリオを組んだドラマーのピート・ラ・ロカたんです。

ラ・ロカについてはもうアタシ、大好きであちこちに書いてますけど、それはともかく彼もまたハッキリとそれと分かるクセを持っている人でした。で、自身も後に司法試験に受かって弁護士になるよーな人でありますので「ボクは曲げないぞー、自分に自信があるから」というような気持ちで、相手がどこの誰であろうが、ドラム・スタイルを変えなかった人ですね。

それがたまたまピタッとハマッたのがドン・フリードマンの『サークル・ワルツ』。ハマらなかったのがコルトレーン・バンドでの活動でしょう。

そう、キューンとラ・ロカは、共にコルトレーンのバンドに参加しましたが、参加してほんの少しで、キューン、ラ・ロカの順番であえなくクビにされてるんです。

これは彼らがヘタクソだったとか、センスがなかったからでは決してなくて、ワン&オンリーな自分の世界観を共に作っていけるメンバーが欲しかったコルトレーンとの相性の問題だったと思います(実際ラ・ロカとコルトレーン唯一の共演盤は、噛み合ってないけど演奏は最高にアツいもんね♪)。


で、コルレーンのバンドをクビになって、バーのカウンターで

「ロカ、君もクビになったのか」

「うん、そうだね。ライヴの後コルトレーンにさ”ピート、ちょっと話がある”って言われるから言ったらさ”分かるかい?俺は君の目指してるのとは違う音楽がやりたいんだよ”なんてジョンはモゴモゴ遠回しに言うんだ」

「そうか、奇遇だねぇ。僕ん時もそうだった。で、君何て言ったの?」

「しょうがないから”僕はスタイルを崩すつもりはありません”って言ったんだ。そしたら”そうか、わかった”つって、カウンターに僕の分のギャラとドリンク代を置いてそれっきりさ」

「一緒だね」

「うん、一緒だ。でもスティーヴ、ジョンがやりたい音楽をやりたいって言うんならしょうがないよね。思うに彼には僕の鋭角なリズムは理解できなかったんだと思うんだよ」

「そうだね、ジョンには理解できない。僕のリリシズムに溢れた哲学的なピアノも、彼には少し難し過ぎたと思うんだよね」

「じゃあ僕達が早過ぎたんだね」

「そうとしか考えられないよね、思うにジョンには罪はない」

「確かに。ところでスティーヴ、君、これから行くアテはあるかい?アート・ファーマーが一緒にどうだ?って言ってるんだよ」

「アートか、彼はジョンよりもオーソドックスな...言い方は悪いが保守的なトランぺッターじゃないのかい?」

「そうなんだが”ある程度は好きにやっていい”ってニコニコしながら言うんだな。知的でスタイリッシュなトリオが欲しいと」

「それはきっと僕達しか務まらないね」

「じゃあ行こうか」

「うん、そうだね」

と、実にポジティヴな展開から(うん、多分・汗)、彼らはアート・ファーマーの新バンドに行きました。

その時2人の隣で(うんうん、そうだ)と頷いていたのが、ベースのスティーヴ・スワロウ。

言い忘れてましたが、この人も”相当”です。

寡黙なくせに、上手に他の音と折り合いを付けながら、いつの間にかウニョウニョとアブストラクトなフレーズでもって、リズムを上手に溶かしながら、演奏全体を”どこへ行くか分からないアンニュイなスリル”の色に染め上げる変態...いや、名人です。

この3人はアレと似てます、ルパンV世のルパンと次元と五エ衛門です。

キューンとラ・ロカはルパン的なところと次元的なところを両方持つ、大胆で突拍子もない人達ですが、スワロウは間違いなく五ェ衛門です。何を考えてるかわかんないけど、することは一番おかしいという・・・。





【パーソネル】
スティーヴ・キューン(p)
スティーヴ・スワロウ(b)
ピート・ラ・ロカ(ds)

【収録曲】
1.アイダ・ルピノ
2.アー・ムーア
3.トゥデイ・アイム・ア・マン
4.メモリー
5.ホワイ・ディド・アイ・チューズ・ユー?
6.スリー・ウェイヴズ
7.ネヴァー・レット・ミー・ゴー
8.ビッツ・アンド・ピーセズ
9.コッド・ピース


とまれ、コルトレーンを経て、ファーマーを経て、3人が

ラ・ロカ「やったね、ファーマーのアルバムはなかなかいい感じだよ」

キューン「やっぱり僕達の表現の方向性に間違いはなかったんだよ、ファーマーも僕達をいい感じでサポートしてくれたよね」

スワロウ「(うんうん、そうだそうだ)」

アタシ(おいお前たち、ファーマーがリーダーのアルバムだぞ...。)

と、天然ポジティヴ最高潮になった時、ようやく満を持して”スティーヴ・キューン・トリオ”として制作/発表したのがこのアルバム。

一言で言うと「やりたい放題」です。

とは言っても、決してフリーで前衛でイケイケでバリバリのことをやっている訳ではない、3人のコンセプトはあくまでも”美”です。

キューンのピアノを中心に、どこまでも硬質で温度のない、まるで精巧なガラス細工のような透明な音楽が、奏でられ、胸が詰まるほどの香気を放ち、そして美しく散らされる。

あぁ、もうね...。何て言いますかね。

アタシは”美しいピアノ”ってのは、たとえばビル・エヴァンスや、昨日紹介したドン・フリードマンみたいに、端正込めた上質なメロディを、丁寧に丁寧に、たっぷりの詩情を絡めて紡いでゆくもんだと思っていたんです。

でもね、キューンの場合は、不意に狂気のスイッチが入って、その美しいメロディを「ガーン!」「バーン!」と破壊しちゃうんですよ。破壊とまではいかなくても、感極まった果てに執拗に同じフレーズをガッコンガッコン繰り返して、空間からどんどん血の気が引いてゆく、そして一通りの「ガーン!」が終わった後の静寂の”間”に、メロディーの残骸がキラキラ美しく舞っている。

いわばこれ”ほろびの美”です。

さっき”不意に狂気のスイッチが入って”と言いましたが、今このスリー・ウェイヴス聴いてると、キューンは最初から狂気全開にして弾いてるし、スワロウもラ・ロカも完全にそれに乗っかってて、狂気×3の完璧なヤバいコンビネーションでこれ、最初から最後まで演奏が流れてく。

ところがどっこいどこをどう聴いても「あぁ、これすごくメロディアスだ...」と、感動のため息しか出て来んのですよね。こんだけ激しく音を散らせているのに、どこにもメロディの破綻はなくて、完璧だとしか思えない。

考えてみればキューンのピアノって、この時期の「ジャズ崩すべぇか♪」な音も、ECMとかでやってた抽象幻想画な演奏も、最近のひたすら甘美なスタンダードも、一切のブレがなく、全部”美しい”の一言にスーッと着地できちゃう。”美しい”と言うには余りにも情感が過ぎて幻想が過ぎて甘美が過ぎるのかも知れませんけど、やはり一言でいえば”美しい”なんです。そう言えちゃうんです。相当に凄いことだと思うんですが、こういうのって一体何て言うんでしょう。


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『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

サウンズパル店主高良俊礼の個人ブログ
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posted by サウンズパル at 19:35| Comment(0) | ジャズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする