ディープなコラム こちらにも書いてます♪

2017年05月02日

スティーヴィー・レイ・ヴォーンのライヴ

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本文が長くなりそうなので、ひとまず次回予告。

はい、スティーヴィー・レイ・ヴォーンです。

思えば中学の時に「アトランティック・ブルース・ギター」の一番最後に入ってたレイ・ヴォーンの「テキサス・フラッド」のライヴ・ヴァージョンを聴いたのが出会いでした。

自分でギターをいじるようになって、好きなギタリストたくさんいたけど、もしかしたらアタシの最初の最初のギターヒーローってレイ・ヴォーンかもしれない。

ブルースとかまだ全然分からなくて、でもわからないながらも確実に惹かれていたその時に、何度も何度も聴いていたのがこの「ライヴ・アライヴ」付き合いはもう25年になりますか。ガンズ聴いてはコレ聴いて、メタリカ聴いてはコレ聴いて、色んな音楽聴いてる合間に、とにかく挟んで聴いてましたね〜。

という訳でレビューおたのしみに。
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2017年04月29日

ジェシ・エド・デイヴィス キープ・ミー・カミン

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ジェシ・エド・デイヴィス/キープ・ミー・カミン
(ソニー・ミュージック)

はい、皆さんゴールデン・ウィークがやってきた訳なんですけれどもねぇ、どこへ行きますか?アタシはあくせく働いておりますので、今のところ何をして楽しむとかそういう予定はないんです。

「お、おぅ、毎日がゴールデン・ウィーク(休日とは言ってない)」

という、摩訶不思議な呪文を唱えて、今年も何とか乗り切ろうと思っております。

さて、ここのところ特集しております、ソニー・ミュージックの「ギター・レジェンド・シリーズ」の話を、アタシはしたいんでありまして、ゴールデン・ウィーク全然関係ない。

このシリーズは、ロックにブルースにジャズにと、ギターという楽器にスポットを当てながら、同時に素晴らしいアメリカン・ルーツ・ミュージックの楽しさや奥深さを味わえる、本当に素敵なアルバムが多いです。

その人個人が「アメリカン・ルーツ・ミュージックの体現者」として、その名を知られているレジェンドばかりなウホッ!なシリーズなんですが、本日ご紹介するジェシ・エド・デイヴィスこそは、そんなグレイト・アメリカン・ルーツ・ミュージックの体現者の最高峰にいるレジェンド・オブ・レジェンドと言っていいでしょう。

と、ここまで書いて

「え?だ、誰!?」

となった人は多いかも知れません。

そうなんです、ジェシ・エド・デイヴィスは、そのセンスとアメリカン・ロック・スピリッツの塊のような素晴らしいギター・プレイで、エリック・クラプトン、ジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、ロッド・スチュアート、レオン・ラッセル、ジョン・リー・フッカー、キース・ムーンなどの英米の大物ミュージシャン達のハートを掴み、それこそミュージシャンズ・ミュージシャンとして、知る人ぞ知る存在です。

特に我が国のロック・ファンには、ビートルズのソロ絡みなどの英国ロックの作品で知った人も多いと思うのですが、彼を知った人達が、たったの3枚しか出ていないジェシ・エド・デイヴィス名義のソロ・アルバムを聴くやいなや、アメリカン・ロックの濃厚な味わいにヤラレちゃう現象が、音楽好き界隈では起きておりまして、アタシはコレを

「ジェシ・エド・メロメロ現象」

と、今名付けたんですが、そんぐらい聴く人の心に訴える、土臭さと人肌の温かみに溢れた音楽を作っていた人なのであります。

その生い立ちからデビューを追えば、1944年(ミック・ジャガーと同い年)にアメリカ南部オクラホマに、両親共にネイティヴ・アメリカンの家庭に生まれ、少年時代はラジオで夢中になって聴いたブルースやロックンロールに魅了されてそのまま音楽の道へ進むことに。

で、最初に活動の拠点とする西海岸で出会って最初にバンドを組んだのが、後に”スワンプ・ロックの王様”と呼ばれ、アメリカを代表するシンガー・ソングライターの一人でありますレオン・ラッセル。

その後に、当時異色の黒人ブルース・ロック・シンガー&ギタリストとして、幅広い活動をしていたタジ・マハールにギターの腕が認められ、彼のバック・バンドのメンバーとなったのが1966年。この年にローリング・ストーンズ主催の一大イベント「ロックンロール・サーカス」に参加するためにタジと共に渡英しますが、この時ストーンズのメンバーやジョージ・ハリスン、そしてエリック・クラプトンらがこぞって彼のプレイを大絶賛

「すげぇよアイツ!何て美しいスライドだ!」

「いや、初めて見るヤツだけどカッコイイね」

「何か話してみたらめっちゃイイ奴だよ」

という風に、たった一度のコンサートで彼の株はミュージシャン仲間の間で急上昇し、その後このイベントで知り合った英国ミュージシャン達のレコーディングやセッションに呼ばれたり、ジェシはミュージシャン仲間内と、熱心なファンの間で「すげぇギタリスト」と密かにささやかれるようになっていきます。

で、元々がタジ・マハールのバックバンドの一員で、まぁとりあえず好きなギターが弾ければそれでいいと思ってたジェシは、まだソロ・プロジェクトとかそんなものは全く考えていなかったのですが、エリック・クラプトンから

「ジェシ、ソロ・アルバム作った方がいいよ。何ならオレが手伝うよ」

と、後押しされ、1970年ついにアトコ・レコーベルから1枚目の「ジェシ・デイヴィスの世界」を、翌年にはジョージ・ハリスン主催のバングラデシュ・コンサートに出演して、更にその翌72年にはセカンド・アルバム「ウルル」をリリースします。

いずれのアルバムも、クラプトンや盟友のレオン・ラッセル、ジョージ・ハリスンなど、気の合う仲間達が参加したり楽曲を提供したり、実にくつろいだ雰囲気の中、レイジーで幸福な時間が流れる極上のアメリカン・ロック・アルバムであります。


この、アトコからリリースされた2枚のアルバムは、いずれもワーナーから再発され、名盤としての評価も定着した感がありますが、1972年にレーベル移籍してリリースされた3枚目にして、ソロとしては最後の作品になってしまった「キープ・ミー・カミン」は再発もなかなかされず、待ち望んでいた方も多いアルバムです。




(ギター・レジェンド・シリーズ)
【収録曲】
1.ビッグ・ディッパー
2.シーズ・ア・ペイン
3.ホェア・アム・アイ・ナウ(ホェン・アイ・ニード・ミー)
4.ナチュラル・アンセム
5.フー・プルド・ザ・プラグ?
6.チン・チン・チャイナ・ボーイ
7.ベイコン・ファット
8.ノー・ディガ・マス
9.6:00ブーガルー
10.キープ・ミー・カミン


アタシも今までジェシ・エド・デイヴィスといえば、アトコからの2枚しか知らず、このアルバムは聴いたことなかったんですが、いや参った、素晴らしいです。

コノ人の素晴らしさは、アメリカの、それも南部のどこかルーズで気怠くて、でもしっかりとグルーヴしているバンド・サウンドに乗って、程よい手数と豊かな情感でもって歌うギターの、全く飾らない、気取らないカッコ良さにあるんですが、この3枚目は、割とキッチリ作ってある前2作に比べて、やってることは基本変わらない武骨なサザン・ロックなんですが、より肩肘張らないラフな作りが、ギターと歌(これが優しくて泣ける声なんですよ)のカッコ良さを更に引き立てていて、こりゃもうブルースやヴィンテージなアメリカン・ロックが好きなら一気に引き込まれてしまうことをお約束します。

1曲目からジャムセッション風のインストで、ブルース、バラード、カントリー・ロックと、実にリラックスした雰囲気の中、決してテクニカルではないけれど、暖かく深みのあるトーンで、歌うギター。

そう、この人のギターは、例えばデュアン・オールマンみたいに力強く根こそぎ持って行くわけでもないし、ライ・クーダーみたいに流麗なテクニックで何でもこなしますってタイプじゃないけど、とにかくく味や匂いがしそうな"いい音"で、曲の雰囲気や展開に一番しっくりくるフレーズを出してくる。一言で「たまらんギター」というのがコノ人の魅力なんですよね。きっと彼のプレイを目の当たりにした人達も

「一言、たまらん」

と、ベタ惚れしちゃったんでしょうね。

中盤からホーン・セクション加わってファンクやりだすんですが、これがまた黒人ファンクとはまた違うし、かといって薄味の洗練された感じには全然なってないし、やっぱり"たまらん"のですよ。

ジェシ・エド・デイヴィスは、ミュージシャンズ・ミュージシャンで、派手なスターになる気は多分なかった人ですが、かといって演奏はロック初心者や、知らない人を冷たく拒む人では決してありません。

この素晴らしいアルバムが\1080というプライスで出たことによって、たくさんの人に聴かれて、これまでの「知る人ぞ知るマニアックな名手」という評価が少し変わってくれればいいなと思います。




『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

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2017年04月27日

リック・デリンジャー オール・アメリカン・ボーイ

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リック・デリンジャー/オール・アメリカン・ボーイ
(ソニー・ミュージック)

さて、今日は「ロックンロール」というものについて、柄にもなく真面目に考えております。

ロックンロールとは?

言うまでもなくロックのルーツであり、そして言うまでもなくそれは、1950年代に隆盛を極めたエレクトリック・ブルースの”よりキャッチーで踊れる音楽”です。

はい、チャック・ベリーやリトル・リチャードらが、当初「リズム・アンド・ブルース」としてその新しいスタイルをレコード(ドーナツ盤)に吹き込みました。

それらは当時「レース・レコード」と呼ばれた黒人向けのレコードとして売られた訳ですが、これが何と刺激を求める白人の若者も手に取って次々購入するようになった。

これを受けて音楽業界側が

「黒人白人両方のマーケットにPRできる新しい名前を」

ということで付けた名前がロックンロール。

ほうほう

んで、そこから数年経て、ロックンロールはその中心であるチャック・ベリーや人気DJアラン・フリードの逮捕とか、エルヴィス・プレスリーが兵役へ行くことでシーンから一時消えたこととか、リトル・リチャードが牧師になるために大衆向けの音楽活動を停止したとか、バディ・ホリーが飛行機事故で亡くなったとか、とにかく様々な理由で一気に盛り上がったものが一気に下火になります。

そこからは再びアメリカの黒人と白人の若者は、また別れました。

しかし、一度ロックンロールで人種の垣根を越えた若者達は、それぞれを取り巻く社会問題や、それぞれのルーツと真剣に向き合うことに没入します。

これがソウル・ミュージックを生み、フォーク・リヴァイバルに火を付け、この流れが一旦イギリスへ渡って再びアメリカに帰ってくることによって「ロック」の大波となってゆくのです。

はい。で、ロックの時代になってロックンロールはどこへ行ったんだろう?

「ロックロックって言うけど、ロールはどうした?」

と言ったのは、かのキース・リチャーズでありますね。

そう、端的に言えばロックは60年代後半から70年代、そして80年代90年代と、どんどん先鋭的に進化して、ロックンロール独特のルーズなカッコ良さや、いわゆる”粘るグルーヴ”よりも、派手さや速さがサウンドにプラスされ、加速して炸裂する音楽になって行きました。

しかしまぁブルースの時代からの「クレイジーになれる音楽」というものを考えればこの進化は当然であります。

で「ロックンロールは死んだのか?消えてなくなってしまったのか?」といえば、実はそうじゃないんだよ、ということを今日は話したかった(長い!)。

はいすいません、ロックンロールですね。

実はアメリカでは、60年代も70年代も80年代も90年代も、ロックンロールというものはずーっとメインストリームで生きております。

アタシなんかがパッと思い浮かぶのは、やっぱりガンズ・アンド・ローゼスやモトリー・クルー、ニューヨーク・ドールズ、エアロスミスなんかは、ロックというよりも粘りのあるロックンロールです。

あと、アメリカではないけれどAC/DC!

これらはいずれも70年代以降のバンドです。

何が言いたいかというと、1970年代以降もロックンロールは多くの若者に愛され、そして演奏されてきたということなんですね。

で、ロックンロール・・・というよりも、1970年代以降の「新しいロックンロール」というものを語る時に、まずハズせない永遠の名盤を、今日はご紹介します。

はい!




(ギター・レジェンド・シリーズ)

【収録曲】
1.ロックンロール・フーチー・クー
2.ジョイ・ライド
3.ティーンエイジ・クィーン
4.チーフ・テキーラ
5.アンコンプリケイテッド
6.ホールド
7.恋と涙のエアポート
8.ティーンエイジ・ラヴ・アフェア
9.イッツ・レイニング
10.タイム・ワープ
11.スライド・オン・オーヴァー・スリンキー
12.ジャンプ・ジャンプ・ジャンプ


いえぇぇ〜い、リック・デリンジャー!


リック・デリンジャーといえばジョニー・ウィンターの初期バンド「ジョニー・ウィンター・アンド」の中心メンバーで、あの狂熱の名盤「ライヴ」でバリバリに気合いの入ったセカンド・ギターを弾きまくっておりますが、ソロ・アーティストとしてはこれが実にキャッチーで芯の強いロックンロールを聴かせてくれる人なんです。

本人はジョニー・ウィンターや、その弟のエドガー・ウィンターと長く活動して、プロデュースもやっておる、やんちゃなギターとは裏腹に、実はマルチな人だったりもするんですよ。えぇ、ついでに言うとルックスも良かったので、若干アイドルみたいな感じで売り出そうという動きもあったとかなかったとかなんですが、本人そういうのも上手に利用して「かっこいいロックンロールってのはこういうヤツ!」と、見事その後へのお手本を示したアルバムを、デビュー作として作り上げました。

それが「オール・アメリカン・ボーイ」であります。

まずはこの、カラッとした、実にノリの良いサウンドの中に、キラ星の如く輝く活きのいいナンバーやバラードを、なーんにも考えずに聴いてくださいな。

ジョニー・ウィンターを始め、ロックの色んな人たちがカヴァーしている「ロックンロール・フーチー・クー」や、アコギで弾かれる切ない風情のスライドと、いかにもカントリー・ポップなノリのグルーヴ、切々とした高めの声とのマッチング感が最高な「チーフ・テキーラ」、大人な雰囲気満載の楽曲に、泣きのギターが炸裂するバラード超大作「ジャンプ、ジャンプ、ジャンプ」など、とにかくこのアルバム、70年代めちゃくちゃ売れたとか、超有名な人の大名盤という訳では決してないんですが、聴いてすぐに「あ、コレはゴキゲンだね」と思えるし、今でも多くのロッカー達に愛されている「ロック・カヴァーソングのスタンダード」がいっぱい入ってるんです。つまり、時代やスタイルを超えて誰もが楽しめるゴキゲンな音楽。あ、それがロックンロール♪

でも、ポップでキャッチーでも、ギターは相当に鋭いんで、そこんとこヨロシク♪




『音のソムリエ 高良俊礼の音楽コラム』

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2017年04月25日

バディ・ガイ アイ・ガット・ザ・ブルース

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バディ・ガイ/アイ・ガット・ザ・ブルース

さて、只今アップアップしながらですがご紹介しております”ギター・レジェンド・シリーズ”皆さんどうですかね? ブルースもロックも、このシリーズのラインナップはアタシがそれこそ10代とか20代の頃、それこそ夢中でギター弾いてて、ギターに関するものなら何でも聴きたい!と鼻息を荒くしていた頃に出会った、「こんな人もいたんだー!」「すげー、このギターどうやって弾いてんだ!」と、何度も何度も感動と衝撃で胸をブチ抜いてくれたアルバムばかりです。

特に今ギターに夢中になっている若い人なんかが聴いてくれたらいいなと思っているんですが、もちろんギターのことなんか全然知らない人が聴いても「うぉ!このギターいいね」と思えるような、音楽的に素晴らしく質の高いものばかりなんで、ちょっとでも心動いた方は、お近くのCDショップ、または本文中に貼ってあるリンクからポチッとしてくださったらと思います。

さて本日は「今を生きるギター・レジェンド」として、最も後輩からのリズペクトを集めているといえばコノ人、バディ・ガイです。

バディ・ガイは1930年代生まれのブルースマンで、戦後になってブルースをエレキ化したマディ・ウォーターズの流れを汲みつつも、B.B.キング、アルバート・キングらが世に広めた「スクィーズ(のけぞり)ギター」の奏法を独自に発展させた、モダン・ブルース第一世代の巨人といえるでしょう。

同年代としてはマジック・サム、オーティス・ラッシュらとシノギを削り、60年代以降のシカゴ・ブルースを大いに盛り上げ、彼の”下の世代”に当たるロバート・クレイやエリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジョニー・ウィンター、スティーヴィー・レイ・ヴォーンといったギタリスト達からは「良き兄貴分」として慕われ、ライヴにも呼ばれ、また、バディがアルバムを出すとなれば、この弟分達は喜んで駆けつけると言いますから、プレイのみならず人間的にも素晴らしい人なんでしょう。


第四玉手箱の備忘録「ジャージとタンクトップとストラトキャスター」
(参考動画🎵)








(ギター・レジェンド・シリーズ)

【収録曲】
1.アイ・ガット・ザ・ブルース
2.オレは何から何までツイてない
3.ファイヴ・ロング・イヤーズ
4.ムスタング・サリー
5.隠し事
6.早朝の憂鬱
7.まるで地獄
8.ブラック・ナイト
9.ラヴ・ユー・ベイビー
10.スティーヴィーへの追憶
11.ドゥーイン・ホワット・アイ・ライク・ベスト
12.トラブル・ドント・ラスト

そんな"兄貴"バディ・ガイ、60年代に気勢を上げて、70年代にはソロも、相棒のジュニア・ウェルズと組んだ"バディ・ガイ&ジュニア・ウェルズ"も絶好調で、ライヴにレコーディングにと快進撃を続けておりましたが、80年代はそれまでの勢いが嘘だったかの如く、一気に不遇の時期を迎えます。

80年代というのは、ディスコやニューウェーブなど、とにかく「派手でポップで最新機器を使った音楽」がもてはやされた時代。

ベテランのブルースマンやロック・ミュージシャン達は軒並み苦戦を強いられていたんですね。で、バディも80年代にリリースしたアルバムはたったの2枚。

ちゃんとした仕事も貰えず、悶々としていたバディでしたが、1989年ついに

「むがー!演奏する場所ないんなら自分で作ればいいんじゃー!!」

と開き直り、地元シカゴにブルースの生演奏が聴けるクラブ「バディ・ガイズ・レジェンド」を開店。

自ら経営を切り盛りしながらステージに立つばかりでなく、同じように不遇を囲ってたブルースの仲間達や若手のアーティスト達にも、人種関係なく「ブルースやるならオーケーだぜ」と声を掛け、いつの間にかその店は、ブルースの街シカゴのホットなスポットとなっておりました。

最初は

「バディ・ガイの店だって?へー、あの人まだブルースやってたんだー」

と、冷やかしで入ってくる客にも、ガッツリ手抜きナシの狂暴なブルースを聴かせ、帰る頃には

「やっべぇよ、現役どころかパワーアップしてやがった・・・」

と、圧倒的なパフォーマンスで訪れた人々のド肝を抜き、その噂は当然レコード会社にも届きます。

そして1991年、バディはシルヴァー・トーン・レーベルと契約。

以来このレーベルからバンバン作品をリリースして
、今第二の全盛期なんですが、この「アイ・ガット・ザ・ブルース」は、何と言っても復活の第一段で気合いが違います。

「お、バディ復活かぁー。どれどれ、うん!いいサウンドだ。若い時は勢いだけで突っ走ってたバディもベテランになって落ち着いて・・・

いなーい!何だこの相変わらずの金切りシャウトにバキバキのギターは、若い頃のテンションとちっとも変わんないじゃない。サイコーだなおい!!」

と、いうのが、当時リアルタイムで本作を聴いたほとんどの人の感想です。

タメの効いたねっとりしたファンク・ブルースのA、王道シカゴらしさがジワジワとクるスロー・ブルースのB、ワルツのリズムに乗ってしっかりとアクの強いギターソロでねじ伏せるE、そしてこのアルバムリリースの前に飛行機事故で亡くなった後輩のスティーヴィー・レイ・ヴォーンに捧げられた魂のスロー・ブルース・インストのIなど、楽曲はオリジナルに、彼の敬愛する先輩ブルースマン、50年代60年代のソウル/R&Bのヒット曲など、グッと幅広くなっておりますが、どの曲でもヒステリックと言えるほどの、情念の炸裂しまくったギターが暴れていて、細かい云々よりも、その暴れっぷりこそがバディだと、多分初めて聴く人にも、戦慄と共に思わせる、激しくてブ厚い説得力に溢れたアルバムです。

ゲストには、彼の華々しい復活に花を添えるべく駆けつけたエリック・クラプトン、ジェフ・ベック、マーク・ノップラーらの"ギター舎弟衆"が集まって
、やはり素晴らしいプレイでバディを引き立て、盛り上げてます。

しかし、聴けば聴くほど素晴らしいのは、終始重く粘るビートを提供しているリッチー・ヘイワード(リトル・フィート)のドラムです。

この素晴らしいドラムの支えあればこそのバディの大暴れですぞ皆さん。





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2017年04月21日

サニー・ランドレス サウス・オブ T-10

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サニー・ランドレス/サウス・オブ T-10
(ソニー・ミュージック)

はい、先月からソニー・ミュージックが内容豊富&お値段手頃の、ギター好きのブルース、ロック、ジャズファンにはたまらない企画であります「ギター・レジェンド・シリーズ」を皆様にご紹介してる訳なんですが、ここへきて

「アンタがブログに書いてた、あのギターなんとかシリーズ欲しいな」とか「ブログ読んだら盛り上がってきちゃってついついポチッちゃった」とか、嬉しい声をちょこちょこ聞いております。えぇ、実にありがたいもんです。

これはアタシもそうなんですが、ブログやホームページで好きなアーティストや、よく知ってるバンドの記事が載ってると、つい嬉しくなって読みふけってしまいます。でも、知らないアーティストの事が思いも寄らぬ魅力を込められて書いてある記事を読むと、その倍興奮します。

”知らない音楽を知る喜び”ってのが、音楽にはあって、それは色んな喜びの中で、結構上の方の上等なヤツなんじゃないかと思うんです。えぇ。なので、アタシは何よりも「このアーティストを知らない方々にその魅力をちょっとでもお届けする」を信条にブログ書いてます。

拙い記事ですが読んでもらって

「お、これはなかなか面白そうだぞ、いっちょ聴いてみるか」

と、なって頂ければ一番嬉しいですね。

はい、与太はこれぐらいにして、本日のギター名盤をご紹介しましょうね。

この”ギター・レジェンド・シリーズ”ブルースマンや、ブルースに濃い影響を受けたロックの名盤が多いよ、というのは、ほぼ毎回言っておりまして、今日ご紹介するのもある意味でジャンルで言えば「ブルースロック」と呼ばれるシロモノなんじゃないかなぁと思います。

アメリカは南部ミシシッピで生まれ、ほどなくしてルイジアナに移り住み、そこで同地のブルースやR&B、カントリーにケイジャン、ザディコといった良質なアメリカン・ルーツ・ミュ−ジックにもみくちゃになって育ったスライドギターの達人、サニー・ランドレスなんです。

「スライド」といえば、これはもうここをお読みの皆さんは、真っ先にブルースを連想するんじゃないかと思います。

それは確かにその通りで、ランドレスのギターも、その影響の源はブルースでありますが、彼の場合は1951年生まれという、青春時代には既にロックンロールの波は過ぎ、新しいロックの波が訪れていた頃。

つまり彼がデビューする前には、既にオールマン・ブラザーズを筆頭に

「スライドギターでカッコ良くロックする」

というスタイルが確立されていた時代です。

なので、ランドレスのスライドには、ブルースもありカントリーもあり、それらが全く新しいロックの感覚で、バランス良く表現されてるんですね。


(ギター・レジェンド・シリーズ)


【収録曲】
1.シューティング・フォー・ザ・ムーン
2.クリオール・エンジェル
3.ネイティヴ・ステップサン
4.オーファンズ・オブ・ザ・マザーランド
5.コンゴ・スクエア
6.ターニング・ホイール
7.サウス・オブ・I-10
8.ケイジャン・ワルツ
9.モジョ・ブギー
10.セ・ショウ
11.グレート・ガルフ・ウィンド
12.グレート・ガルフ・ウィンド・リプリーズ
13.ブルース・アタック *

*=ボーナストラック



今日皆さんにご紹介するのは、1995年リリースの、オリジナル・アルバムとしては4作目の「サウス・オブT-10です。

そもそもソロ・デビュー自体が1981年、31歳の頃と遅く、デビュー後もランドレスは寡作でした。

と言うよりも、実力の割にレコードの製作や販売のプロモーションに恵まれなかったと言えるでしょう。

セッション・マンとして数々の現場を渡り歩き、アラン・トゥーサンやエリック・クラプトン、ゲイトマウス・ブラウン、クリフトン・シェニエといった先輩ミュージシャン達からはその腕とセンスを買われていたにも関わらず、なかなか一般的な知名度が上がらないランドレスの状況に業を煮やしたクラプトンが

「彼ほど過小評価されてるギタリストはいないよ、彼は僕のヒーローなんだ」

と言った話は有名です。

さてさて、アルバムに話を戻しますが、このアルバムは、彼の代表作と言われるだけあって、そのトレードマークであります超絶なキレで迫るスライドが大大大活躍!

もうね、1曲目から意表を突いたハードロックな曲調なんですが、これがカッコイイの(!) で、マーク・ノップラー(イギリス生まれの凄腕カントリー系ギタリストなの)とかフィーチャリングした、気合いの入ったカントリー・ロックとか、レゲエ調とか、アコースティックの粘っこいブルースとか、アラン・トゥーサン参加のニューオーリンズR&Bとか、アルバムはそれこそ「アメリカ南部の万華鏡」状態ですが、どれだけ楽曲の幅が広くても"今風"をやってても、どの曲でも筋の通ったバリバリに弾きまくるスライドギターが真剣に歌ってるから、軽い感じもとっ散らかった感じもしません。

少年のような、どこか爽やかな声もいいけど、やはりギターですよギター。

ランドレスは「ビハインド・ザ・スライド」という、実に画期的なギター奏法を生み出したと言われてるんですが、それは何かと言われれば、ザックリと

「スライド弾きながら、上手く他の指で押さえてる音を繋いで、スライドの味はそのままに、まるで指で普通に押さえて弾いているかのようなスムースなフレージングを聴かせる奏法」


なんです。

うん、なんのこっちゃー!ですが、そんなこまけぇことは知らずとも、このアルバムに納められている

「すんげぇスライド」

聴けば

「なんかわからんけどそーゆーことかー!!」

と、納得出来ると思います。

個人的には王道サザンロックのB(インスト)とシャッフルビートでガンガン盛り上がるIが最高です。





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